『日本三大夜桜』日本最古のあめ屋が生み出す最中の飴菓子。淡く甘いその味は、高田城址公園の夜景の如く
新潟県上越市にお店を構える「高橋孫左衛門商店」さん。その創業は古く、なんと寛永元年。約400年もの間、実直にそしてひたむきに、水飴や寒天を使用した銘菓を現在まで紡いでいらっしゃいます。
また、飴菓子は日持ちすることから、高田城城主の参勤交代の際に用いられるお土産としても大変重宝されたといいます。あんこやお干菓子とはまた異なる透明感を兼ね備えたお菓子は珍しかったのかもしれませんね。
東海道中膝栗毛の著者でもある十返舎一九(辞せの句の「~灰左様なら」でも有名)も訪れたという記録や、夏目漱石の坊ちゃんにもお菓子が登場するという、文豪にも愛されてきた老舗です。
今回は、日本で一番古い飴屋さんとしても名高くい高橋孫左衛門商店さんの飴を使用した寒天のお菓子「桜花くびきの里」をご紹介。
新潟県産もち米と国産麦芽から作られるさらりとした甘味が特徴の水飴。元々は雑穀の粟を使用していたとのことですが、透明感を求めて4代目がもち米にシフトチェンジ。そこから現在の淡い黄金色の透き通った水あめとなりました。
そしてこちらの「桜花くびきの里」。桜の香りや味わいは控え目でも、ぼんぼりや桜の花の焼き印や、春に山々から立ち上る霞のような砂糖衣、そして薄紅色の軽やかな最中と、鮮やかな桜色に煌めく寒天で固められた粟飴が織り成す優しい味わいのお菓子です。
味わいだけではなく、その和菓子の背景や成り立ちに思いを馳せて季節を感じる。情緒豊かなお菓子もいかがでしょうか。
ちなみになぜ焼き印にぼんぼりかといいますと、上越市の高田城は「日本三大夜桜」の名所としても名高い観光地なのだとか。さりげなく施された郷土の魅力というのも、粋ですね。商品名にもなっている「くびき」。かつて上越市は「久比岐(くびき)」と呼ばれていたことから由来されているとのことだとか。
こちらは日本橋高島屋さん銘菓百選で購入致しました。高橋孫左衛門商店さんのオンラインストアでも購入可能です。