そんなものまで非常食に?たべっこどうぶつ、吉野家など人気5品を実食レポ
お店やスーパーなどで、誰もが一度は目にしたことや食べたことがある有名ブランドのご飯やお菓子。
今、それらの食品が非常食として次々に発売されているのはご存じでしょうか?今回はその有名ブランドの非常食を、実際に食べた感想とともにお伝えしたいと思います。
巨大地震では3日で食料が足りなくなる!?
まずはなぜ今大手企業がこぞって非常食を発売するのか?ということについて、少しだけお話させていただければと思います。それにはしっかりとした理由があります。
災害大国日本ではM8~9クラスの南海トラフ地震の発生確率は30年以に70~80%、M7クラスの首都直下型地震30年以内の発生確率は70%の想定が出ている事は、すでにニュースなどで知っている方も多いかもしれませんが、その時に起こるとされている食糧問題についてはよく知らない方も多いのではないでしょうか?
実は内閣府の調査資料によると、南海トラフ地震では発震後3日で3200万食、首都直下型地震では3日で3400万食の食料が不足されることがすでに予想されているのです。
たった3日でこんなに食料が足りなくなる!
やはり非常食や備蓄はとても重要な課題になるため、国や自治体に頼るだけではなく自分たちの日頃の備えが大切になってきます。
そのような中、近年は災害時用に慣れ親しんだものが手に入りやすいよう、大手有名ブランドの食品も備蓄できるように加工販売するところが増えてきているわけですね。
有名ブランド非常食で今おススメの5点はこれ!!
そこで日本一非常食を食べていると自負する私が、誰もが知っているブランド食品の中から選りすぐり5点を選んでみました。実食の感想もあるので参考にしてみて下さいね!
1:いざという時やっぱり主食はごはん
「吉野家の牛丼缶」(吉野家)
吉野家の牛丼が「缶飯」になっています。
こちらは缶詰1つでご飯とおかずが食べられ完結できるように作られていて便利。
こだわりはお肉の下のご飯、これは高機能玄米「金のいぶき」です。食物繊維やビタミンEが多く補える金のいぶきは通常の玄米より栄養価が高くプチプチした食感が特徴的です。そのプチプチ感がアクセントになり、お出汁のしみたご飯でもねっとりせず食べやすく作られています。
お肉などの食材はお店と同じものを使用、缶詰になると食べた時、肉の感じは正直味も食感もコーンビーフに近いかな?と感じますが、これが不思議でご飯と一緒に噛んでいるうちにあの「吉牛」の風味が口の中で広がってきますよ。気になる方はその感覚もぜひ試してみて下さいね。
豚丼は牛より優しい味付けになっています。その他に焼塩さば丼、焼鳥丼などもあります。
2:元気がない時の栄養剤
「リポビタンゼリー」(大正製薬)
まさに見た目通りのあの味あの香り!食欲がないときに「ファイト一発リポビタンD!」の味がするゼリー。開封すると色もリポビタンDのような黄色でした。ただし、今回は「リポビタンD」ではなくノンカフェインで「リポビタンゼリー」です。
実は震災のあと、体力もなく食欲もない方や固形物が難しい方にカロリーと水分が1度に取れるゼリー食が見直され、災害用に多く作られるようになってきました。本当に食欲がなかったり食べる時間の余裕がなくてもこれ1本で200キロカロリーありますので、素早く栄養補給ができるのです。するりと飲めるゼリーののど越しがとても良いですよ。
非常食なので基本は食べる時も常温想定ですが、「リポビタンD」を飲む時より甘みが強く感じられるので、冷やせる環境の場合は冷やして食べるのもおすすめかと思います。
アレルギー28品目不使用なのも助かりますね。
3:足りない野菜は飲み物で補う
「野菜一日これ一本」(カゴメ)
野菜ジュースの老舗カゴメの「野菜一日これ一本」から5年保存の防災缶が出ています。
災害時に不足しがちな野菜ですが、こちらは30品目の野菜を使用していて、砂糖・甘味料・食塩・香料・保存料無添加と健康志向の方にもおススメ。
実際に飲んでみると砂糖や甘味料が不使用とは思えず、さらに果物も入っているのでは?と勘違いするほど十分な甘さがある野菜ジュースです。ニンジンとケールの味が少し強めに感じますのでニンジンジュースが苦手な人でなければ美味しく飲めると思います。個人的には飲みやすく美味しいと思いますよ。
