週末は記録的な暖気を運ぶ低気圧の雨、週明けは西高東低の冬型の気圧配置で強い寒気が南下して大きな寒暖差
低気圧が東北地方を通過
令和5年(2023年)12月14日は、大陸から高気圧が張り出し、北日本は西高東低の気圧配置となり、北日本の日本海側~北陸では雲が広がり、所により雪や雨が降って気温は平年より低くなりました(図1)。
一方、北~東日本の太平洋側や西日本は概ね晴れ、気温は平年より高い大掃除日和となりましたが、中国大陸からの前線がのびてきた西日本では、次第に雲が増え、雨域が次第に東へ広がってきました。
また、張り出した高気圧の南側にあたる、南西諸島は雲が広がりやすく、所によりにわか雨がありましたが、気温は平年より高くなりました。
12月14日に全国で気温が一番高かったのは、沖縄県の竹富町大原の27.0度で、最高気温が30度以上の真夏日は観測されませんでした。
最高気温が25度以上の夏日を観測したのは25地点(全国で気温を観測している915地点の約3パーセント)でしたが、最低気温が0度未満の冬日を観測したのは343地点(約37パーセント)でした(図2)。
12月の初めは、全国の約50パーセントで冬日であったことに比べれば、冬日を観測した地点は減っています。
12月15日は、低気圧が東北地方を通過する見込みです(図3)。
低気圧の北側に位置する北日本では雲が広がりやすく、日本海側を中心に雪の降る所がありそうです。気温は平年並みの所が多いでしょう。
低気圧の南側に位置する西日本~東日本では雲が多く、雨の降る所があるでしょう。南西諸島は概ね晴れるでしょう。
低気圧に向かって暖気が北上しますので、低気圧の南側の気温は平年より高く、かなり高くなる所もある見込みです。
ただ、この暖気の北上は一時的です。
低気圧が東北地方を通過したあとは、西高東低の気圧配置となって強い寒気が西日本に南下してくる見込みです(図4)。
12月17日の日曜日には、上空約1500メートルで氷点下12度の寒気が西日本に南下してくる見込みです。
ただ、今回の冬将軍は長居をしないと思われます。
気温の急上昇と急降下
福岡の最高気温の推移をみると、9月~10月は、平年より高い日が多かったのですが、11月以降は変動が大きくなっています(図5)。
12月14日の最高気温は15.6度でしたが、15日の最高気温は24度という予報です。
前日より8度も高く、誤差を考えると、25度以上になる可能性もあり、その場合は「12月の夏日」ということになります。
しかし、16日の最高気温の予報は16度、17日の最高気温の予報は7度と、2日で17度も急降下する見込みです。
なお、21日の最高気温の予報は4度です。
東京の最高気温も福岡と似た変化をしますが、寒気が入ってくるのは福岡の1日遅れです(図6)。
12月15日は低気圧に伴う雨の影響で日中の気温があがらず、最高気温は11度の予報ですが、夜から暖気が入って気温は急上昇する見込みです(図7)。
札幌の最高気温も、11月に入ると変動が大きくなっています(図8)。
12月9日に最高気温11.3度と札幌では記録的な12月の暑さとなったあと、平年より低い寒さとなっていますが、18日にはこれまでより強い寒気が南下し、最高気温が氷点下4度となる見込みです。
各地とも、寒暖差の大きい日が続きますので、体調管理に努めてください。
図1、図4の出典:ウェザーマップ提供。
図2、図7の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図3の出典:気象庁ホームページ。
図5、図6、図8の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。