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必見! 全勝対決を制した18戦全勝14KOの世界ミドル級8位

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 17戦全勝13KOの英国人、ハムザ・シーラズの持つWBCシルバー・ミドル級タイトルに、13戦全勝6KOのウクライナ人ファイター、ドミトリー・ミトロファノフが挑んだ。

 ミトロファノフはリオ五輪に出場した経験があり、王者もアマチュアで経験を積んでいる。ポーランドで催された会場には、ウクライナ人、また難民となって祖国ウクライナから逃れた人々が多数駆け付けた。

五輪でのミトロファノフ
五輪でのミトロファノフ写真:ロイター/アフロ

 シーラズは24歳、ミトロファノフが33歳。年齢以上に、18cmの身長差が目を引いた。シーラズの191cmとは、ミドル級でも稀である。

WBO東洋スーパーウエルター級のベルトも持っていた
WBO東洋スーパーウエルター級のベルトも持っていた写真:ロイター/アフロ

 ウクライナ国旗をイメージさせる黄色にブルーのラインが入ったトランクスを穿いてリングに登場した挑戦者は、頭を振って懐に入ろうとするが、間断なく放たれるシーラズの鋭いジャブを喰らう。

 試合開始40秒には左フックからの左ストレートでダウン。2分7秒にも、左ジャブで腰を落とした。

写真:ロイター/アフロ

 翌2回もシーラズはシャープなジャブを何度も浴びせた後、31秒に右ストレートを叩き込み、33歳を沈める。ここでレフェリーが試合を止めた。

 シーラズは18戦全勝14KOとなり、2024年に世界タイトルを狙うことを希望する。彼は試合前の時点でWBCミドル級8位にランクされていたが、9位の同胞、ライアン・ウィリアムズ、あるいは12位のデンゼル・ベントレーとの対戦も歓迎だと話す。

写真:ロイター/アフロ

 まだ本場・米国での試合は無いが、名チャンプとなる可能性を感じさせる選手だ。大いに期待したい。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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