京都の紅葉の大本命!洛東の紅葉名所を紹介
洛東の紅葉といえば、東山三十六峰を背に、北から南へと途切れることなく名所が続く。洛北エリアで八瀬、上高野方面から一乗寺界隈は紹介したので、その南側に位置する銀閣寺とそのエリアから紹介する。
まず起点となる銀閣寺だが、この東山文化を創出する拠点となった世界遺産の寺院が、紅葉スポットとして圧倒的な美しさを誇る。足利義政が造営した池泉庭園の周辺、特に山際の紅葉は広大に広がる苔の緑と相まって息をのむほど美しい。苔の量の多さも京都ではトップレベルだ。
銀閣寺からそのまま哲学の道を南下すると、法然院、安楽寺、霊鑑寺と続く。法然院は年中落ち着いた雰囲気で参拝者を迎えてくれるこのエリアでは必須の寺院で、茅葺の山門はどの季節に訪れても気品と風情を兼ね備えた美しさだ。
安楽寺と霊鑑寺は通常の時期は非公開ながら、春と秋には期間限定で公開していることも多く、紅葉の時期は拝観のチャンスと言える。哲学の道の最後は熊野若王子神社。こちらは門前の紅葉が美しいのでぜひ立ち寄って欲しい。
哲学の道コース以外に、吉田山エリアも洛東紅葉のカテゴリーに入る。こちらは吉田山に鎮座する吉田神社から始まり、山頂付近に位置する竹中稲荷神社の紅葉も秘境感があって見逃せない。
そして宗忠神社の紅葉の参道を下ると正面が真如堂。こちらの紅葉の質、量は、京都でも最上位ランクに位置づけられる。境内は無料で開放されているところも特筆すべきことで、本堂や三重塔と紅葉のコントラストも美しい。
さらに真如堂の南に位置する金戒光明寺へ進むと、途中の参道に栄摂院が見えてくる。こちらも隠れた紅葉として、近年は人気急上昇。ぜひこのエリアにいくなら訪れてほしい。
金戒光明寺も山門付近の紅葉と、有料拝観にはなるが、大池を中心とした「紫雲の庭」や「ご縁の道」の紅葉がお勧めだ。
哲学の道エリアの南側には、もう紅葉の名所としては説明不要とも言うべき永観堂が現れる。境内全域が紅葉で包まれており、「もみじの永観堂」と呼ばれるだけあり、夏場からしっかり水分も管理された3000本のカエデが毎年安定した発色を見せてくれる。まさに京都随一といっていいだろう。池周辺には人が立ち入れず、どんなに混雑していても、人が入らない紅葉が撮れるところもポイントが高い。
その流れで南側の南禅寺へ。こちらも紅葉が三門と法堂の間を中心に見事に境内を彩っている。少し早めだが、開山堂でもある天授庵の庭園の紅葉も人気が高い。
蹴上から東山エリアをさらに進むなら、途中、旧東海道沿いの粟田神社は隠れた紅葉スポットとして紹介したい。とくに境内から市内を見下ろす眺めは絶景だ。
さらに青蓮院の龍心池を中心とした相阿弥の庭や、知恩院の友禅苑も隠れた紅葉スポットとして挙げられる。ここまでくると円山公園、さらに高台寺からねねの道、清水寺へのコースも定番でお勧めだが、大混雑は必死。洛東でさらに紅葉を楽しむなら、七条通まで下り、智積院を強く推したい。こちらは近年整備された紅葉ながら、手入れもよく発色も素晴らしい。何よりこちらも無料で見ることができる。
最後に東福寺・泉涌寺エリアだが、それぞれひとつ選ぶとしたら、東福寺では光明院の波心の庭、泉涌寺なら雲龍院の庭園がまだ人も少なく、ゆっくりと紅葉を満喫できるだろう。
京都の大本命の洛東紅葉、ぜひ今週末出かけてみてほしい。