Yahoo!ニュース

史上初!太陽系の外から天体が飛来「オウムアムア」奇妙な葉巻型の天体が太陽付近で謎の加速?

オウムアムアの想像図 出典:ESO/M

我々が暮らす太陽系で生命が確認できているのは、現状地球だけです。しかし、太陽系外にも高度な知的文明が存在し、たまたま超高速の宇宙船が太陽系を横切ったとしたら?本記事では、初の恒星間天体、又は、宇宙船とも議論されている「オウムアムア」をご紹介します。

毎週土曜21:00~宇宙ニュース配信中!!

■人類史上初めて観測された恒星間天体「オウムアムア」

円形形状でのオウムアムアの想像図 出典:NASA/ESA/STScI
円形形状でのオウムアムアの想像図 出典:NASA/ESA/STScI

まるで葉巻のような奇妙な形をした恒星間天体「オウムアムア」。その名は、ハワイの言葉で「遠方からの初めての使者」という意味があります。オウムアムアは2017年にハワイにある「パンスターズ」望遠鏡によって発見された、別の恒星系から太陽系に飛来した天体です。

そして、オウムアムアは超高速で地球のそば2400万kmの距離を通過していき、太陽からの脱出速度よりも早い速度で太陽系から遠ざかっていきました。つまり、人類史上初めて間近で観測された恒星間天体となったのです。そのあと、オウムアムアはペガスス座の方向に移動していると考えられています。

■不自然な形状、謎の加速、電波の有無を調査中

オウムアムアの想像図 出典:ESO/M
オウムアムアの想像図 出典:ESO/M

オウムアムアの発見以降、一般的な小惑星や彗星には見られない特徴が確認されてきました。最も奇妙であるのはその形状で、ほとんどの小惑星が丸っぽいのに対して、こちらは幅に比べて100mほどの不自然に細長いという特徴があります。また、何らかの理由によりオウムアムアは常に回転していると考えられています。

そして、当初は彗星かと推測されていましたが、その天体構成から小惑星と考えられています。故郷である恒星系を弾き出された後、長期間にわたって宇宙船にさらされたことから表面の揮発性物質を全て失い、厚い地殻が形成されたと考えられています。

さらには、太陽接近時に重力だけでは説明できない謎の加速を行ったという観測結果が報告されています。研究者の間では、オウムアムア内部のガスや塵が放出されたことで加速した仮説と、宇宙のどこかの高度文明が送り込んできた、太陽光圧を利用して加速する宇宙船ではないかとも議論されており、現在オウムアウアが電波を発しているかどうか調査が継続されています。

【関連動画】

【関連記事】

11月18日にスターシップを早くも打ち上げ予定、2度目の空中キャッチと宇宙でのエンジン点火に挑戦へ

H3ロケット打ち上げ成功、初の静止軌道へ「きらめき3号」を投入へ

宇宙ニュースを毎日お届け!YouTubeでは毎週土曜21:00~宇宙情報をLIVE配信中! ロケット打ち上げ計画や惑星探査機・科学情報を、初心者の方にも分かりやすく解説します!皆さんからの気になる質問や熱いコメントもお待ちしています!

スペースチャンネルの最近の記事