温泉の恋しい季節。ふらっとひとり旅に出かけてみてはいかがだろうか？

福島、宮城、山形の南東北エリアは、ひとり旅に向く鄙びた温泉地が多いのも特徴だ。

新幹線などを使えば、意外と首都圏からもアクセスしやすいのも南東北の魅力。

南東北エリアに絞って、ひとり旅に向いている温泉地を紹介したい。

木賊・湯ノ花温泉（福島県）

ともに奥会津にある鄙びた温泉地。周囲は昔話に出てくるような景色が続く。２つの温泉ともに、昔ながらの共同浴場が充実しており、とくに木賊温泉の岩風呂は、温泉が湧出する川床を利用した湯船で、足元から湧き出す新鮮な湯を楽しむことができる。

高湯温泉（福島県）

標高750ｍの高原に位置する温泉地で、周囲の自然環境は抜群。山に囲まれたロケーションなので、雪見風呂も楽しめる。乳白色に濁る湯は温泉ファンの評価も高く、すべての宿が源泉かけ流しだ。湯めぐりを楽しみたい。共同浴場「あったか湯」では、気軽に日帰り入浴も可能だ。

湯田川温泉（山形県）

田園地帯に８軒の温泉宿と２つの共同浴場が軒を連ねる小さな温泉地。源泉が豊富なことでも知られ、すべての宿が源泉かけ流し。小規模な旅館が多いので、ひとりでリーズナブルに泊まれる宿もある。作家・藤沢周平ゆかりの温泉地で、小説を読みながら旅館に缶詰めになってみるのも楽しい。

鳴子温泉郷（宮城県）

鳴子温泉郷は、鳴子を中心に東鳴子、川渡、中山平、鬼首の５つの温泉地で構成される。最もにぎやかなのは鳴子温泉で、湯の街情緒もある一方、東鳴子や川渡、中山平は湯治場の素朴な風情が魅力で、ひとり旅に向く。リーズナブルな湯治宿が数多く健在なので、宿選びには苦労しない。冬季は雪景色を見ながらの湯浴みも楽しめる。

肘折温泉（山形県）

山あいに湧く静かな温泉地だが、伝統的な湯治場の景観が今も残る。長期の湯治客が多いのも特徴で、日用品や食料品をそろえた商店もある。早朝、温泉街に朝市が立つのも見どころのひとつ。湯治文化が息づくため、ひとり客を受け入れる宿も多い。プチ湯治と称して、連泊するのもおすすめ。