ノート(257) 出所者の帰住先確保の重要性と「民間頼り」の施策が直面する問題点
~釈前編(17)
受刑380/384日目(続)
帰住先の確保に向けて
出所後の再犯を防ぐために、就業支援や福祉的支援と並んで特に重要となるのが、帰住先の確保だ。出所しても住むところがなければ、生活が安定せず、再び犯罪に手を染めることになる。
帰りを待ち望んでいる家族がいたり、単身でも寮や住み込みの形で働ける仕事に就職できたり、協力雇用主がアパートなどを探して準備してくれていたりすれば、あとはうまく軌道に乗せるだけだ。
問題は、これらが期待できそうにない受刑者、特に犯罪を繰り返すなどし、適当な身柄引受人がおらず、仮釈放のレールに乗らなかった満期出所者への対応である。現に、刑務所から地方更生保護委員会に対して仮釈放の申し出がなされなかった受刑者の6割強が住居調整の不良を理由としている上、満期釈放者の4割強の帰住先が「不明」となっている。
この記事は有料です。
元特捜部主任検事の被疑者ノートのバックナンバーをお申し込みください。
元特捜部主任検事の被疑者ノートのバックナンバー 2024年3月
税込1,100円(記事3本)
2024年3月号の有料記事一覧
※すでに購入済みの方はログインしてください。