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ドジャースのロバーツ監督は歴代6位のポストシーズン通算52勝。勝率とワールドシリーズ優勝回数は…

宇根夏樹ベースボール・ライター
デーブ・ロバーツ監督(中央)Oct 20, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月20日、ロサンゼルス・ドジャースは、10対5でニューヨーク・メッツに勝ち、4年ぶりのワールドシリーズ進出を決めた。

 MLBネットワークは、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督について、ポストシーズン史上6番目に多い監督通算勝利!、とXに書き込んだ。

 その画像にあるとおり、ロバーツの52勝は、ジョー・トーリの84勝、トニー・ラルーサの71勝、ボビー・コックスの67勝、ダスティ・ベイカーブルース・ボウチーの57勝に次ぐ。ボウチーは、テキサス・レンジャーズの現監督だ。45勝以上の監督は、他にはいない。

 ロバーツは、今年のポストシーズンで7勝を挙げる前から、44勝の2人、ジム・リーランドテリー・フランコーナより1勝多く、順位は6位のまま。ここから、今年中に順位が上がることもない。ワールドシリーズで4勝を積み上げても、52勝+4勝=56勝なので、4位タイのベイカーとボウチーには届かない。

 今年の11試合(7勝4敗)を含め、ロバーツは、ポストシーズンの95試合で采配を振り、52勝を挙げ、43敗を喫している。勝率.547は、40試合以上の監督30人のなかで、12位に位置する。これからワールドシリーズで顔を合わせるニューヨーク・ヤンキースの監督、アーロン・ブーンは、ポストシーズンで21勝19敗、勝率.525(16位)を記録している。

 監督として、ロバーツは、4度目のワールドシリーズに臨む。ブーンは、初めてのワールドシリーズだ。ロバーツは、2016年からドジャースの監督を務めている。ブーンは、2018年からヤンキースの監督だ。2人とも、他チームの監督経験はない。

 ロバーツは、過去3度のワールドシリーズで、2度敗退した後、3度目に優勝を飾った。2017年が3勝4敗、2018年が1勝4敗、2020年は4勝2敗だ。それぞれ、ヒューストン・アストロズ、ボストン・レッドソックス、タンパベイ・レイズと対戦した。

 ちなみに、2017年のワールドシリーズは、アストロズがホーム・ゲームでサインを盗んでいたことが、後に発覚した。ミニッツメイド・パークで行われた第3~5戦は、アストロズが2勝1敗。ドジャー・スタジアムの第1~2戦と第6~7戦は、2勝2敗だった。当時、アストロズの監督だったA.J.ヒンチは、現在、デトロイト・タイガースの監督だ。

 ワールドシリーズの優勝回数は、ジョー・マッカーシーケーシー・ステンゲルの7度が最多だが、1リーグ3地区となった1994年以降の29シリーズ――1994年のポストシーズンは開催されず――に限ると、トーリとボウチーの4度が最も多い。トーリのワールドシリーズ優勝は、1996年と1998~2000年のヤンキース。ボウチーは、2010年、2012年、2014年のサンフランシスコ・ジャイアンツに、昨年のレンジャーズだ。

 1995年以降のワールドシリーズで優勝2度以上の監督は、トーリとボウチー以外にあと2人、ラルーサとフランコーナしかいない。ラルーサは、2006年と2011年のセントルイス・カーディナルス。この他に、1リーグ2地区の1989年も、オークランド・アスレティックスの監督として、ワールドシリーズを制している。フランコーナは、2004年と2007年のレッドソックスだ。

 今月初旬、フランコーナは、シンシナティ・レッズの監督に就任した。1997~2000年のフィラデルフィア・フィリーズ、2004~11年のレッドソックス、2013~23年のクリーブランド・インディアンズ/ガーディアンズに続き、監督を務めるのは4チームとなる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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