【秘境駅のとなりも秘境駅?】国道駅のとなり、「鶴見小野駅」にあるものとは
「秘境駅のとなり駅もまた、秘境駅なのではないか?」
最近よく考える、私のなかでの仮説です。
半分観光スポットと化した秘境駅には何度も行ったことがあるけど、その前後の駅には降りたことがないという人、結構いるのではないでしょうか。
その駅にだけ下車して、またすぐに電車に乗って主要駅に行ってしまう人も多いけれど、土地は地続きにつながっているものです。きっと秘境駅のとなり駅も、秘境駅と同じくらい興味深いエリアなはずではないでしょうか。
秘境線はたいてい電車の本数が少ないため、わざわざとなりの駅にも下車するのは大変面倒ではあるのですが……どうしても気になります。やってみましょう。
過去と今、住宅街と科学都市が混在する「鶴見小野駅」
戦前のディープな空気を残す秘境駅の「国道駅」を過ぎ、1つおとなりの「鶴見小野駅」に到着しました。
国道駅は高架下にひっそり存在する駅でしたが、鶴見小野駅は住宅街に面していました。高架上に線路があるわけでもないので、ホームと改札、そして改札外の長閑な風景が同じ目線で見れて安心感があります。
国道駅はまさかの共用、そして衝撃の古さだったトイレでしたが、鶴見小野駅は新しくピカピカ。こちらもバリアフリー仕様です。まだできてそんなに経っていないのではないでしょうか。
鶴見線はどこもそうですが、鶴見小野駅も当然無人改札です。
……のはずが。
有人改札がありました。「ラッチ」というらしいです。今はもちろん使われていないので、「ラッチ跡」とでも言うべきでしょうか。昔は駅員さんが立って、切符を切っていたのかと思うと、けっこう賑やかな駅の風景だったのかもしれません。
反対の改札側には、整備された散歩道が伸びていました。
駅周辺の住宅街とはまた異なる、スン……と静観な雰囲気。行ってみましょう。
散歩道周辺は研究施設に面していて、まるで理系大学のキャンパス内を散歩しているような気分になりました。
通り抜けると、だだっ広い道路に面します。
住宅街だった鶴見小野駅前から、一気に鶴見線らしい工業地帯に引っ張られたような気分になります。しかし、「THE工場」というよりは「研究施設」感の強いきれいなビルばかり。鶴見小野駅周辺は工業地帯というより科学都市といった方が正しいのかもしれません。「横浜のつくば」とでも言うべきでしょうか。
さらにもう一つとなりの「弁天橋駅」は「ほぼJFE駅」
駅間隔がそんなに離れていない鶴見線。散歩していたらあっという間にもう一つ先の駅に着きそうです。行ってみましょう。
工業地帯のなかに、急に整備された公園が!?と思ったら……
非常に美しく整備された駅でした。
どうやら2018年に駅舎がリニューアルされたようで、その際に駅前広場もできたようです。
で、なんで「ほぼJFE駅」なのかというと……
こちら、改札を出た場所からすぐ目に入る看板。
「え!?私知らないうちに敷地内に入っていた!?!?」とめちゃくちゃ焦りました。
よかった……。記事にできます。
駅前に大きく看板を出しているだけあって、JFE関連施設に直結しています。
会社への道は屋根がついていて、イラストの鳥たちが会社に向かって羽ばたいていました。雨に濡れずに出勤できるのでしょうね。
このコンコースの先には進めませんが、この先の「海芝浦駅」とは異なり、外周は一般道路として普通に歩けるので、JFE施設を迂回するようにして、この先の駅へと散歩を続けました。
そうそう、「海芝浦駅」「新芝浦駅」は東芝施設に面しているのでこの名前になっています。それなら、こんなにJFEが目の前にある弁天橋駅も、「JFE前駅」と名乗る権利は十分にあるのでは?なんて思いました。
でも、かつて漁師に祀られていた弁天さまがいたことが由来というこの駅名も素敵ですので、すっかり工業地帯となった今でも、このままでいてほしいなという気持ちはありますね。
以上、「国道駅」のとなりの「鶴見小野駅」を見るつもりが、「弁天橋駅」も見てきた「秘境駅のとなり駅」探訪でした!
秘境駅のとなり駅を、わざわざ見てみようと思う人は少ないのかもしれませんが、せっかく秘境駅まで来たんです。ぜひそのおとなりも見てみてください。きっとあなただけの新たな発見ができるはずですよ。
マニアックなスポットへの散歩や旅に興味のある方は、ぜひフォローしてくださると嬉しいです!ではまた次の旅で。