高校生は91.5%、小学生でも29.4%はスマホで動画を見ている…小中高校生のスマホでの動画視聴動向
スマートフォンなどの端末の普及によって、その端末を使って動画を視聴するスタイルは、それこそテレビを視聴するかのように人々の日常生活に組み込まれている。そこで実際に、どれほどの小中高校生がスマートフォンで動画を視聴しているのか、その実情を内閣府が2023年3月に報告書を発表した、「令和4年度青少年のインターネット利用環境実態調査」(※)の公開値から確認する。
スマートフォンでインターネットを利用している人に、動画視聴をしているかを尋ねた結果が次のグラフ。動画視聴のスタイルとしてはインターネット経由で閲覧する以外に、ファイルをダウンロードしてオフライン(インターネットに接続していない状態)で見るパターンも想定されるが、今調査ではそれにかかわる調査項目はない。
スマートフォンでインターネットを利用している人のうち、小学生では7割近く、中学生なら8割台、高校生は9割台が動画視聴をしている。同じ学校種類なら中高生では男女差はおおよそ誤差の範囲で事実上差はないと見てよいだろう(小学生は女子の方が高い値が出ている)。具体的な視聴先は調査対象とされていないので今件では不明だが、スマートフォンで視聴可能な動画サービスは山ほどあるため、視聴先には困らない。
「スマートフォンでインターネットを使っている小中高校生の6割台から9割台が動画を見ている」。これは一つの指標ではあるが、全体像がやや分かりにくい。そこで各属性毎のスマートフォンでインターネット利用をしている人の割合を抽出し、それと合算することで、各属性の全体のうち、何%がスマートフォンで動画視聴をしているかを算出した結果が次のグラフ。例えば女子小学生は35.2%と出ているが、これは女子小学生全体の35.2%が、スマートフォンで動画を視聴していることになる。
スマートフォンを利用していなければ当然スマートフォンで動画は視聴できず、さらにスマートフォンを利用していてもインターネットへのアクセスが許可されていなければ今件定義における動画視聴は不可能。よってスマートフォンの利用状況そのものが多分に反映される形となっている。
小学生は元々スマートフォンの利用率が低いため、値そのものも低く3割足らず。中学生は2/3ぐらい、そして高校生は9割強。「高校生全体の9割強はスマートフォンを使って動画を視聴している」計算になる。対象となる動画サービスは多様だが、関係方面には小さからぬ驚きを覚えさせる値に違いない。
今件「動画視聴」はその頻度や視聴先は問われておらず、具体的な視聴スタイルは不明。しかし少なくとも「スマートフォンで動画」との新しい娯楽様式に関して、小中高校生の実情が把握できたのは興味深い。今後スマートフォンの普及が進むに連れて、小中学生にもこの「スマートフォンで動画」はさらに浸透していくに違いない。高校生に関しては現状ですでに「スマートフォンで動画を視聴している」のを前提として物事を考えた方がよいのかもしれない。
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※令和4年度青少年のインターネット利用環境実態調査
2022年11月3日から12月12日にかけて2022年11月1日時点で満10歳から満17歳までの青少年とその同居保護者それぞれ5000人に対し、調査員による個別面接聴取法(困難な場合は訪問配布訪問回収法やウェブ調査法も併用)で行われたもの。回答側の事情次第で郵送回答法を併用している。有効回答数は青少年が3230人(うちウェブ経由は450人、郵送回収法は222人)、保護者は3276人(うちウェブ経由は491人、郵送回収法は236人)。
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