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I Don't Like Mondays.、10周年を経てたどり着いた未来への意思表示

ふくりゅう音楽コンシェルジュ
photo by I Don't Like Mondays.

●都会的かつ邦楽と洋楽の垣根を越えたロックサウンドを世に知らしめた

スタイリッシュかつエモーショナルな4人組バンド、I Don't Like Mondays.がデビュー10周年を迎えた。現在のシーンのトレンドの先駆けである、いわゆる都会的かつ邦楽と洋楽の垣根を越えたロックサウンドを世に知らしめたテン年代発のパイオニアと言える存在だ。

photo by I Don't Like Mondays.
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彼らをよく知らないリスナーは、まず最新EP『FOCUS』が誇るポップソング“Sunset Girl”を耳にしてほしい。煌めいた旋律、芳醇なメロディーに驚かされるはずだ。

この10年間で一気に国内バンドシーンは様変わりし、CD時代から一変、Spotifyなどストリーミングサービスにおける単曲単位でのリリース頻度へと大きな変化が起きた。配信シングルによる多岐にわたるサウンドへの挑戦。あらためて振り返るとI Don't Like Mondays.のヒストリカルな軌跡とは、半歩先ゆく先鋭さを自らの作品、そしてライブによって問いかけ証明し続けてきた10年だった。

だが、その道のりは決して簡単なものではなかった。

開拓者であるからこそぶつかる大きな壁。誤解を恐れずにいえば、シルエットすら絵になるルックスの良さが誤解を生むこともあったかもしれない。ビッグヒットになかなか恵まれず、後輩バンドに追い越されていく苦悩もたくさん味わった。しかし、音楽ファーストであるI Don't Like Mondays.は、実はバンドメンバー全員がDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)を駆使するコライトによる民主的な共作スタイルによって、ロックのみならずジャンルを超えていく音楽性へと立ち向かっていく。自らのYouTubeチャンネルでその独自の制作スタイルの一部は明かされ、音楽へのこだわりと愛の強さが伝わってくる。

結果、信念を曲げることなく自分たちのスタイルを昇華することでI Don't Like Mondays.というアイデンティティを獲得。唯一無二のバンドサウンドを繰り広げていくことになった。もちろん、まだ道半ばだ。デビュー10周年記念作品となる最新EP『FOCUS』は、原点回帰しながらも確実に未来への意思表示となる1枚となった。

<全曲解説インタビュー>

●僕らが恩返しできるのは音源や、リアリティーを持って伝えられるライブ

――先日(9月7日)、お台場でフリーライブ『10th ANNIVERSARY FREE LIVE』を観させていただきましたが、デビュー10周年ということで、これまでの10年間を振り返ってみて、それぞれどんなことが思い浮かびますか? 

YU(Vo):10年というとたいそうな気がするんですけど、自分としては日々ライブをやったり制作していたり。自分のベストを尽くしたいなと駆け抜けてきて、気がついたら10年という月日が経っていました。短くも感じるんですけど、でも、レコード会社と事務所を移籍したり、コロナ禍など、バンドとしてもいろんなことがあったんです。毎回毎回僕らは曲を作ってリリースして、ライブをして乗り越えてきました。軌跡を辿ると、僕としては自信があるように見えて実はあまり自信がないタイプなんです(苦笑)。でも、間違ってなかったのかなと10周年を迎えました。

KENJI(Ba):曲調が変わったり、歌詞の書き方が変わったりとか。試行錯誤あって10周年で原点回帰しようとなったときに、でも回帰しつつも10年前には出来なかったことが出来るようになって、自分たちらしさを上手く出せるようになったかな。すべて無駄ではなかったし、バンドを続けてこれてよかったなと痛感しています。

SHUKI(Ds):デビュー前は、僕ら音源をリリースするということをやってこなかったので、リリースし続けてきた10年間だったりするんです。自分たちは何者なのかを知る10年だったのかなと思っています。試行錯誤を繰り返して、10年目に出来たEPが自信を持って自分たちらしさだと言えることが10周年という年に間に合って嬉しかったのと、ここまでくるのに10年かかったなあって思っています。

CHOJI(Gu):ここまで応援してくれた皆さんがいて続けてこれたなっていうのが一番にあって。今の時代は、YouTubeとかTikTokとかいろんな媒体で観るものや聴くものがたくさんある状況で、そんななか僕らの音楽に出会ってくれたことはラッキーだと思っています。僕らが恩返しできるのは音源や、リアリティーを持って伝えられるライブなので。そこを大事にしていきたいと10年やって思いました。

●なかなか最初は反響頂けなくてというか、葛藤や不安はあった

photo by I Don't Like Mondays.
photo by I Don't Like Mondays.

