磯釣りを安全に行うために必ず用意したい5つのアイテム【釣人なら知っておきたい安全の為の基礎知識】
天気の良い日の磯釣りは開放感もありとても楽しいものです。最近の夏の猛暑を思うと、磯釣りに限らずですが、魚釣りは暑さに苦しめられる心配がない秋、冬、春が最適期と言えます。但し、魚釣り、特に磯での魚釣りは危険と隣り合わせと言う側面もあります。魚釣りはアドベンチャーではなくレジャーですので、まずは安全第一で楽しみましょう。
今回は磯釣りの時にはこれだけは必ず装備したい安全のためのアイテムを写真と共にその特徴や必要性を中心に便利な使い方なども紹介していこうと思います。
■フローティングジャケット
海に落ちた時に浮かぶ為のジャケット(胴衣)です。製品としては袖の無いベスト型のフローティングジャケットが釣具店などで一般的に流通しています。釣人が使いやすいように小物を入れるポケットやフックなどが装備された製品が多いです。
これは余談ですが、魚釣り用のフローティングジャケットは救命胴衣ではありませんので混同しないよう注意が必要です。救命胴衣には国土交通省から型式承認された証の認定マーク(桜マーク)が記載されています。
磯釣りを含む陸からの魚釣りでは救命胴衣の着用は必ずしも義務ではありませんが船に乗っての魚釣りでは救命胴衣の着用が義務化されています。よって船やボートでの魚釣りに魚釣り用のフローティングジャケットだけでは厳密には義務違反になってしまいますので注意して下さい。
魚釣り用のフローティングジャケットは落水した時に人体が浮くための浮力を備えている上に魚釣りに便利なポケットなどの付加機能がついた胴衣と覚えておくと良いでしょう。ちなみに認定マークの付いた救命胴衣は色や形状、方式、性能などに細かな規定がありそれらを全て満たしたものですが、魚釣りの為の便利機能は一切付いていません。そのような意味から磯釣りでは魚釣り用のフローティングジャケットの方が格段に使い易いのでお勧めです。浮力材が保温材の役目も果たしますので、寒い日は着ているだけでかなりの防寒効果もあります。
■磯ブーツ(磯用スパイク)
上の写真のような長靴型の磯ブーツが製品としては多く見受けますが、スニーカー型の製品などもあるようです。季節や場所によって選ぶと宜しいかと思います。上の写真の磯ブーツは一見普通の長靴ですが靴底が普通の長靴とは異なります。下の写真のように濡れた岩や石の磯で滑らないように靴底には金属のピンが生えておりスパイク状になっています。
このようなスパイク状の他に、フェルトが貼られている製品もあります。海藻や藻などが生えてヌルヌルした岩や石にはスパイクよりもフェルトの方が滑り防止の効果が高いと言われています。どちらを選ぶかは釣り場の状況次第ですが、スパイクとフェルトの両方が付いたハイブリッド型の磯ブーツや靴底が釣り場で簡単に取り替え出来るタイプの磯ブーツなどもあるようです。足が濡れても寒くない季節にはスニーカー型の磯ブーツの方が足が蒸れずに涼しくて快適です。
■釣り用手袋(フィッシンググローブ)
ヒレに棘がある種類の魚も多いものです。棘には必ずしも毒が有る訳ではありませんが、魚を掴もうとして手などに刺さるとそれはもう飛び上がるほど痛いものです。磯の岩にはフジツボやカメノテ、イガイなどの硬い貝殻がナイフエッジ状にたくさん付着しています。これらの危険な物から手のひらを守るために手袋は必需品です。
普通の手袋でも良さそうなものですし、確かにそれでも無いよりはマシですが、やはり魚釣り専用の手袋の方が格段に使いやすいです。釣り用の物は上の写真のように餌付けをする時に釣り針や餌を持つ指の部分だけ露出するタイプのものが多いです。実際にやってみると実感できますが、この指の部分まで布で覆われている普通の手袋では餌付けの時に針が布に刺さったり細かい操作が出来なかったりでかなり使いづらい思いをします。寒い季節用に、この指の部分がワンタッチで露出したり覆ったり出来るタイプの製品などもあるようです。
■つばのある帽子(アゴ紐付き)
海辺は夏は勿論、冬でも晴れた日はかなり日差しが強いものです。突然の雨や波しぶきを被った時などでも帽子を被っていれば髪、顔、襟元などへの水濡れを防げます。紫外線を防ぐだけでなく上から降り注ぐ水滴を防ぐという意味からも帽子の形状はツバが有る物が良いです。
次に紹介する雨具と組み合わせて使うとより効果的です。風で帽子が飛ばされないようにアゴ紐付きの物を選ぶ事も大切な点です。
■雨具上下(レインウェア)
例え晴れていても、天気予報で雨が降らないと分かっていてもレインウェアは必ず持参します。特に磯での魚釣りでは、晴れていても風や波がある日はレインウェアは予め着ていた方が安全です。何故なら、突然の波しぶきを頭から浴びてびしょ濡れ、なんて事も時たまですが有るからです。
用意するレインウェアは必ず上下セパレートの物を上下共に準備します。ポンチョ型の物やコート型の物は緊急用としてなら無いよりはマシですが、風の強い磯では裾などが風で煽られてかなり行動しづらく危険を伴う事も多いです。レインウェアは風を通さないので特に風の強い日や気温が低い季節には防寒具としての効果もありますので、魚釣りの時には行動しやすい上下セパレート型の物を必ず持参しましょう。
レインウェアにはフードが付いている物が多いですが、このフードを被ると視界が悪くなる事が多いです。特に顔を左右に向けた時の視界がフードで遮られます。こんな時は、つば付きの帽子を被ってからレインウェアのフードを被るとフードが顔から少し離れるため左右の視界が改善されます。
■まとめ
磯釣りの時の安全対策に必ず用意したい装備
- フローティングジャケット
- 磯ブーツ(磯用スパイク)
- 釣り用手袋(フィッシンググローブ)
- つばのある帽子(アゴ紐付き)
- 雨具上下(セパレート型レインウェア)