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新型コロナが増加する中、今年は忘年会を開催して良い? 感染対策に配慮した忘年会を開催するポイントは?

忽那賢志感染症専門医
YouTube くつ王サイダーより

11月に入ってから新型コロナウイルス感染症の感染者が増加傾向となっています。

これから年末年始を迎えるにあたり、安全に忘年会を開催するためにはどういったことに気をつければ良いでしょうか?

年末を控え、新型コロナ感染者が増加中

日本国内の新型コロナ新規感染者数の推移(厚生労働省 データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-のデータを元に筆者作成)
日本国内の新型コロナ新規感染者数の推移(厚生労働省 データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-のデータを元に筆者作成)

過去最大の流行となった第7波は8月中旬にピークを迎え、その後新規感染者数は減少傾向となっていましたが、10月上旬からは再度増加に転じています。

第6波、第7波のときの増加のスピードよりは緩やかではありますが、十分に減少していないところから増加しており、特に北海道ではすでに第7波のピークを超えて新規感染者数が発生しており厳しい状況となっています。

このように、年末年始に向けて感染者が増加する中で「今年も忘年会は難しいかなあ・・・」と悩まれている方も多いかと思います。

私の考えとしては「コロナ以前のような大規模な忘年会は今シーズンは難しいが、小規模な忘年会であれば感染対策に配慮して開催可能」と思っています。

各自が意識的に感染対策を行いながら、安全に忘年会を開催するためのいくつかのポイントについてご紹介します。

人数は小規模の方が良い

写真:イメージマート

コロナ以前の忘年会では、例えば100人規模の忘年会が開催されていました。

現在の流行状況でこの規模の忘年会は難しいかもしれません。

流行状況が厳しくなればなるほど、参加者の中に感染している人がいる確率が高くなります。

10人で忘年会をするときよりも、100人で忘年会をしたときの方が、参加者の中に感染者が含まれる可能性が高くなります。

新型コロナの怖いところは、その1人の感染者から一気に100人の感染者を生み出すことがあるところです。

100人規模で感染者が発生してしまうと、多くの会社では機能低下・停止という事態に追い込まれてしまうのではないでしょうか。

もちろんたくさんの人と会食するのは楽しいのですが、現在の流行状況を考えると、小規模な部署ごとに別れて開催する方が安全でしょう。

体調不良者は参加しない!

YouTube くつ王サイダーより
YouTube くつ王サイダーより

発熱や咳、喉の痛みなどの症状がある人は新型コロナに限らずインフルエンザやその他の感染症などに感染している可能性があります。

体調不良者が参加することで、せっかくの忘年会もクラスター発生の原因になってしまうかもしれません。

ノドの違和感など些細な症状であっても無理をせず、参加を控えるようにしましょう。

また、忘年会を突然のキャンセルということになると、特に部署の中でも若い方はなかなか言い出しにくいかもしれません。

部署のリーダーが率先して「症状があったら休むように」と通達し、体調不良時に休みやすい環境を作ることが重要です。

マスク会食を徹底しましょう

YouTube くつ王サイダーより
YouTube くつ王サイダーより

体調に全く異常がなくても安心はできません。

新型コロナに感染している人の中には無症候性感染者という全く症状が出ない方が存在します。

しかし、この無症候性感染者からも感染は広がります。

またオミクロン株が主流となってからは、症状が軽微な方も増えています。

オミクロン株に感染した人のうち、およそ半分の人は自分が感染したと気づかなかった、という報告があります。

症状がない人同士の集まりであっても、感染対策に注意しながら忘年会を楽しむようにしましょう。

ユニバーサルマスキングによる感染リスクの低減(DOI: 10.1126/science.abc6197より)
ユニバーサルマスキングによる感染リスクの低減(DOI: 10.1126/science.abc6197より)

新型コロナウイルス感染症が広がりやすい理由の一つとして、飛沫感染・エアロゾル感染が起こりやすいことが挙げられます。これは、このウイルスが、

・無症状の人からも感染する

・唾液の中にもウイルスがたくさん含まれる

という特徴があるためです。

このため、屋内でのマスクを外した状態での会話は感染リスクに繋がります。

ということでやはり大事なのは「マスク会食」ということになります。

食べるときだけマスクを外し、会話をする際はマスクを着ける、それがマスク会食です。

おいおい・・・結局マスク会食かよ・・・。そんなの無理だっつーの・・・。現実的じゃねえし。マスク会食で飲み会なんかできるわけねえだろ・・・。

という皆さんの心の声が聞こえてきました。

でも皆さん、マスク会食ってやってみると意外とちゃんとできますよ。

阪大病院の感染制御部では、実際にマスク会食ができるか何度か検証を行いましたが、問題なく開催できました。

私も結構飲んで酔っぱらいましたが、最後までマスクを着けた状態での会話を続けることができました。

ぜひ皆さんも一度やってみてください。

やってみると意外と苦労なく行うことができると思います。

例えば3、4人くらいの規模の会食であれば、厳密にマスク会食を徹底する必要性は低いかもしれませんが、10人規模の忘年会となるとクラスターとなってしまった場合の影響も大きくなります。

ぜひ大人数での忘年会では、マスク会食を徹底していただくことをお勧めします。

また換気の良いお店を選ぶことも大事です。

特に大人数での忘年会を開催する際は事前に店内の空気の流れ、換気対策(CO2モニターなど)を確認しておくと良いでしょう。

ということで、皆さんが安全に忘年会を開催できることを願っています。

もちろん今後の流行状況によっては、時期をずらして新年会に変更するなどの柔軟な対応も大事かと思います。

この3年間で新型コロナとの付き合い方もよく分かってきたと思いますので、上手にコロナ対策を行いながら、小規模な忘年会で今年1年間を労いましょう!

感染症専門医

感染症専門医。国立国際医療研究センターを経て、2021年7月より大阪大学医学部 感染制御学 教授。大阪大学医学部附属病院 感染制御部 部長。感染症全般を専門とするが、特に新興感染症や新型コロナウイルス感染症に関連した臨床・研究に携わっている。YouTubeチャンネル「くつ王サイダー」配信中。 ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:kutsuna@hp-infect.med.osaka-u.ac.jp

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