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松島幸太朗、サンウルブズ→日本代表に必要な切り替え語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
フルバックの定位置を狙う。(写真:アフロ)

 ラグビー日本代表は5月27日からの6日間、6月のテストマッチ3連戦に向けた合宿を宮崎・シーガイアで実施中だ。本格的に練習を始めて4日目にあたる31日の練習後、フルバックの松島幸太朗が意気込みを語った。

 6月のツアー中チームは6月9日、16日にイタリア代表と、23日にジョージア代表とテストマッチ(国際真剣勝負)をおこなう(場所はそれぞれ大分、神戸、愛知)。スタッフや選手、戦術を共有してスーパーラグビーに挑むプロクラブ、サンウルブズはここまで2勝10敗で、松島は2勝9敗となった第14節終了時点で同クラブを一時離脱。日本代表のツアーに備えていた。

 以下、単独取材時の一問一答(編集箇所あり)

――合宿はここまで、いかがですか。

「全体的に集中していて、ハイレベルな練習ができていると思います」

――この合宿に向け、サンウルブズの指揮も兼ねるジェイミー・ジョセフヘッドコーチからはどんなことを。

「サンウルブズとは違う。雰囲気を変えていきたい。そう言われて、選手も意識を変えることができたんじゃないかと。同じ感じでやっていると、まったく同じ結果になってしまうかもしれないし、代表としての意識は必要です」

 サンウルブズは、日本代表強化の促進を目指している。特に両者の連携が本格化した昨季から、サンウルブズは日本代表の目指すラグビーを強豪国のプロクラブとの試合で遂行。特に今季はヘッドコーチをはじめとした多くの日本代表首脳陣がサンウルブズで同職を務めており、両者の関係性の強さを期待する声は高まっている。

 もっとも、ジョセフはしばし「スーパーラグビーはマラソンで、テストマッチはスプリント」と話す。スーパーラグビーはプロクラブ同士で毎週試合のあるリーグ戦で、レギュラーシーズンは2月から7月と長期にわたる。一方でテストマッチは国の威信をかけた一発勝負で、各国とも6月、11月に各3~4つのゲームを組むのが一般的。問われる資質や緊張感などに違いはある。

 松島の言う「同じ感じでやっていると…」「代表としての意識」も、かような観点と関連していそうだ。

――「代表としての意識」。具体的には。

「単純に、落ちているゴミを拾うとか、人の迷惑にならないとか、代表としての言動を重く受け止めて、自分が何をするかを考える」

 日本代表は今回、ワールドカップ日本大会を1年後に控え成功体験を積み上げんとしている。サンウルブズで培ったスタイルを駆使してテストマッチ3連勝を目指すにあたり、戦術略の根を支える意識の領域に確固たる芯を据えたいのだろう。

 松島は締める。

――サンウルブズは今季、結果を意識しすぎなくなったあたりから結果を出すようになりました。代表では。

「僕は、結果を出したい。(結果を出せば)周りの反応も変わると思うし。自分なりにゲインラインをしっかりとって、ハイボールキャッチの安定を出していきたい」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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