巨人の桜井投手と野上投手を打ち、しかも完封勝利で首位タイに!《阪神ファーム》
ことしの『第16回みやざきフェニックス・リーグ』は、きょう15日で第2クールを終えますが、まだ中止は1試合もありません。台風絡みの雨などで流れることが多い時期ながら、ことしは見事なくらいの晴天続き。何年かに一度、こういうことがありますね。
前回の記事でも書きましたが、ここまで7試合を消化して巨人と阪神が首位で5勝2敗、ついで4勝2敗1分けの中日、ヤクルト、ロッテ、広島、ソフトバンクが3位に並んでいます。13日終了時点までは巨人が単独首位だったものの、きのう14日に阪神が対戦して勝利!これで2チームが並んだわけです。
巨人は日本シリーズに向けて菅野投手も合流していました。また、きのうは桜井投手と野上投手が登板。まだ2019シーズンが続いているんですね。まあでも、その相手から4点(特別ルールでの9回裏を入れれば6点)を取って完封勝ちしたので、値打ちはあるでしょう。呂投手をはじめ4投手が無四球完封リレーでした。
《フェニックス・リーグ》
阪神-巨人 (サンマリン) 10月14日
巨人 000 000 000 = 0
阪神 100 010 202 = 6
※特別ルールにより9回裏まで
◆バッテリー
【阪神】呂-藤浪-福永-尾仲 / 片山
【巨人】桜井(5回)-野上(4回) / 田中貴
◆本塁打 神:板山2号ソロ(野上)
◆三塁打 神:片山
◆二塁打 神:小幡、荒木、藤谷
◆打撃 (打-安-点/振-球/盗塁/失策)
1]遊:小幡 (3-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
2]中:熊谷 (4-1-1 / 2-0 / 0 / 0)
3]左:中谷 (4-0-0 / 2-0 / 0 / 0)
4]一:藤谷 (4-1-0 / 2-0 / 0 / 1)
5]三:板山 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
6]捕:片山 (4-1-1 / 1-0 / 0 / 0)
7]指:長坂 (2-1-1 / 1-1 / 0 / 0)
8]右:森越 (4-2-1 / 0-0 / 0 / 0)
9]二:荒木 (3-1-0 / 1-0 / 0 / 0)
◆投手(打-振-球/失点-自責) 最速キロ
呂 5回 68球 (5-6-0 / 0-0) 143
藤浪 1回 12球 (0-1-0 / 0-0) 158
福永 2回 17球 (2-2-0 / 0-0) 146
尾仲 1回 9球 (2-1-0 / 0-0) 146
《試合経過》 ※敬称略
まず攻撃から。巨人の先発・桜井に対して1回、小幡が右翼線二塁打を放ち、守備の乱れをついて三塁へ(記録はセカンドのエラー)。続く熊谷の左前タイムリーで早々に先制!3回は先頭・荒木の左中間二塁打があったものの追加点ならず。そのあと4回にかけて5者連続三振を奪われています。しかし5回は長坂と森越の連打などで1死一、三塁のチャンスを作り、小幡が右犠飛!桜井から(7三振を喫したものの)5安打で2点を奪いました。
6回は2人目・野上の前に2三振で三者凡退。7回は先頭の板山が野上の真っすぐを打ってライトへのホームラン!開幕戦以来の第2号です。片山はファーストのエラーで出塁し、長坂の四球で一、二塁。次の森越が右前タイムリー!この回2点を加えて4対0としました。8回は三者凡退です。
一方の投手陣は、フライ3つの三者凡退で断ちあがった呂が2回、1死から5番・モタと田中貴に連打を許すも後続を断ち、4回と5回も1安打ずつ浴びながらともに連続三振などで切り抜けています。5回を投げ5安打6三振で無失点、しかも無四球という好投!バットをへし折る場面もありました。
6回は藤浪が登板。1番からを三者凡退でピシャリと抑えています。7回の福永は先頭の4番・岸田に右前打されるもモタは三ゴロで併殺、続く田中貴に右前打されましたが、高山からカーブで見逃し三振を奪って無失点!8回は最後の代打・松原をフォークで空振り三振させての三者凡退です。そして9回は尾仲が、先頭をファーストのエラーで出したものの後続をしっかり断って無失点。
