【宝塚市】日常をアートに。 清荒神『casimasi』
清荒神の参道沿いに、つい足を止めて見入ってしまうショーウインドウがあります。小さな美術館のような店内は、一見の価値あり。お参りの途中にちょっと覗いてみませんか。
上質な雑貨と書籍
『casimasi(カシマシ)』さんは、靴下やハーブティー、さまざまな小もの+書籍をあつかうお店。定番商品もありますが、不定期に特定の作家さんや作品をメインにした展示販売を行っています。
今回訪問した日の展示は、アフリカ・マリの伝統的な織物ボゴランを使ってつくられたタペストリー「The Bogolan Textile Totems」(現在展示は終了。販売のみ)でした。
素朴でおおらかな模様は大地のパワーに溢れて元気をもらえます。ちなみにこのボゴランという織物、アフリカでは魔除け・厄除けになって身を守ってくれるものだそう。伝統的な織物をタペストリーに仕立てたのは、アムステルダム在住のデザイナーさんだとか。国際的なコラボが日本の参道で見られる。楽しいですね。
オーナーこだわりのセレクション
店内には、オーナーの福島さんセレクトの新刊本も置かれています。ジャンルは食べ物、植物、アート、旅がメインで150冊ほど。小説は少なめですが『洲崎パラダイス』など時代を越えて愛される名作がさりげなく置かれていたりします。
ハーブや漢方などからだをととのえる本や貴重な写真集など、面白そうな本がずらりと並び、本は「世界の窓」だとあらためて実感です。牧野富太郎さんの植物本は、朝ドラ放送前から人気だそう。多岐にわたるジャンルがひと目で見渡せるので、ネット販売では難しい「ご縁を感じる本」との出合いも嬉しいです。上質な紙でつくられた料理やアート本は、手でページを繰る喜びを教えてくれます。
豊かで心地よい暮らし
福島さんは柔らかな物腰と理知的な瞳が印象的な方。ご自身が心地よいと感じるものをセレクトしたという店内は、上質で洗練されたものばかりです。
からだに優しい靴下やインナー、リトアニアリネンのタオルなどは、暮らしをアートに彩ってくれ、身の周りに置くだけでハッピーになること間違いなし。
繊細な織りに目を奪われたこちらのリネンは、ストールもありました。
少量ですが、置いてあるグラノーラやブールネージュ、ハーブティーも本当に美味しそう。朝からいただけば、優雅な気分で一日を過ごせそうです。
そのほか、料理にも使える万能シロップも。
10月31日からは新しい展示
展示販売の内容によって店内の雰囲気は変わります。2023年10月31日からはじまる「セツローさんの小さな展覧会」(11月18日まで)は、レントゲン技師として働きつつ、洋画家として活躍された小野節郎さんの随筆刊行に合わせて開催されるもの。手びねりの土人形など、本に収録されている作品もいくつか展示されるそうですので、興味ある方はぜひのぞいてみてください。
現在、ボゴランのタペストリーの展示は終了していますが、販売は可能です。また不定期でお休みされることがあるので、訪問前にはインスタグラムで確認することをお勧めします。
「自分のペースで、やりたいことをゆったりと広げていけたら」という福島さん。その素敵な感性で、次はどんなものを見つけてきてくれるのでしょうか。新たな出合いを期待して、またおじゃましたいです。