ポケモンは映画「名探偵ピカチュウ」で全世代に愛されるキャラに進化するか
皆さんは「実写版ポケモン映画」と聞いて、どんな印象を受けますでしょうか。
ハリウッドでのアニメの実写化というと、ドラゴンボールのハリウッド版のような原作ファンから批判が集まったパターンを想像する人も多いかも知れません。
実際に、今回の映画「名探偵ピカチュウ」のティザー動画が公開された後、ネット上には賛否両論の議論が渦巻いたそうです。
今回、ひょんなことから本日開催された映画「名探偵ピカチュウ」の記者発表会にお誘いいただいたので、会場で感じた感想を書いておきたいと思います。
一般的にはポケモン=アニメであり。
実写というとアニメの世界観を壊すリスクがあるものと、アニメファンには受け取られがちだと思います。
ただ、個人的な印象として感じたのは、ポケモンの今回の実写化は、ポケモンが明確にグローバルコンテンツに名実共になるための重要なステップになり得るのではないかという点です。
ポケモンの映画はもう20年以上毎年夏の風物詩として楽しまれていますが、やはりイメージとしては子供向けでしょう。
私個人はアニメは好きですし、子ども達と毎年ポケモン映画も見に行っています。
去年ぐらいからは映画のトーンが少し上の世代向けに変わった気がしますが、そうは言っても位置づけは子供向け映画です。
これが今回ポケモンがハリウッドで実写化されることで、ポケモンは全世界の全世代を対象としたキャラクターになれる可能性が見えてきたわけです。
現在、世界で誰もが大作として認めるマーベルのアベンジャーズも、もともとはマンガが起点です。
日本においても元々マンガだった仮面ライダーや、スパイダーマンが実写化されてファン層を大きく広げたのは間違いありません。
アニメにおいては「ピカ」とか「ピカチュウ」としか喋らないピカチュウが、今回の名探偵ピカチュウではおじさんの声で喋るというのは、ピカチュウファンの方々からすると最も抵抗感を感じる点でしょう。
でも、これはあくまで原作となっている同名の「名探偵ピカチュウ」という、任天堂と株式会社ポケモンが販売していたゲームで、実際にピカチュウが中年男性の声で喋るという設定だったからで、ハリウッドが勝手に作った設定ではありません。
予告編を見ると分かりますが、あくまでピカチュウの声がオジサンの声で聞こえるのは主人公のティムだけ。他の人にはピカピーカと聞こえるという形で、実はポケモンの世界観自体が破壊されているわけではないんですよね。
おまけに、ピカチュウの吹き替えを担当しているのは、あのライアン・レイノルズ。
今ハリウッドでも最もノリにノってる俳優の一人といえますし、映画会社の力のいれ具合がこれだけでも分かるというものです。
ピカチュウとコンビを組むティムを演じるジャスティス・スミスさんは、ジュラシック・ワールド 炎の王国で、大事な役柄を演じていた若手俳優ですし、ヒロインのキャスリン・ニュートンさんは、ビッグ・リトル・ライズという人気ドラマで大事な役を演じていた若手女優さん。
おまけに、監督のロブ・レターマンさんは、今回の映画はデジタル全盛の昨今において、あえてフィルムで撮影することを決断されたとか。
当然、ほとんどのシーンは大量のCG処理がされてるわけですが、監督としてはこのポケモンの世界を観客に少しでもリアルに感じてもらうために、あえて手間のかかるフィルムを選んだということでしょう。
ちなみに、記者会見では、ジャスティスさんが好きなポケモンは自分がプレイしていたときのポケモンゴールドで最初に選んだワニノコで、吹き替えを担当する竹内涼真さんは子供の頃に苦労して育てたカイリューという逸話も披露されてましたが。
いまや世界中で初期のゲームのポケモンをプレイした経験のある世代が、大人になっているんですよね。
さらにはポケモンGOの普及によってシニア層もポケモンを楽しむ時代になっているわけで。
実は、ゲームのポケモンをプレイした経験のある世代は世界中に幅広くいるわけです。
今回の映画「名探偵ピカチュウ」ではそのポケモンの世界が、生々しく実写で描かれている模様。
まだまだ日本だと「ポケモンが好き」というと子供向けのゲームでしょ?という反応が多いと思いますが。
「アベンジャーズ好き」とか「スター・ウォーズ好き」といっても、それほど子供扱いされないはず。
そういう意味で、ハリウッドの実写映画がポケモンの印象を変えてファン層を広げるインパクトは大きいのではないかと思います。
今回の映画「名探偵ピカチュウ」が成功すれば、ハリウッドで毎年のようにポケモン映画が公開される時代が来る可能性もありえなくはないと思いますし。
ポケモンが、アニメやゲームだけの世界だけではなく、アベンジャーズやスター・ウォーズのように全世界で全世代に様々な形で愛されるキャラクターに名実共に進化することを、ついつい期待してしまうのは私だけではないはず。
もちろん全ては映画の完成度次第。
映画の公開は2019年の5月とかなり先の話なのですが、まずは公式サイトを見ながら楽しみに待ちたいと思います。