なお申し合わせにより特別ルールで行われた9回裏は、先頭の藤谷が野上の初球(真っすぐ)を右中間へ!これが二塁打となって、板山の二ゴロで1死三塁。続く片山は中前打、と思いきや飛び込んだ松原が捕れず、打球はフェンスのところまで…。記録はタイムリー三塁打でした。さらに長坂の中犠飛で、この回2点を追加しています。
※場内アナウンスも、フェニックス・リーグのウェブサイトでも『4対0』と表されていますが、ここでは『6対0』とし、個人成績にも含めて書きました。ご了承ください。
呂投手の成長を喜ぶ平田監督
試合後の談話は平田監督からご紹介しましょう。巨人は桜井投手が先発で「日本シリーズに向けて(調整登板をしに)やってきた相手に、どういうバッティングをするかと思ったら、いきなり小幡が打つしね。この前(9日)のヤングマン、クック、きょうの桜井、野上。1軍を経験しているピッチャーの、打席に立てるのはありがたいよ。藤谷も野上に対しての1打席目は変化球で三振したけど、次は1球目から右中間へ打ちよる。ああいうのが大きい」と、まず藤谷選手を評価。
次は先発した呂投手についての話です。前回は8日のロッテ戦で、1回に山口選手の先頭打者ホームランと、次の三家に許した中前打の2安打のみで5回1失点でした。平田監督もそこを踏まえて話をしています。
「ロッテ戦もホームランしか打たれていないけどフォアボールが(2個)あったのでね。きょうは立ち上がりからよくて、フォアボールも出していない。ストライクの投球が多かった。課題のクイックやコントロールについても、やろうとしているのが見えた。カウントを取りにいくのにカーブをうまく使っていたし、きょうは課題を克服しようという意図を感じた。リズムもいいし、楽しみになってくるよ」
また藤浪投手には「真っすぐでいけと言っていたけど、いいよ。イニング間の(投球練習の)5球もまとまっていたし。これからイニングは伸ばしていく。最終的には先発させて、ここまで1イニングずつ投げてきた成果を見たい」と話しています。なお、きょうも登板する予定だとコーチ陣も言っていました。ここはまだ1イニングでしょうか。
すべての球が思い通りに決まった
では選手コメントです。呂投手は「自分の思った通りに投げられました。そこはよかったです」と振り返って、カーブで三振も取れていた点を聞かれると「きょうはすべての球がいいところに決まっていて、ギリギリのいいボールをコントロールできた。三振を取ろうとは思っていなかったけど、相手打者のタイミングを崩そうと。それが三振につながったと思います」と自己分析しました。
テンポもよかったですねと言ったら、うなずいてニッコリ。自分でも納得のピッチング?「全体的にはよかったです。ただヒットが多かったので、そこは次の段階になると思います」。多いったって5回で5安打ですからね。まあ前回は5回で2安打でしたけど。今回は何より無四球がすばらしい!
続いて藤浪投手。バスに乗り込む寸前だったので、それぞれ短めの応えです。ゾーンでしっかり勝負できていた?「そうですね」。今回で3度の登板でしたが、どうですか?「まあ状態は変わらないですけど」。フォームの再現性を高めることについては?「いい感じに投げられているかなと思います」。そして、連投にも「意識はしていないです。やることは変わらない」とのこと。
打った打席より、その他が大事
野上投手から打ったホームランは「真っすぐです」と板山選手。「甘いボールをしっかりとらえられたので、そこは続けていきたいですね。よかったことはよかったとして、それ以外の打席をしっかり反省して、成長できるように頑張ります!」。それと、特別ルールでの9回裏ながら、最後に1本ヒットが出た藤谷選手は「よかった。でもまだまだです」と言って引き揚げました。
熊谷選手は死球と牽制球が両ヒジに当たった影響で「まだ痛いです。バットが出てこないです」と。そう言いながら初回にタイムリーを放っていますけどね。投げるのも痛いはずですが守備につき、試合後は森越選手と一緒に内野ノックを受けていました。ちなみに森越選手はこの試合で唯一のマルチ安打。ここまで7試合すべてに出場し、ノーヒットは1試合のみ。そして6試合のうち3試合がマルチです。通算23打数9安打2打点で打率は.391となっています。
きょうは第2クール最終日。清武第二球場での日本ハム戦が行われ、望月投手が先発予定。きのうあたりから朝晩は一気に涼しくなりましたが、相変わらず日差しは強い宮崎です。
<掲載写真は筆者撮影>