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亀田興毅が語った井上尚弥「あの試合で完全にスーパースターになった」

木村悠元ボクシング世界チャンピオン
全てスタッフ撮影

井上尚弥(26=大橋)について、元ボクシング世界3階級王者の亀田興毅(32)が語った。

亀田は現役時代、井上と同じ階級(ライトフライ級〜バンタム級)で戦っていた。

また、親の影響でボクシングを始めたなどの共通点もあり、興味深い話を聞くことができた。

井上尚弥とドネアの試合について

まず、今回の試合について「これだけのビッグマッチのリングに上がっただけでもすごい」と井上に対して尊敬の念を示した。

井上が出場したWBSSトーナメントは、現役世界王者と元世界王者だけが出場できるトーナメントだ。

井上は日本人として初出場を果たし、初戦、準決勝と圧倒的な強さで勝利。決勝に駒を進めた。

試合は2万2千人収容のさいたまスーパーアリーナで行われ、チケットは試合1ヶ月前に完売したほどだ。

日本ボクシング史上、稀に見るビッグマッチだったと言える。

ドネアとの激闘を制し、勝利した井上について「あの試合で完全にスーパースターになった」と話した。

井上のボクシングについて「想像以上に打たれ強い。タフネスを証明したから、これから先が楽しみ」と期待を寄せた。

井上は今回の試合で、KO率の高いドネアのパンチをもらっても倒れなかった。そのタフネスぶりを賞賛した。

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家族の存在について

インタビューの中で「お父さんがすごい。家族の力がないとあそこまで行かない」と家族の存在についての話もあった。

井上も亀田も、父親の影響でボクシングを始めている。

井上も父親(真吾氏)、亀田も父親(史郎氏)とともにボクシング人生を歩んできた。

「子供の時は親が導いてあげることが大切。自分もそうだった。それがなかったら絶対世界チャンピオンになっていなかった」と話した。

モンスターと呼ばれる井上だが、時には調子が悪い時もある。

そんな時は、父親が良き相談相手となっているようだ。

選手にとって、身近に理解者がいてくれることは精神的な支えとなる。

また、井上と同じく、ボクシング一家に育った亀田は

「ジムに行って練習するのは当たり前。だが家に帰ってからもボクシングの話やビデオで研究したり、一緒に練習している。誰よりもボクシングを考えて、トレーニングができる環境は大きい」と語った。

選手にとって「環境」の影響は大きい。

私も現役時代はサラリーマンボクサーとして「会社」「ジム」2つの環境に身を置いていたが、双方の環境が素晴らしかったからこそ世界チャンピオンになれたと思っている。

家族の理解や、ジム、トレーナーとの友好な関係性、それらの全ての環境が整うことで、選手達は100%の実力を発揮することができるのだ。

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どれだけ重たいものを背負うか

「子供ができると守るものができる。ボクサーは背負っているものがなかったら勝てない。どれだけ重たいものを背負うかで勝敗は決まる」と話した。

井上は今回の試合で、キャリア一番のピンチに襲われた。9R目にドネアの右ストレートでダウン寸前まで追い詰められた。

その時、長男の明波くん(2歳)の顔が浮かんだようだ。

井上は試合後のインタビューで「パンチは正直効いた。その瞬間、息子の顔が浮かんだ。持ちこたえられたのは息子の存在が本当にデカかった」と話している。

ボクサーは孤独だ。

どんなに周囲がサポートしてくれていても、リングに立つ時は1人だ。試合前は不安で逃げ出したくなる。

そんな時に心の支えになるのが、家族や仲間の存在だ。

自分が勝ちたいという想いだけでなく、人の想いを背負うことでより強くなる。

亀田も「試合になったらどれだけ重たいものを背負うか。自分がなんのために、誰のために勝つのか。それが相手より上回った方が勝つ」と話していた。

ピンチの時こそ、選手の真価が発揮される。

今後の井上に対しては、

「スポーツ界を代表するくらいまでいってほしい。そして稼いでもらいたい。

チャンピオンは稼げるというのを見せることでボクシングに憧れを持つ子供達が増えて業界が活性化する。

今後は日本ボクシング界を背負ってさらなる高みを目指して、世界でも活躍してほしい」

と期待を寄せた。

元ボクシング世界チャンピオン

第35代WBC世界ライトフライ級チャンピオン(商社マンボクサー) 商社に勤めながらの二刀流で世界チャンピオンになった異色のボクサー。NHKにて3度特集が組まれ商社マンボクサーとして注目を集める。2016年に現役引退を表明。引退後に株式会社ReStartを設立。解説やコラム執筆、講演活動や社員研修、ダイエット事業、コメンテーターなど自身の経験を活かし多方面で活動中。2019年から新しいジムのコンセプト【オンラインジム】をオープン!ボクシング好きの方は公式サイトより

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