消費増税前に買うべきもの、買わなくてもよいもの
2014年4月に消費税率は8%に上がる予定です。総務省の家計調査(平成24年度)のデータを参考に月の消費支出別に負担がどれくらい増えるのか試算したところ、消費税が3%上がると多くの家庭では月5000円前後の負担増が予測されます。例えば、1ヵ月の消費支出(貯金や貯蓄型の保険を除く)が約19万6000円の家計の場合、消費税が8%時には月4740円(10%時に月7899円)の負担増になりそうです。
1ヵ月の消費支出が約28万5000円の家計の場合、消費税が8%時には月6869円(10%時に月1万1448円)の負担増が予測されます。
消費税は国内でモノやサービスを購入する際に、一部の支出を除くほとんどのケースでかかります。家賃や住宅ローン、保険料、健康保険の対象となる医療費や出産費用など政策的な配慮のある一部の支出は非課税となります。
多くのモノやサービスの値段が上がる前に買い込んでおきたいと思う人もいるでしょう。しかし、2014年4月以降に値段が下がりそうなモノまで買う必要はありません。値崩れしにくいかどうかを一つの判断材料にするとよいでしょう。また、購入予定のなかったモノまで買ってしまい支出を増やしてしまうのは避けたいところ。比較的値段が崩れにくく、購入予定があるものは前倒しをしてもよいでしょう。
消費増税前に買うべきもの
前倒しを検討すべきもののなかでも急いだほうがよいモノもあります。契約から引き渡しまでに時間がかかるモノです。例えば、リフォーム、新車、呉服などです。リフォームや呉服はすでに駆け込みが増えているようです。デパートに取材したところ、呉服は2015年の成人式に向けての注文も入っているそうです。また、新車もナンバープレートの登録などに時間がかかります。年末などの決算期は値引き交渉も比較的しやすく、年始は初売りセールが行われることもありますので、購入予定がある人は年末年始を狙うのも手でしょう。
値段の崩れにくい白物家電(冷蔵庫、洗濯機)やブランド家電なども年末年始にチェックしてもよいでしょう。大手家電量販店の多くは例年、年末に特定商品限定でポイント還元率アップがあったりします。
その他、雑誌の定期購読、電車の定期券、航空券、チケット類なども予定がある人は前倒してもよいですね。下着(ショーツ、ストッキング)、ハンカチ、オールシーズン着ることのできる定番のスーツ、鞄なども冬のバーゲンなども活用させながら購入しておいてもよいかもしれません。
買わなくてもよいもの
反対に急いで買わなくてもよい物は値崩れが激しいモノになります。例えば、パソコンやテレビなどのAV機器です。パソコンは一般に白物家電と比べて商品が入れ替わるサイクルが早く、1年経つと性能が大きく変わると言われています。テレビも4Kテレビなどが出そろってきましたが、まだ値段が高いです。一般家庭に浸透する頃になれば値段も下がる可能性が高いので待ってもよいでしょう。また、白物家電のなかでもエアコンは季節性があり、冬期や夏期の終わりに機種代金も工事費用も安くなる傾向があります。年末に納得がいく値段の商品が見つからないのなら、3月まで待ってもよいかもしれません。
トイレットペーパーなどの日用品や調味料や缶詰などの保存食はどうでしょうか。トイレットペーパーなどの日用品はスーパー、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販店などで客引きのための目玉商品になっていることも多いです。調味料や水などもスーパーなどで特売になることがよくありますね。こうした、特売などになりやすい商品は増税後も引き続き安く手に入る可能性が高いです。そのために大量に買い込む必要はないでしょう。
また、図書券や商品券を買い込もうとしている人も多いですが、金券類は購入時には税金がかかりません。そのため、買い込む必要は全くありません。
ちなみにボーナス払いや分割払いにして支払いを後払いにしたとしても、購入時の税率が適用されます。ただし、将来のお金を先食いすると、ただでさえ増税で負担が増える家計がさらに苦しくなることに。前倒しで購入するモノの資金繰りは冬のボーナスも活用しながらやりくりするとよさそうですね。