――アイドラ(I Don't Like Mondays.の略称)って、ソウルフルなポップミュージックをダンサブルにロックに表現されています。曲によってEDMにまで範囲を広げながらアプローチを変えていくスタイルってこの10年で音楽シーンでも当たり前になってきましたが、アイドラはいち早くやられていましたよね? 今、アジアの音楽シーンは特にアイドラのようなスタイルが求められているようにも感じています。元々、どんなバンドにしていこうと話し合いながらバンドの方向性は決まっていったのですか? 

YU:ルーツとなる音楽が4人とも見事にバラバラで。でも、そのなかでも共通するセンスは少なからずあって。そんなアーティストのライブを一緒に観に行ったりしながら、僕ら、インディーズ期間がほぼなかったのでメジャーでリリースしながら見つけていった10年だったのかもしれません。共通しているのは、日本だけじゃなくてアジアや世界でも言語や文化など垣根を越えられるのが音楽だと信じているんで、初めから掲げてやってきたんです。なかなか最初は反響頂けなくてというか、葛藤や不安はあったんですけど、そのなかでも自分たちが出来ることを試行錯誤繰り返してスタイルを築けたなって思っています。

――そうそう、アイドラのルーツが見えづらいのは4人の一体感からなんでしょうね。ちなみに、最近はそれぞれどんな音楽がお好きですか?

CHOJI:僕はずっと井上陽水さんが好きで。それこそフォークの“傘がない”や“氷の世界”のイメージが強いと思うんですけど、70年代は高中正義さんと一緒に作っていたり、80年代は佐藤準さんとか、時代時代のサウンドを貪欲に取り入れていて。今聴いてもいい音で、世界に出せる音楽なんですよ。ずっと聴いていますね。

CHOJI:photo by I Don't Like Mondays.
CHOJI:photo by I Don't Like Mondays.

――おおお、意外な感じが素敵ですね。ちなみにギターヒーローは誰?

CHOJI:僕はゲイリー・ムーアです。

――そうなんですねえ。なるほどと思いつつ、意外さが重なっていきます。では、SHUKIさんは?

SHUKI:こだわりなくバラバラなんですけど。ちょっと前は、アメリカやUKの音楽シーンより韓国の方がチャレンジングなことやっているなって耳で、そっちばかり聴いていたり。あらためて昔自分が好きだった音楽を聴くと当時聞いていたときより、音楽知識もあがっているので、自分はこんなポイントが好きだったんだとか発見できましたね。

SHUKI:photo by I Don't Like Mondays.
SHUKI:photo by I Don't Like Mondays.

――具体的には?

SHUKI:えっと、すっごいメタルなんですけど。最近、ダーク・トランキュリティというバンドがアルバムを出してカッコいいなって思いました。あと、XGも面白いことをやっていて好きですね。韓国でポップですけどシオンっていうアーティストもチャレンジングで。自分は独創的な音楽が好きですね。昔はアメリカに憧れを持っていたんですけど、意外と形式的なところがあるなって感じるようになってからは他を探すようになりました。

KENJI:僕はルーツがUKロックで。このバンドをはじめてからはいろいろ聴くようになって、ブラックミュージックやヒップホップだったりとか吸収しながら曲を作っていて。しばらく聴いていなかったんですけど、最近オアシスが再結成することになって、で、レディオヘッドも再始動するとなったときにUKロック好きだったことを思い出して、オアシスを聴いているんですけどあらためて良いなっていう。僕の作曲のルーツにもなっていて。UKでメロがキャッチーなアーティストって他でいなかったので、メロディーラインとか聴き直したら、すごい上手く作っているなって思いましたね。

KENJI:photo by I Don't Like Mondays.
KENJI:photo by I Don't Like Mondays.

――アイドラって、ダンサブルな要素やUSセンスもありつつ、UKロック感もありますもんね。哀愁さもあるし。

KENJI:各々の好きなエッセンスが入ってますよね。

――まさにです。YUさんは?

