Yahoo!ニュース

【宝塚市】名店の味を気軽に楽しめるお寺カフェが2024年8月に新規オープン

ぶらっと地域情報発信ライター(宝塚市)
魅惑のカレーうどん

特別な日のごちそうとして親しまれている、創作京風懐石のお店『明月記』さんが、大本山 中山寺の境内にカフェをオープンしました。総料理長監修のレシピで美味しさはそのままに、鯛茶漬けやカレーなどカジュアルなメニューがふだん使いにぴったり。落ち着いた空間で喫茶も充実し、きっと通いたくなる隠れ家的カフェです。

この看板が目印
この看板が目印

わざわざ訪れたい「ふだん使いのごちそう」カフェ

中山寺の山門を入り塔頭(たっちゅう)の並ぶ参道を抜け、正面の階段手前の道を右に入って左側、エスカレーターの隣に明月記中山寺カフェさんがあります。

広びろとした空間に高い天井と、掃き出し窓から見える緑が清々しく、ゆったりと自分時間を過ごせそう。

ポップな絵画で心がはずむ
ポップな絵画で心がはずむ

こちらでは「ふだん使いのごちそう」をコンセプトに、カレーライス/うどんや鯛茶漬け、さらには懐石まで、明月記さんならではの和のメニューを提供しています。

皿御膳や懐石は季節で内容が変わります。※価格は取材当時のものです。
皿御膳や懐石は季節で内容が変わります。※価格は取材当時のものです。

シンプルながら工夫を凝らした味わいは、『明月記』総料理長・藤本良一さん監修のレシピを忠実に再現したもの。
藤本さんは、平安神宮例祭翌日祭での「古式四条流庖丁道」に参加するなど、日本料理の伝統を受け継ぐ方です。

  • 古式四条流庖丁道:平安時代の装束を身に纏(まと)い、素材に一切手を触れずに庖丁と真魚箸(まなばし)のみを用いて魚や鳥を捌(さば)く伝統的な儀式。

鰹出汁(かつおだし)の滋味とガツンとしたスパイスが楽しい「鰹出汁カレーうどん」

お出汁に魅かれてこの日は「鰹出汁カレーうどん〈辛口〉」をチョイス。カフェ店長にお話しを伺いながらいただきます。

「鰹出汁」のネーミングから、スープカレーのようなものを想像していましたが、実際のカレーうどんは、もう少し濃厚な感じです。

紙エプロンのサービスつき
紙エプロンのサービスつき

まずはスープをひと口。出汁の旨味を十分に活かしながら、ワイルドな辛さがガツンと舌を刺激します。後からじわりと沁みるやさしい甘みは果物だそう。もっちりとした麺はカレーに負けていません。昔なつかしい日本のカレーの中に洋風テイストもあって、とても美味しいです。

鰹出汁カレーうどん〈辛口〉982円(税別)
鰹出汁カレーうどん〈辛口〉982円(税別)

さらに味わい深いのがトッピングの牛しぐれ煮です。藤本総料理長が「これだけは譲れない」とおっしゃったこだわりの牛しぐれ煮は、控えめな味付けで牛肉の旨味が存分に感じられ、しみじみと噛みしめてしまいます。

上品な味付けがカレーに馴染みます
上品な味付けがカレーに馴染みます

牛肉を炊いた汁も一緒に入れることでカレーに深みをプラス。繊細な工夫が美味しさの秘訣と納得の一品でした。

ちなみにこちらのしぐれ煮は「肉うどん」や「肉吸い膳」にも使われているのだそう。気軽に美味しい牛肉をいただきたい方にお勧めです。

極上抹茶と削りの技術が光るかき氷

カレーうどんでほどよく暖まったところで、「深碧抹茶のかき氷」をいただくことに。こちらは、新神戸の人気割烹料理店であり、かき氷で知られた「但(Tan)」がプロデュースする、明月記カフェの看板メニューです。

「深碧抹茶のかき氷」1300円(税別)
「深碧抹茶のかき氷」1300円(税別)

