今年のオールスターMVPは二塁打も三塁打もリーグ最多。両方1位のままなら54年ぶり、史上20人目
この夏、ジャレン・デュラン(ボストン・レッドソックス)は、初選出のオールスター・ゲームで勝ち越しとなるホームランを打ち、MVPに選ばれた。そこから1ヵ月経たないうちに、不適切な発言により、2試合の出場停止を科された。
レギュラーシーズンにおいては、メジャーリーグ3年目の昨シーズンが台頭、4年目の今シーズンは完全開花、といったところだろうか。昨シーズンは、102試合で打率.295と出塁率.346、8本塁打と24盗塁、OPS.828。今シーズンは、138試合で打率.294と出塁率.353、21本塁打と32盗塁、OPS.877を記録している。
また、今シーズンの44二塁打と13三塁打は、どちらも、ア・リーグで最も多い。デュランに次ぐ2位は、二塁打が40本のボビー・ウィットJr.(カンザスシティ・ロイヤルズ)とブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、三塁打は11本のウィットJr.だ。
ナ・リーグでは、44二塁打のアレック・ボーム(フィラデルフィア・フィリーズ)と12三塁打のコービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)がトップに位置している。ボームの三塁打は3本しかなく、キャロルの二塁打は19本だ。
ナ・リーグとア・リーグで、同じシーズンに二塁打と三塁打のどちらもリーグ最多は、延べ19人が記録している。その最後は、1970年のセイザー・トーバーだ。今シーズンのデュランは、このままいくと、54年ぶり、20人目となる。
17人目のゾイロ・バーサレスは、1972年に広島東洋カープでプレーした。登録名はベルサイエスだ。48試合に出場し、7本の二塁打と4本のホームランを打ったが、三塁打はなかった。
これまでの19人のうち、そのシーズンにリーグ最多安打は14人、首位打者は12人、打点王は6人、盗塁王は5人いる。一方、本塁打王は皆無だ。1948年に39本塁打のスタン・ミュージアルは、ナ・リーグで本塁打王を獲得した2人、ラルフ・カイナーとジョニー・マイズと1本差だった。ホームランがあと1本多ければ、ミュージアルは、二塁打、三塁打、ホームランの「長打三冠」のみならず、打率、ホームラン、打点の「三冠王」となっていた。
ミュージアルは、通算475本塁打を記録した。この本数は、歴代32位タイだ。シーズン本塁打は、1948年が最も多く、本塁打王は獲得していない。通算725二塁打は、792本のトリス・スピーカーと746本のピート・ローズに次ぎ、選手生活を終えた時点では歴代2位だった。通算177三塁打は、歴代19位タイだ。
今シーズンのデュランは、二塁打と三塁打の他に、安打と盗塁もリーグ・トップ5にランクインしている。170安打が3位、32盗塁は5位。それぞれのトップは、190安打のウィットJr.と37盗塁のホゼ・カバイェロ(タンパベイ・レイズ)だ。