YU:最近は、相変わらず古いジャズが好きなんでよく聴いているんですけど、最近ハマっているアーティストはオーストラリア出身のシンガー・ソングライター、ジョーダン・ラカイ。あと、ロイル・カーナーというジャジーなラッパー。この2人を知ったきっかけがトム・ミッシュで。フィーチャリングをしていて、そこから聴くようになりました。ジャジーな要素でグルーヴが気持ちよくって。音楽的にもカッコ良いし、なにも考えなくてものれるサウンドにここ数ヶ月ハマっています。

YU:photo by I Don't Like Mondays.
YU:photo by I Don't Like Mondays.

●世界観をこんなに意識したのは初めてかもしれません

photo by I Don't Like Mondays.
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――面白いですね。見事にバラバラだ。アイドラって“らしさ”を見事に確立しているように受け取れるので、逆に影響を受けたバックボーンが良い意味で見えにくかったんです。でも、それぞれに好きな音楽を聞くとやっぱり面白いですねえ。そうすることで、楽曲やライブでの決め所などで、どこかしら影響が見えてきたりするかもしれませんね。

YU:嬉しいですね。

――そして、10月9日に新作EP『FOCUS』がリリースされました。これまでの10年を背負いながらも、これからの未来を見据えた作品へと仕上がりました。ほんとクオリティー高くって1曲目から最高の流れで。タイアップ曲が入りつつも、この7曲で世界観を見事に表していますよね。なんていうかアラカルトではなく塊として聴けることが音楽ファン的にはとても嬉しい作品になったなと。

YU:世界観をこんなに意識したのは初めてかもしれません。自分たちが一番カッコいいと思う曲だけでEPを作ったらどうなるかなって足掛かりが作れて。自分たちが表現したいものはこれだって、それこそ塊として。今までは1曲入魂で、どの曲をシングルで切っても恥ずかしくないことをアルバムとして考えていたんです。今回はガワというか箱の世界観を立ち上げることを最重要に話し合いました。僕らが奏でたいもののなかで、とっちらからないように世界を確立できるようなサウンド感はどこにあるんだろうと議論しながら、デモはたくさんあったので、曲を作っていきました。

【1曲目:Someday】

――実際聴いているとEPというより、アルバムって感覚がありますよね。1曲目“Someday”から目の前の世界が開けて、疾走感を表現されているという。

SHUKI:割と最後の方にできた曲で。ライブを意識したときに、「こういう曲って必要だね!」って。で、「こんな曲をもっと作りたいね!」って、もう1曲同じような曲調のデモを作って。前作の『RUNWAY』ってアルバムの“Umbrella”という曲も同じような立ち位置の曲で。そんな曲調が欲しいなと思いつつ、「“Umbrella”と違うアプローチは何だろう?」となったときに、YUが言っていたように『FOCUS』は、全体の雰囲気出会ったりニオイや質感を大事にしたかったんです。それをもっと色濃く出す曲を作りました。サビ頭が落ちててアコギでみたいなアプローチは初めてで。それこそ去年の末にはじめてEPを作ろうとしたときに「僕らのやるべきサウンドは何だろう? アコギとか入れない方がいいよね?」って話もしてたんですけど、蓋を開けてみたらけっこう入ってるよね?

KENJI:うん、入ってるね。

SHUKI:そこら辺は意外だったんですけど、そこは僕ら、最初に決めたことにとらわれずに柔軟に必要なことをやっていこうと。割とダークだからこそアコギの明るさがちょうどいいバランスに落ち着きました。ドラムは派手な音を意識しがちなんですけど、このバンドの目指すスタイリッシュさがあるのでわりと抑えて、ちょっと地味ぐらいがちょうどいいかなって。何回も聴いて欲しいです。

【2曲目:Shadow】

――続く“Shadow”への流れが絶妙で。せつなさに溶け合う軽快なポップサウンドで素晴らしくて。

YU:曲順的には最後に決めさせてもらって。2曲目が“Shadow”という流れは偶発的に生まれました。ドラマのタイアップ曲(カンテレ・フジテレビ系 10月期 新・月10ドラマ『モンスター』オープニングテーマ)なんですけど、今までだったら制作側からリクエストが多いんだけど、今回はアイドラらしくエッジがあってカッコよければ良いという感じで。なので僕も、これまでもちょくちょく出していた、世の中を斜めに見る視点みたいな、ニヒルでシニカルなリリックのキャラクターを入れてみました。

――なるほどねえ。

YU:僕らは、邦楽と洋楽の垣根を越えていきたいと掲げてやってきて。それが言わずもがな体現できた曲だと思います。日本語だけでも成立しているし、サウンド感と英詞が入ってくるところでもちゃんとグローバルミュージックとして成立しているバランス感覚。それが電波にのってドラマ主題歌になるというのも今の時代だなって。アイドラらしさを、世界観を感じてもらえるナンバーになったんじゃないかな。

