ソウル「街中ビキニ爆走」は法で裁ける? 韓国メディアが「ガチ分析」
どうやら、韓国では本当に“問題視”されているようなのだ。
今夏の「ビキニ問題」についてだ。
8月11日と14日にかけて、YouTuberのハヌル氏がソウル市街地をビキニ姿でバイクやキックボードに乗って走行する出来事があった。
本人はSNSで有名となっていき、グラビア雑誌の表紙を飾る人物。
11日に市内のカンナムをバイク走行後、警察から任意同行を求められている。14日にはホンデ地域にてキックボードに乗ったビキニ姿で再登場。その後、SNSで「触るのだけはよして」「一日2時間だけの日常離脱」と強気の発言を行った。
本人の認知度をアップさせたい、という意向は明らか。韓国内で大いに物議を醸した。今夏の韓国ではこの他に「リゾート地の渓谷にビキニで登場」した女性に対し、インターネット掲示板で賛否両論が挙がる話題もあったが、この「街中ビキニ」の方が「事件性あり」と捉えられている。
現に、この出来事について、韓国メディア「YTN」が8月末にこんなニュースを放映している。
「『ビキニ オートバイ走行』 公然わいせつ罪適用は可能か?」
韓国メディアが「ガチ分析」を行ったのだ。
韓国内での強烈な問題意識
ニュースではまず、この問題を調査した記者が問題提起を行っている。そこだけでも韓国内での猛烈な問題意識が垣間見える。
ソウルの主要な道路でビキニの水着だけを着てキックボードに乗ったり、オートバイを運転した事例が報じられ、注目を集めています。
また、あるインターネットコミュニティには、家族と一緒に行った渓谷でビキニを着た女性がいて不快だという投稿もありました。夏になると、地域のママたちが通うカフェには、ビキニと薄いビーチガウンを着て地元の水遊び場に来る母親たちがいます。それに対する不満の投稿も少なくありません。コメントには「全裸ではないのに何が問題なのか」という意見と、「親や子供が見ていて気まずかった」という意見が対立しています。
2つの刑法が適用の可能性
ニュースでは、韓国の現行法で「ハヌル氏は起訴・処罰の対象となりうる」としている。
身体の露出を罰せられる可能性がある法が2つ存在するのだ。
刑法第245条
公然とわいせつな行為をした者は、1年以下の懲役または500万ウォン(約50万円)以下の罰金、拘留または科料に処する
軽犯罪法3条1項
公開された場所で公然と性器、臀部など身体の重要な部位を露出し、他の人に対して恥ずかしさや不快感を与えた者を「過多露出」と規定する。
後者は特に韓国では「バーバリーマン法」とも言われる。男性がコートなどの下に何も身に着けず、下半身を露出する犯罪のイメージだ。
ここで重要なキーワードは「公然性」と「わいせつな行為」。
「YTN」の記事では、概念をこう説明している。
ただしこれは、状況によって判断が変わるものだという。「公然」が基準がはっきりとしているのに対し、「わいせつ」の基準は分かれる。韓国では「性的興奮を高めるか満足させる行為であり、他の人に不快感を与える」という基準があるが、なにをもってそう規定するのか。「YTN」は以下の通り示している。
今回のハヌル氏に露出の意図があったことは明らか。さらにソウルの街中というのは「露出が予定された場所」ではない。「公然性」にはそぐわないと言える。
いっぽう「YTN」は基準が曖昧な「わいせつ」に関しては、こういった判断が下されうると見ている。
「ビキニ姿は『重要部位』を露出しているわけではない」
つまり、公然わいせつを問う軽犯罪法ではなく、刑法が適用される可能性があると見ている。「YTN」はこれに関する根拠を、近年韓国で起きた類似の事件に求めている。
・2022年も同様に、バイク関連のYouTuberがビキニ姿の女性をバイクに乗せて江南地域を走った際に、軽犯罪処罰法に基づく「過度な露出の嫌疑」で検察に書類送検された。
・釜山にて、お尻が露出する女性用のホットパンツを着て歩いた40代の男性が裁判にかけられ、罰金刑が言い渡された。
その他の「ビキニ事件」、つまりは渓谷でビキニを着用しマナーを問われた件に関しては「処罰ではなくエチケットの問題として処理されるだろう」としている。
※9月6日に同タイトルの原稿をアップしましたが、編集過程で誤って作成中のものを掲載しました。お詫びいたします。こちらに再度掲載いたします。