路上フリーライブ横浜会場に3千人! 驚異の2人組イトヲカシとは?
J-POP王道のポップセンスを持つ2016年最強のニューカマー、イトヲカシ。日本語を大切にした歌詞の魅力、琴線をふるわせる歌声と、明解なメロディー&アレンジの力強さ。Twitterフォロワー53万人以上、これまで全国の路上ライブで合計3万人以上を動員してきた実績を持つ彼ら。動画共有サイトで注目を集めた、中学時代から同級生だった伊東歌詞太郎(Vo)と宮田“レフティ”リョウ(Bass/Guitar/Key)による2人組ユニットだ。
メディアでは顔出しをおこなっておらず、その素顔はライブでしか見ることができない。これまでアルバム作品はライブ会場の手売り販売のみながら1作品あたり1万枚以上を突破。この春、ついに本格活動がスタートし、インディーズのまま初の全国流通盤の6曲入りミニアルバム『捲土重来』(けんどちょうらい)を5月11日にリリースする。さらに3月18日からは、全国20箇所で路上ライブ・ツアーを実施中。5月14日からは、初の全国5カ所を巡るワンマン・ライブハウス・ツアーが札幌cube gardenを皮切りにはじまる。
そんなイトヲカシの3度目となる全国路上ライブ・ツアー、4月3日(日)お昼12時からおこなわれた神奈川・横浜港大さん橋国際客船ターミナル屋上広場に行ってきた。気になったのは、彼らが観覧自由なフリースペースで路上ライブを行う理由だ。そのワケは、ライブ中にMCで話された2人が別のバンドをやっていた時代にさかのぼる。
……当時、それぞれがやっていたバンドの集客問題に悩んでいた彼らは、ライブハウスへの集客宣伝を試みようと伊東は川崎駅前、宮田は渋谷駅前で、ライブ告知を目的に路上でのフリーライブをはじめたという。1日4時間以上、誰も止まってくれなくても可能性にかけて歌いつづけていた日々。しかし、物販として販売していたCD-Rは月に3,4枚売れるかどうかという苦難のレベル。結果、お互いそれぞれ、バンドとしての成功は掴めなかったが、その後、動画共有サイトでの注目をきっかけに、現在はイトヲカシとして共に順調な道を歩みはじめている。
その成果のひとつが、横浜港大さん橋国際客船ターミナル屋上広場に集まった3千人を超える路上フリーライブでのオーディエンスだ。会場の都合もあったのだろう、告知も直前にはおこなわれ、しかも当日の天気予報は雨。海沿いで風も強い悪条件であったが、ライブがスタートするお昼12時前には雨はあがり穏やかな雰囲気となった。そんななか、写真の通り驚くべき人数のファンが集まったのだ。
当日は、路上限定販売シングルCD『阿』、『吽』(※懐かしの8cmCD)を1枚500円で2枚販売。サイン会もおこなったため、日が暮れるまで長蛇の列は続いた。しかし、イトヲカシの2人はファンへの感謝を最後の最後まで忘れなかった。ライブ中の、伊東による熱いMCを思いだす。
「僕らはイトヲカシとして、一生懸命音楽を作って一生懸命演奏している。実は、そこには価値は何もないんだ。でも、そんな音楽に価値をつけてくれる人たちがいる。“みんな”って言葉は、僕はなるべく使いたくない。今日来てくれた“あなた”が僕らの音楽に価値をつけてくれているんだよ。」(伊東)
そしてついに発売される、初の全国流通盤となるミニアルバムのタイトルは『捲土重来』だ。この言葉に込められた意味も気になるところだ。CDが売れないと言われる昨今の音楽シーン。必ずや、イトヲカシのターニングポイントとなるだろう。
「『巻き返していこうぜ!』みたいなイメージです。僕ら音楽が大好きでここまでやってきてるんですけど、それぞれ、過去のバンド活動でうまくいかなかった過去があったり、たくさん悔しい思いをしてきたんですよ。そんな思いも込めての決意表明です。」(伊東)
「僕もたくさんの失敗を重ねてきました。これだけ失敗してるんだからもう成功しないはずがないって確信があって(笑)。イトヲカシとしての全国流通の作品は初めてなので、四字熟語の意味の通り突き進んでいきたいと思っています。」(宮田)
イトヲカシが音楽にかける思いの強さ、熱量の高さは、5月11日に発売するはじめての全国流通盤ミニアルバム『捲土重来』、そして5月14日からスタートする初の全国ワンマン・ライブハウス・ツアーによって、さらに日本全国に響き渡っていくはずだ。音楽を愛する、音楽を絶対にあきらめない2人組ユニット、イトヲカシ、その名を覚えておいてほしい。
イトヲカシ オフィシャルサイト