【3曲目:Change】

――さらに3曲目は力強さを感じる、アイドラのネクストへ向けた宣言のようなナンバー“Change”。

KENJI:“Change”は比較的最初の方に出来ていて。今回、『FOCUS』というEPを作るにあたって。どちらかというと“Someday”や“Shadow”みたいな、ちょっとダークな世界観の方がこのアルバムのイメージとして強くあったんで。デモができた時点では「ポップすぎるね?」って、そもそも入れるかどうか迷ったんです。でも、「今までのアイドラらしさも踏襲したいね」って話し合って。けっこうメロとかほぼ全とっかえして、サウンドも他の曲にマッチするように調整しつつ、結果ライブで映える楽曲に仕上がりました。

――アイドラの曲の作り方ってどんな感じなんですか?

KENJI:基本的にはみんなで話し合って。

SHUKI:楽器を持つ前に。どこがゴールなのかを共有して。コライトなんですよ。デビュー前からそのやり方をやっていて。当時、コライトって言葉も無くって。さっき話したようにルーツがみんなバラバラなんで4人納得して制作するためには、最初に正解を出してから作った方がいいんじゃないかって。それがずっと変わらずで。バンドでは珍しいと思いますね。

【4曲目:Flower in the rain】

――そして、4曲目は“Flower in the rain”。

SHUKI:これも長年ずっと作りたいねって話していて。

KENJI:ずっと言ってたね。

SHUKI:今回、こういうEPのコンセプトなんで重厚感ある世界観ある曲をライブでやりたいよねって意識して。でも、なかなか出来なくって。試行錯誤して生まれました。

CHOJI:自分の中にあるアート性をうまく表現できたというか。10年前だったら、こんなアプローチは出来なかったかもなって。景色が変わっていくことを表現できるのがギターだったので、そんなフレージングを聴いて欲しいですね。

――ギターがカッコ良いシューゲイザー的なサウンドで。

CHOJI:ありがとうございます。ギターの録りの段階もなんですけど、録った跡も滲ませたりとかミックスの工程までこだわって。リバーブ感って難しくって、パッドとストリングスとギターのリバーブがぶつかると相殺し合うっていうか。そこもこだわって仕上げましたね。

【5曲目:Sunset Girl】

――そして“Sunset Girl”は、ほんと今年イチ、あ、僕の場合、今年イチが何曲かあるんですけど(苦笑)。ほんと大名曲で。ヤバいですよね。

SHUKI:これはEPの全体が見えてきたなかで、ちょっと1曲、力を抜いて歌だけが記憶に残るようなシンプルな曲を作ろうって歌メロ重視で作って。後ろのトラックもなるべく歌を邪魔しないことを意識して。僕のドラムパターンもここまで歌に寄り添ったのは初でした。振り切って、ミックスだったり音作りも歌を邪魔しないようにしました。

KENJI:“Sunset Girl”の2Aのおしりなんですけど、ベーシックとしてキックに合わせたリズムで最後まで進行していくんですけど、CHOJIがリファレンスを持ってきて。「なんか仕掛け出来ないかな?」って。ループっぽい感じで頭から続いているので「ちょっとトリッキーなこと欲しいよね?」みたいな感じで。自宅で頭悩ませていたんですけど、急に2Aの最後のところだけ四分を強く出すみたいなグルーヴ感があって。その違和感を成立させるのに時間がかかったのでこだわりポイントとして聴いて欲しいですね。

――マニアックだ。でも気になりますね。YUさんは?

YU:デモが出来た段階では夏曲にしようとは決まっていなかったんですけど、ちょっとネタバレになっちゃうんですけど大瀧詠一さんのアルバム『A LONG VACATION』のジャケットアートワークのイメージから浮かんできて。ぱっと見、海なんですけど、よく見ると海があって手前にプールがあるイラストで。この80年台な雰囲気がいいなって。オシャレで懐かしい匂いのするサウンド感、そんなサマーソングをと思ったらスラスラとハマって。まさにサンセットガールだなって。

――うんうん。今、TikTokやインスタなどCGMの時代で、リスナーやユーザーが自分の投稿で音楽を合わせたりしますけど、切なくポップなメロディーは記憶を呼び起こしてくれますよね。いろんな方に刺さる曲です。これがEPの中に入ってくるんだからアイドラ、すげえなって。

