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【回避性パーソナリティ障害になる原因】あなたも、つい「何か」から、逃げがち避けがちではないですか?

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日は、「回避性パーソナリティ障害になる原因」というテーマでお話したいと思います。前回が、「回避性パーソナリティ障害とは何か?」という内容だったので、今日はその続きというわけです。

まずは、前回のおさらいからです。
回避性パーソナリティ障害とは、拒絶、批判、または屈辱を受けるリスクのある社会的状況や交流を、徹底的に回避することを特徴とする人格障害です。

では、回避性パーソナリティ障害の人は、
どうしてそのような人格障害になってしまったのでしょうか?

実は、原因は、まだハッキリとはわかっていません。背景に発達障害があることもありますし、生まれ持った性質が関係しているとも言われていますし、また、生まれ育った環境と遺伝の相互作用で発症するとも言われています。

私の印象では、回避性パーソナリティ障害の方は、幼児期から臆病だった人に多く見られるようです。また、親に褒められてこなかったり、学校で長期間いじめに遭っていたことなどが原因で、他者からの否定に対して強い不安を感じる環境下にあった経験を持つ人が発症することが多いようです。

ここでいったん整理をします。

要するに、回避性パーソナリティ障害は、遺伝的要因環境的要因、2つの相互作用でなるということです。

遺伝的要因は、でかいですね。無視できません。半分ぐらいはそうではないでしょうか。私は性格心理学に詳しいのでハッキリ言いますが、回避性パーソナリティ障害の方は、お父さんお母さんのどちらか、もしくは両方が、引っ込み思案な性格であることが多いです。

もちろん、お父さんやお母さんが回避性傾向を持ってない場合でも、回避性パーソナリティ障害のお子さんが生まれてくる可能性はあります。けれど、確率的には、どちらか、もしくは両方が回避性パーソナリティ障害である場合のほうが、お子さんが回避性パーソナリティ障害である可能性が高いということです。

続いて環境要因です。

回避性パーソナリティ障害は、親や家庭・他人との関わりや社会的経験の影響によって発症すると考えられています。典型的な例としては、親の過干渉ネグレクト・極端な批判支配、または、学校でのいじめや教師からの強い叱責、人前で恥をかかせられた経験などです。

このような、自分を否定される経験・自尊心を傷つけられる経験が一過性のものではなく、継続的に、ここが重要なのですが、継続的に行われた場合は、たとえ1つ1つの経験が軽かったとしても、回避性パーソナリティ障害には、なりやすいと言えるでしょう。

というわけで、今日は、回避性パーソナリティ障害になる原因についてお話させていただきました。次回は、いよいよ回避性パーソナリティ障害の治し方についてお話したいと思います。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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