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藤井聡太棋聖に挑戦するのは佐藤天彦九段か? 山崎隆之八段か? 4月22日、棋聖戦挑戦者決定戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 4月22日。東京・将棋会館においてヒューリック杯第95期棋聖戦・挑戦者決定戦、佐藤天彦九段(36歳)-山崎隆之八段(43歳)戦がおこなわれます。

 勝者は藤井聡太棋聖(21歳)への挑戦権を獲得します。

 どちらが挑戦しても、藤井棋聖(八冠)とは初のタイトル戦番勝負での対戦となります。

今期棋聖戦、両者の歩み

 今期棋聖戦、佐藤九段と山崎八段は二次予選から参加しました。

 佐藤九段は石井健太郎六段、村中秀史七段、屋敷伸之九段に勝って挑戦者決定トーナメントに進んでいます。

 山崎八段は北浜健介八段、糸谷哲郎八段、松尾歩八段に勝って二次予選を通過しました。

 挑戦者決定トーナメントでは、佐藤九段は藤井猛九段、西田拓也五段、佐々木大地七段に勝利。

 山崎八段は森内俊之九段、渡辺明九段、永瀬拓矢九段を連破して、挑決に進みました。

どちらが勝っても熱い五番勝負

 両者は過去に11回対戦。山崎6勝、佐藤5勝という拮抗した成績が残されています。

 佐藤九段はこれまで居飛車党として実績を積んできました。しかし最近では振り飛車を多く採用して、好成績をあげています。

 コンピュータ将棋(AI)を用いた序中盤の研究が必須といわれる現代にあって、山崎八段は独創的な作戦を用い続け、ファンを沸かせています。

 佐藤九段は2016年から19年にかけて、名人戦3連覇を達成しています。しかし20年、豊島将之現九段に名人位を奪われて以来、タイトル戦の舞台からは遠ざかっています。

 トーナメント棋戦では数多くの優勝経験がある山崎八段。しかしタイトル獲得の経験はありません。2009年の王座戦五番勝負では羽生善治王座(当時)に挑戦して敗退。もし今期棋聖戦で挑戦を決めれば、タイトル戦番勝負登場は王座戦以来のこととなります。

 タイトル初獲得の最年長記録は、2019年、木村一基王位(現九段)の46歳です。

 もし今期、山崎八段が棋聖を獲得すれば、木村九段に次ぐ年長記録となります。

 叡王戦は第3期からタイトル戦に昇格しました。それ以前の第1期、第2期で優勝したのが、山崎八段と佐藤九段です。

 本局は元叡王対決にもなります。

 ファンに人気の高い佐藤九段と山崎八段。どちらが挑戦しても、熱い五番勝負となりそうです。

 藤井棋聖と佐藤九段の対戦成績は藤井7勝、佐藤1勝です。

 藤井棋聖と山崎八段の対戦成績は藤井1勝、山崎1勝です。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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