一同:ありがとうございます(笑)。

【6曲目:Lonely Dancers】

――そして、ここからよりダンサブルな展開、“Lonely Dancers”へ開けていく。

KENJI:これは、『KATEラッシュマキシマイザー2.0』のWEB CMソングで。KATEは、ダークでクールな印象、そのイメージを出して欲しいというオーダーだったので。僕らのなかにある一面を出しました。今回ほぼ生ベースを弾いているんですけど、この曲だけシンセベースでダークな音で引っ張って演出しています。

【7曲目:New York, New York】

――そして、EPを締めくくる7曲目がビートの効いたロックチューン“New York, New York”。ライブで盛り上がるタイプの曲です。作られたのはちょっと前なのかな?

YU:そうですね。10周年の第一弾として作った配信シングルです。僕らはコライトで曲を作るんですけど。ガチガチにメロディーを考えすぎて作っていくのではなく、抜け感がもっとあった方が僕らよくなるよねって話し合って。直感に身をまかして作ってみようと。この曲は珍しくSHUKIがはじめメモ書き程度にメロディーを録音したのをKENJIが加わって、それがデータとして残っていて。みんなでどんな曲を作ろうかってときにラインナップにあって。今までだったらもう少し考えようかって感じだったんだけど、今回のアルバムのコンセプトから離れないんじゃないかなってトライしてみようってスタートして。結果、うまくいってメモリアルな曲になりました。

SHUKI:当時、こんな曲を作りたいっていうのは話し合っていて。でも、頭で考えすぎて何が正解なのかなっていうときに、チャリで作曲小屋へ向かっていた途中にワンコーラス降りてきて。かなりイレギュラーな作り方で。でも、バンドサウンドでいきたいって軸が固まっていたからこそ出来た曲なんです。それで逆に勇気もらえてもっとバンドサウンドにいこうってなりました。

●自分たちがやりたいことにフォーカスしていく

photo by I Don't Like Mondays.
photo by I Don't Like Mondays.

――ありがとうございます。こうして10周年を記念した全7曲のEP作品のお話を伺ってきましたが、EPタイトル『FOCUS』へ込められた意味も深そうですよね?

YU:最近アルバムのタイトルを決める時はオールスタッフで会議してやってたんですけど、10周年ということもあって。原点回帰じゃないですけど1回、4人だけで考えてみようと。みんなで代官山の蔦屋書店に集まって。何時に上のカフェに集合ねって、コーヒーだったりお酒飲みながら各自キーワードを探したんです。

――なるほど。無意識の意識化ですね。

YU:そしてこの4人でディスカッションしながら。そこで、僕らはやっぱりこんなバンドになっていきたいよねって話にもなって。わりと満場一致で『FOCUS』というタイトルになって。「俺も思ってた!」、「俺も思ってた!」って感じで。バンドが10年いろんなことをやってきた上で集中していく。自分たちがやりたいことにフォーカスしていく。そして表現していきたいものへ迷いなく突っ走れるなって思ったので、焦点だったり集中していくという意味合い。あとは字面的にもカッコよいクリエイティブになりそうだなってタイトルになりました。

――グローバルへの道が開けてきたJ-POPの音楽シーンだと思いますが、アイドラにはTVアニメ『ONE PIECE』の主題歌となった“PAINT”という武器もあります。海外での活動もこれまで活発に行われてきました。今後へ向けて、どんな夢や野望などありますか?

YU:10年目にして新たなスタート地点に立てたと思っています。ここからじゃないですか? そんなフレッシュな気持ちでこの先10年、20年やっていきたいと思います。

I Don't Like Mondays. オフシャルサイト

https://idlms.com

I Don’t Like Mondays. “FOCUS”ASIA TOUR

https://l-tike.com/concert/mevent/?mid=519691

音楽コンシェルジュ

happy dragon.LLC 代表 / Yahoo!ニュース、Spotify、fm yokohama、J-WAVE、ビルボードジャパン、ROCKIN’ON JAPANなどで、書いたり喋ったり考えたり。……WEBサービスのスタートアップ、アーティストのプロデュースやプランニングなども。著書『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)布袋寅泰、DREAMS COME TRUE、TM NETWORKのツアーパンフ執筆。SMAP公式タブロイド風新聞、『別冊カドカワ 布袋寅泰』、『小室哲哉ぴあ TM編&TK編、globe編』、『氷室京介ぴあ』、『ケツメイシぴあ』など

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