試合中に解説者の電話が鳴る。呼び出しの理由は「愛猫の緊急事態」!?
4月6日、SNY(スポーツネット・ニューヨーク)が試合を放送している最中に、軽やかなチャイムの音が響いた。場面は、0対0の4回表、無死一塁。マウンドにはチェイス・アンダーソン(フィラデルフィア・フィリーズ)、打席にはドミニク・スミス(ニューヨーク・メッツ)がいた。
「何の音かな?」とアナウンサーのゲリー・コーエン。それに対し、隣にいたキース・ヘルナンデスが説明を始めた。鳴ったのは、キースのiPadだ。着信音をオフにしていなかった。キースは、1980年代にメッツで一塁手としてプレーした。その前のセントルイス・カーディナルス時代を含め、ゴールドグラブを11度受賞している。
キース曰く、「家でちょっとしたエマージェンシーが起きた」。キースの猫に餌をあげるために訪れた女性が、ドアを開けようとして間違った鍵を差し込んでしまい、それが抜けなくなったという。「今晩、家に入れるどうかわからないな」とキースは笑った。
その直後に、スミスはホームランを打った。メッツの今シーズン初本塁打だ。だが、視聴者のなかには、猫のことが気になって、それどころではなかった人もいたのではないだろうか。キースの猫は、ニューヨーク・タイムズやGQで取り上げられたこともある。名前はハッジ。18歳のベンガルだ。
次のイニング、5回表に新たな情報が伝えられた。キースの別の友人が、鍵を開ける業者と一緒にやってきて、女性は家に入ることができたという。
この4日前には、コロラド・ロッキーズの本拠地、クアーズ・フィールドに猫が現れた。それについては、こちらで書いた。