それから通常の「野菜一日これ一本」のパッケージデザインに書かれている人が防災食用ではヘルメットをかぶっているのもキュートですね。ぜひ通常の「野菜一日これ一本」と見比べてみて下さいね。
4:お菓子を食べて乗り越えたいポテトチップス系
「カラムーチョ」「プライドポテト神のり塩」(コイケヤ)
コイケヤの「カラムーチョ」と「プライドポテトのり塩」が5年保存缶で発売されています。
同じシリーズでは「じゃがいも心地」もありますよ。
特に「神のり塩」は、フライドポテトをコイケヤのプライドをかけた「プラドポテト」として発売している上で、あえて5年保存にまでしてしまう強気。実はできたてを缶に入れることで、光・水・酸素を通さないので美味しさはそのままというこだわりがあるのです。
実際に食べてみても、のりの風味もよくパリパリで、ついやめられなくなってしまいます。非常用なのにビールのおつまみに開けてしまいそうな気がします。いや、日常でもおつまみやおやつがないのはある意味非常事態なので、少し多めに備蓄しておいて買い替えながら食べるのも良いですね。
缶は軽く持ちやすいサイズとセンスの良いパッケージで、2022年の災害食大賞でデザイン賞を受賞しています。
5:大人も子供も食べやすいのがひとくちビスケット
「厚焼きたべっ子どうぶつ」(ギンビス×IZAMESHI)
長く愛され続けている卵不使用のビスケット「たべっ子どうぶつ」のギンビスと非常食ブランドIZAMESHIがコラボしてできた長期保存用の「厚焼きたべっ子どうぶつ」です。
災害時不安の中、時間を持て余すこともあります。「たべっ子どうぶつ」は47種類の動物をかたどったビスケットに英語で名前が印字さていますので、お子様と遊んだり学んだりと食べながらなごむことができそうです。
そしてこちら写真を見て何か違うことに気がつきませんか?
実はこれ、通常の「たべっ子どうぶつ」より厚焼きで食べ応えがあるように作られています。
さくさくとした軽い食感が、より楽しめるようになっていて、大人も子供も食べやすく優しい味は、そのままのビスケットです。
ちなみに缶に入っているお菓子の非常食は、ほとんどにプラスチックのキャップがついています。一度に食べきれない場合でも、蓋がついていて安心です。
自分の備蓄は自分とみんなのためになる
いかがでしたでしょうか、今回紹介した中に皆さんが準備したくなる非常食はありましたか?
難しく考えがちな非常食ですが、食べ慣れたご飯やお菓子が長期保存できるとなると、少しハードルが下がったような気がしませんか?
大地震ではなくても台風や大雨等、実際の有事には当然ですが非常食は品切れする確率は高いです。だからこそ、事前に準備をして備蓄しておくことは大切です。
お店の在庫が潤沢な日常生活のうちに備蓄をしておくことは、自分の命を守るためだけではなく、災害時の買い占めのパニックを防ぎ、その時に必要な物資が本当に必要な人たちにも届くことになります。
自分が助かるだけではなく、しっかりと見えない助け合いにもつながるのです。
賞味期限が近付いたら食べて買いなおす、ローリングストックも食べ慣れた食品なら実践しやすいですよね。
ぜひ、皆さんの生活や好みに合わせた身近な非常食を手に取ってみて下さい。
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総合危機管理アドバイザーおりえ
商品情報
株式会社 吉野家 「缶飯」 非常用保存食 牛丼 豚丼 3年保存
大正製薬株式会社 「リポビタンゼリー」長期保存用 5年保存
カゴメ株式会社 「野菜一日これ一本」 長期保存用 5、5年保存
株式会社ギンビス 「厚焼きたべっ子どうぶつ」 (ギンビス×IZAMESHI)5年保存
災害参考資料
内閣府 令和3年3月15日 第1回南海トラフ地震・首都直下地震等大規模災害時の応援のあり方に関する検討会(首都直下地震」及び「南海トラフ地震」の被害想定 並びに 市町村の人的支援の受入れに関する受援計画の作成