メジャーで8本塁打中7本がセンター方向。大谷翔平の打撃技術の原点は少年時代の練習環境にあった!?
7月23日(日本時間24日)のシカゴ・ホワイトソックス戦での4回裏に、今季8号目となる特大ホームランを本拠地球場のセンターにある岩山は打ち込んだロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。
大谷が打った8本の本塁打を見てみると、面白い傾向が見えてくる。
- 4月3日 @アナハイム 対インディアンズ 投手:ジョシュ・トムリン(右) 118kmのカーブ 121mセンター方向
- 4月4日 @アナハイム 対インディアンズ 投手:コリー・クルーバー(右) 147kmのフォーシーム 122mセンター方向
- 4月6日 @アナハイム 対アスレチックス 投手:ダニエル・ゴセット(右) 150kmのツーシーム 137mセンター方向
- 4月27日 @アナハイム 対ヤンキース 投手:ルイス・セベリーノ(右) 156kmのフォーシーム 125mライト方向
- 5月10日 @アナハイム 対ツインズ 投手:トレバー・ヒルデンバーガー(右) 145kmのシンカー 126mセンター方向
- 5月17日 @アナハイム 対レイズ 投手:オースティン・プルイット(右) 146kmのフォーシーム 125mセンター方向
- 7月8日 @アナハイム 対ドジャース 投手:JT・チャーゴイス(右) 153kmのシンカー 135mセンター方向
- 7月23日 @アナハイム 対ホワイトソックス 投手:ルーカス・ジオリト(右) 150kmのツーシーム 133mセンター方向
打ったホームラン8本全てを本拠地(@アナハイム)で打っており、しかも全てが右投手から放っている。
メジャーに来てからは、対左投手相手に打率.167、長打率.238と苦戦している大谷は、打率.324、長打率.640と得意としている右投手から本塁打を量産している。
8本全てがホーム・フィールドのエンゼル・スタジアムで打っていることに関しては、「ビジターでも打てればいいとは思うのですが、なんとなく雰囲気だったりとかそういうものかなと思います」と地元ファンが作る雰囲気と声援に後押しされているとその理由を説明。
8ホームラン中7本までがセンター方向へ飛ばしていることに対しては、「しっかり捉えれば、方向に関係なく(打球は)どこでも行くんじゃないかなと思う」と口にしたが、実は少年時代の練習環境に「センター返し」の原点があった。
4月3日付けの産経ニュース『スポーツ茶論』の記事には、
と綴られている。
水沢リトルリーグで大谷を指導した恩師は、「うちのグランドのライト側に川が流れているんです。翔平がバッティング練習をすると、全部向こうの川にボールが行ってしまって……。硬式ボールですから、安くないもので。冗談半分で翔平に『お前、ひっぱり禁止だ』って言ったんですよ。そしたら、私の方をジロって睨んで、ちょっとムッとしたような顔をしたんですけど、次のボールをレフト方向に流してホームランを打ちましたからね」とテレビ取材でそのときのエピソードを語っている。
リトルリーグ時代に引っ張るだけでなく、流してのホームランも、センター返しも身につけ、広角打法をマスターした大谷。
メジャーの平均は引っ張りが36.3%、センター方向への打球は38.2%だが、大谷は右方向への引っ張りが34.9%、センター方向へは41.5%とバランス良く打ち分けている。また、ただセンター方向へ打球を打てるだけでなく、そのほとんどが鋭い当たりだ。
センター方向へ打球が飛んだ際の打率と長打率は文句なしのリーグ・トップにランクしている大谷。センターに打つ技術でも、メジャー1年目にしてトップクラスのものを持っている。