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酔客が深夜に行列するシメの一杯〈昭和の面影を残す創業56年の福岡を代表する濃厚豚骨ラーメンの名店〉

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡県福岡市中央区白金。西鉄天神大牟田線の「薬院駅」からほど近い場所。コッテリとしたベタ感の強い博多の「濃厚な豚骨ラーメン」を、昭和の時代から長らく提供し、親しまれてきた「超」が付く有名なお店〈八ちゃんラーメン〉。深夜にもかかわらず、行列ができることもある福岡を代表する有名店は、飲んだ後のシメに立ち寄るパンチのある一杯で、昔も今も変わらず、地元の方々に愛され続けている名店だ。

昭和の頃から平成の初めにかけての世代の方には、特に馴染み深いと思われる〈八ちゃんラーメン〉。若かりし頃から、その濃厚なパンチの効いたラーメンの味わいに魅了され続けてきた地元の方も多かったのではないだろうか。だけど近年、年齢を重ねた世代の胃袋には、ちょっとハードルが高くなっているのかもしれない。ただ、今現在の(特に若い世代の方には)リアルな一杯を体感して欲しいと思うと同時に、間違いなく若かりし日に体験した強烈なインパクトを残した一杯を、今もなお、自信を持っておすすめしたいと思う存在感が〈八ちゃんラーメン〉にはある。

飲み会の締めくくりに安定感のある一杯

西鉄「薬院駅」近辺の深夜。コロナ以前は20時からの営業スタートで、開店と同時に行列ができることも少なくなかった。その当時は、並んでまで訪問することはなく食べる機会はかなり減少していた。それがコロナ禍の影響で営業開始が2時間早まり18時からになったことから、早い時間の来店機会が増え(しかも行例もない)逆に寄りやすくなっている。

この日は「八ちゃん」近くの居酒屋さんで、18時スタートで仕事仲間と飲み始め、20時半でお開きに。解散と同時に「八ちゃん」が頭に浮かび、歩いて3分弱で店先に到着すると、まだ並びはないけれど店内はまもなく満席になりそうな雰囲気。入口すぐそばにある給水機横のカウンター席が空いていたのでそこに着席。

メニュー表を眺めながら一瞬、飲み直しの瓶ビールが頭をよぎるも、結構その前にお酒をいただいていたので、注文は「ラーメン」の単品のみ。待つこと少々で配膳された一杯は、お酒を飲んだ後のシメにピッタリな相性抜群の豚骨スープ。啜ったその瞬間、至福のひと時が訪れ、心の底から美味しいと思える一杯に仕上がっていた。

また、合わせる平打ちの細ストレート麺が、濃厚なスープをグイグイと絡めとるベストマッチ。麺のコシと歯切れのいい食感もたまらない。標準のラーメンはチャーシューとネギのみ。デフォルトで胡椒が振られた一品は、昔も今もその圧倒的なスープと麺をシンプルに味わえる組み合わせになっている。

食べる時間でスープの表情が変わる

最後に。豚骨の旨みがあふれる濃厚なスープは、時間の経過とともに、シャバ系だったり、泡系だったりと表情や味わいが豊かに変化する。あくまでも個人的な感想になるけど、早い時間は、脂感はあるものの、泡立ちが少なく、どちらかと言えば「シャバ系の一杯」に近いように感じる。そして深夜に近づくにつれて、泡立ちが増し、ベタな脂感も定着していくような落ち着きのある一杯へと変貌していくようなイメージがある。そして、やっぱり似合うのは、飲んだ後のシメのラーメン。早い時間の一杯も美味しくいただけるけど、おすすめの時間帯はやはり深夜帯。行例を覚悟しながら、一日の最後のシメに最高のわくわくをお楽しみください。

食べログラーメンWEST百名店に今年初選出

もともと個性豊かなお店であり、地元福岡では押しも押されもせぬ超有名店。食べログラーメンWEST百名店2023に今年初めて選出されたというのはちょっと意外だった。それほど博多の豚骨ラーメン界の代表格であり、1968年創業の今年56周年を迎えた老舗店〈八ちゃんラーメン〉である。

最寄りの駅は、西鉄天神大牟田線、福岡市営地下鉄七隈線の両「薬院駅」。そこから歩いて3分ほどの場所にある。以前(10数年ほど前)は、福岡市南区の野間にも、もう一店舗「八ちゃんラーメン野間店」があったため、薬院駅の近くにある八ちゃんを「薬八(やくはち)」と略して表現する方も居たため、現在もその呼称を使われる方も一部存在する。また、現在は白金の1店舗だけで系列店はない。ぜひ、ここだけのこの味をご堪能ください。

八ちゃんラーメン

住所  :福岡県福岡市中央区白金1-1-27[地図
営業時間:18時00分〜翌02時00分 
定休日 :日曜・祝日 ※要確認
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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