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【オートバイのあれこれ】ニックネームは「東京タワー」!?

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「ニックネームは“東京タワー”!?」をテーマにお話ししようと思います。

「スズキのバイクの中で衝撃的なモデルは?」と聞かれると、なんと答えるでしょうか。

「そりゃぁ、カタナでしょ!」と答える人が最も多いかもしれませんね。

▲1980年にドイツ(当時は西ドイツ)にて初公開され、世間を驚愕させたGSX1100S
▲1980年にドイツ(当時は西ドイツ)にて初公開され、世間を驚愕させたGSX1100S

たしかに「カタナ」こと『GSX1100S KATANA』は、デビュー時にその斬新(奇抜?)すぎるルックスで世間の度肝を抜きました。

デビューから40年以上が経った今も、その独特なフォルムは見ていて飽きないほどですね。

ただスズキには、このカタナにも全く見劣りしない、かなり攻めたスタイルのオートバイが他にもありました。

GSX400X インパルス』です!

▲レプリカブームの最中、各メーカーは別路線で個性派モデルの開発にも勤しんでいた。GSX400Xもその一つと言えよう
▲レプリカブームの最中、各メーカーは別路線で個性派モデルの開発にも勤しんでいた。GSX400Xもその一つと言えよう


もう言葉で説明するより、上の画像を見てもらったほうが早いでしょう。

何より強烈なのが、朱色のフレーム。

デビュー時(1986年)にはGSX400Xのことを「東京タワーみたい」なんて言っていた人も少なくなかったようですが、たしかにこのフレームは東京タワーの鉄骨部分に似ている気がします。

▲ヘッドライトへとつながる部分がとくに東京タワーっぽい
▲ヘッドライトへとつながる部分がとくに東京タワーっぽい

’80年代のスズキは1100カタナに始まり、初のレプリカモデル『RG250ガンマ』を作ったり、油冷エンジンを開発したりと、他のどのメーカーよりも攻めの姿勢を貫いていたわけですが、その攻勢がスタイリングデザインの部分に最も分かりやすく映し出されたのが、このGSX400Xだったと言っていいでしょう。

▲独創的な「油冷エンジン」を搭載したGSX-R750。’80年代のスズキを代表する1台だ
▲独創的な「油冷エンジン」を搭載したGSX-R750。’80年代のスズキを代表する1台だ

ただ、GSX400Xにおけるスズキの攻めの設計は、外観だけにとどまりません。

エンジンの作りを観察してみると、特殊な所があるのが分かります。

形式自体は4スト並列4気筒でオーソドックスなのですが、冷却方式がなんと水冷・油冷・空冷の3つを織り混ぜたハイブリッド方式だったのです!

最も熱を持つエンジンヘッドは水冷、シリンダーは空冷、そして腰下(クランクシャフト等)は油冷となっており、スズキはこのシステムを『SATCS(SUZUKI Advanced Three-way Cooling System)』と名付けていました。

▲400Xと同じ’86年に登場した2世代目のGSX-R(400)にも、SATCSが採用されていた
▲400Xと同じ’86年に登場した2世代目のGSX-R(400)にも、SATCSが採用されていた

何とも複雑というか、お金がかかっていそうというか…、いかにも当時っぽいバブリーなメカニズムに思えますね。


当時はレプリカブーム最盛期で、ネイキッドスタイルのGSX400Xはあまり支持されなかったものの、それでも存在感・独創性という点ではピカイチだったと言って差し支えないでしょう。

まさしく、“衝撃(≒IMPULSE)”なオートバイ。

車名の「インパルス」は、伊達ではなかったのです。

▲ハーフカウルを備えたSバージョン(GSX400XS)もラインナップされていた
▲ハーフカウルを備えたSバージョン(GSX400XS)もラインナップされていた

画像引用元:スズキ

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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