【遠賀郡岡垣町】児童養護施設の子どもたちへお腹いっぱいの贈り物
岡垣町にある児童養護施設「報恩母の家」で暮らしている子どもたちに、月に1回無償で食事の提供をしている団体と出会いました。
宗像市の飲食店を中心として結成された「宗像スクラムワールド」。「少しでも何か子供たちの未来につながってくれたら」という想いで、地道な活動を続けています。
「義を見てせざるは勇無きなり」
今年の5月から始まったというこの取り組み。
「最初はただ漠然と『自分にできることはなんだろう』って思ったのがきっかけです。僕の座右の銘で『義を見てせざるは勇無きなり』っていう言葉があるんですけど、とにかく行動にうつすしかないと思いました」。
そう話してくれたのは、この活動の発起人である竹内秀真(しゅうま)さん。普段は宗像市赤間駅前で「PARTY BOX OTO」を経営しています。
「地元に何か恩返しがしたかったんです。自分が若い時にたくさんの大人たちに助けてもらったから」。
「だけど一人じゃどうしていいかわからなかった」という彼からの相談を受けその思いに賛同したのが、同じく赤間駅前にある「炭火焼鳥睦」の経営者でもある瀧口慎太郎さん。
2人はすぐに行動にうつし、宗像市の提携先である児童養護施設「報恩母の家」へ食事の提供を申し出たと言います。
「母の家」施設長の花田悦子さんは「竹内さんからこのご提案をいただいたときは、ありがたいという気持ちはもちろんですが、『なんて素晴らしい若者がいるんだろう!』という感心する気持ちも大きかったんです」と、当時を振り返ります。
「こんな素敵な人たちに関わってもらうことで、子どもたちにも良い影響が与えられるといいなと、今は思いますね」と温かい笑顔も見せてくれました。
老舗和食レストランが贈る手巻き寿司
筆者が取材同行した日に子どもたちへふるまわれたのは、宗像市にある老舗和食レストラン「末広」が提供する手巻き寿司。
「末広」代表の安部健太郎さんもまた竹内さんの志に賛同し、「自分にできることがあるのなら」と快く協力を申し出たと言います。
目の前に並ぶ豪華な具材の中から自分たちで好きなものを選び、その場で巻いてもらうというスタイルに、子どもたちは大喜びで次から次に列を作ります。
その光景には先生たちも「こんなに食べるとは思わなかった」と驚きを隠せない様子でした。
無限の未来がある子どもたちへ
「今飲食業界ってどこも人手不足なんです。だから僕らがこんな活動を続けることで、飲食業に興味を持つ子が増えてくれたらいいなとも思うんです。自分たちの行動が少しでも前向きな未来につながると嬉しいですね」と語る竹内さん。
「これからも『母の家』での活動を続けていく上で、協賛店が増えてくれるとありがたいです」とも話してくれました。
「継続していくことが大事」だという竹内さんの強い意志に、筆者もできる限り協力していけたらと思います。
「児童養護施設 報恩母の家」
住所:福岡県遠賀郡岡垣町海老津3-8-1
公式Instagram:@haha_noie