使われている抹茶「深碧(しんぺき)」は、奈良・月ヶ瀬のティーファーム井ノ倉さんのもの。煎茶でも評価の高い「さえみどり」の単一品種で、鮮やかな色に強い甘みと旨味が特徴だそう。宝石のように美しい深緑色の碾茶(てんちゃ:抹茶の原料になるお茶のこと)から「深碧」と名付けられました(ティーファーム井ノ倉公式HP)。

こちらのかき氷では、一杯の抹茶をたてる5倍の量を使った贅沢なシロップになっています。

特別にサーブしていただきました
特別にサーブしていただきました

爽やかな緑が氷にしみ込んでいくさまが美しく、練乳の白が鮮やかさをひき立てます。

さっくりとスプーンですくって口に運べば、まろやかな抹茶の風味が広がり、ほんのりと感じる練乳の甘さもイイ感じ。さくさくした氷の感触は削りの技術によるものだそうで、食べても頭が痛くなりにくいのだとか。

鮮やかな緑に惚れ惚れ
鮮やかな緑に惚れ惚れ

抹茶を贅沢に使っているので、氷が溶けてきても味が薄くなることはありません。最後はストローで飲み干せば、抹茶オーレの風情が楽しめます。抹茶好きにもそうでない人にもたまらない、極上のかき氷です。

料理の裏側にある物語を届けたい

その他、明月記本店で人気のローストビーフを使った「ローストビーフ丼」、慶事にぴったりな「近大鯛茶漬け」、季節ごとにメニューが変わる「皿御膳」(1日20食限定)など、リーズナブルで気になるメニューがいっぱい。また予約制ではありますが、明月記の懐石をいただける「明月記 懐石御膳」もあります。
もちろん、コーヒーや紅茶、ソフトドリンクなど喫茶の利用だけでもOK。お参り帰りだけでなく、地元の皆さんにも利用してもらいたいと、多彩なメニューを取り揃えています。

心掛けているのは、季節や地域の匂いを届けること。『但』プロデュースのかき氷や、大阪・能勢酒造の「能勢ジンジャエール」などを提供するのも、そうした思いから。さらに今後も、地元の素材を使ったメニューを増やしていきたいのだそう。

「料理がカフェに届くまでの物語を感じてもらえたら」
と、店長は言います。

グレードアップでますます美味しく

新規オープンから1ヵ月あまりと、まだまだ発展途上の明月記中山寺カフェ。新作も含め、より美味しくなるさまざまなレシピを模索中だそう。その第1弾として、まもなくビシソワーズをトッピングする鰹出汁カレーうどんエスプーマ・バージョンが登場予定だとか。
味変(あじへん)が楽しめるカレーうどん、今からワクワクしますね!

かわいいお土産もあります
かわいいお土産もあります

いかがでしたか。カフェを出たところで、緑あふれる境内と古式ゆかしいお堂を眺めつつ深呼吸。美味しい食事とのどかな景色に癒されたひとときでした。
秋が深まる頃、エスプーマカレーうどんを楽しみに、ぜひまたお邪魔したいです。

店舗情報

明月記中山寺カフェ

■ 場所:宝塚市中山寺2-11-1 大本山 中山寺 紫雲閣1階

■ 営業時間:9時30分~16時30分(お食事:10時30分~15時30分L.O.)

■ 定休日:平日の仏滅

■ お問合せ:072-756-7800(遊行亭コールセンター。お問合せ後に折り返しご連絡いたします)

明月記公式Instagram

  • 中山寺カフェ様より、鰹出汁カレーうどんおよび深碧抹茶のかき氷をご提供いただきました。本記事制作にあたってはガイドラインに基づき公平中立に制作しています。
地域情報発信ライター(宝塚市)

カフェ、庭園、美術館、ときどき神社。新しい出会いを求めて、カメラ片手に足の向くまま、気の向くまま。歴史のあるまち、宝塚の「いま」をお届けします。執筆記事のアザーカットをInstagramで公開中。

ぶらっとの最近の記事