気象衛星がとらえた森林火災
ロシア沿海州で森林火災が発生。白くたなびく煙を気象衛星がとらえた。日本でも春は山火事の季節。ひとたび山火事が発生すると山が荒廃し、土砂災害が起こりやすくなる。
宇宙からみた森林火災
表紙の雲画像は27日午後、気象衛星ひまわり8号がとらえたロシア沿海州の森林火災です(赤破線で囲った部分)。北寄りの風に流された白い煙が日本海にたなびいているのがわかります。大地が凍りつく厳しい冬が終わり、季節が夏へと動き出した証拠です。
そして、こちらは昨年5月に岩手県釜石市で発生した山火事(林野火災)です。すーっと長く伸びた縄のようにみえるのが煙です(黄破線)。
桜が咲いたら山火事に注意
こちらは日本で発生する山火事の出火件数を月別にみたものです。3月から5月までが一年で最も多く、4月が突出しています。
ただ、地域によって時期がずれ、九州から関東は3月、中部山岳は4月、北日本は5月が最も多くなります。ちょうど桜前線を追いかけるように、山火事が日本列島を南から北へ広がります。
26日は札幌で、27日は帯広で、いずれも平年より1週間早く桜が開花しました。この春は記録的な高温の影響で、桜前線の北上が早い。
そして、山火事の原因はたき火、火入れ、放火と人的な要因が多くを占めています。
大型連休を迎え、山のレジャーは火の取り扱いに細心の注意が必要です。
山火事と土砂災害
広範囲の森林が焼失してしまうと、山が荒廃してしまいます。ひとたび大雨が発生すると、大量の雨を山が支えきれなくなって、土砂災害が発生しやすくなるでしょう。被害が拡大するおそれもあります。山が元の状態に戻るためには数十年が必要です。山火事の怖さを知ってほしいと思います。
【参考資料】
総務省消防庁:消防白書
総務省消防庁:災害情報,岩手県釜石市における林野火災(第16報),平成29年5月22日
NASA:Fire Information for Resource Management System (FIRMS)