大谷、圧巻の本拠地デビューで初づくし
4月3日(日本時間4日)に行なわれたインディアンズ戦で本拠地デビューを飾ったエンゼルスの大谷翔平は、初打席でメジャー初本塁打を放ち、生還後には初のカーテンコールも体験。初の猛打賞も記録、初のインスタントリプレーにも絡み、ホームランを打った直後と試合後には初めてメジャー流の祝福を受けるなど初づくしの1日となった。
大谷ショーの幕開けは初回だった。マイク・トラウトの本塁打などで打線が爆発して、2対2の同点で2死満塁の好機に8番指名打者の大谷が左打席に入った。
大谷を警戒した相手先発投手のジョシュ・トムリンは、4球目が暴投となり三塁走者が生還して勝ち越し。
「ランナーがいたのでワイルドピッチで1点入ったのがすごい大きかった。あのワンバンがあったので次の球が甘かったんじゃないかと思います」と試合後に語った大谷。勝ち越したことで「気持ちが楽になった」状態で、トムリンが6球目に投げた縦に落ちるカーブにうまくタイミングを合わせて、右中間スタンドにボールを叩き込んだ。
「打ったのはカーブだったんですけど、フェンスに当たるかなと思って走った。入ってくれて嬉しかったです」
スタジアム中のファンが総立ちになり、大歓声の中でベースを一周してベンチに戻ってきた大谷。ホームベース上でルイス・バルブエナとハイタッチをするまでは良かったが、その後はなにか雰囲気が違う。
意気揚々とベンチに戻ると大谷を出迎える選手はおらず、大谷は一人でエアハイタッチを繰り返す。それでもチームメートたちが無視するので、大谷がイアン・キンズラーに後ろから抱きつくと、表情を崩した選手たちが一斉に大谷を囲んでメジャー初本塁打を祝福した。
これは「サイレント・トリートメント」と言って、メジャー初本塁打を放った選手をベテラン選手がからかった後に祝うメジャー流の儀式。
「最初、何があったのかなと思ったんですけど、そういうやつかなと思いました」と大谷もまた一つメジャーに馴染んだ瞬間だった。
圧巻の本拠地デビューを飾った後も、「今日よりもこの先のことが大事だと思うので、いま(バットが)振れているうちはいいですけど、いろんな投手が出てきて、自分のスイングができなくなったときにどう越えていくかというのが、すごく大事だと思う」と気を引き締めた。