ジェット旅客機を墜落させた圧巻の実験 1984年に行われたボーイング720墜落実験とは?
今まで航空機の墜落は事故後のデータしか入手できず、そのメカニズムは詳しく解明できていませんでした。1984年、NASAと連邦航空委員会(FAA)は、航空機の安全性を高めるために、ボーイング720を意図的に墜落させる実験を行いました。場所は、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地で行われます。準備には4年もの歳月が費やされました。
NASAの研究パイロットは途中まで操縦を行い、墜落前にパラシュートで脱出します。さらに機体内部には、パイロットと乗客を模擬したダミー人形が搭乗しています。
墜落後に破壊形状のデータが手に入るよう、着火しにくいジェット燃料が使用されました。管制官は航空機を送り出す際に、通常なら「安全なフライトを」と言いますが、今回は墜落させることから「さようなら」と伝えました。
そして遂に航空機が滑走路に墜落!NASAの入念なリハーサルにも関わらず、航空機からは予想を上回る炎上が発生し、1時間にわたって機体は燃え続けてしまいました。そのため、機体の破壊形状などの詳細を把握することはできませんでしたが、航空機が墜落するまでの貴重なデータを取ることに成功しました。
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