不安神経症を発症しやすい人の「共通点」と不安をコントロールするための方法について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
通常感じる不安とは違い、病的な不安に苛まれる病として「不安神経症」というものがあります。
不安神経症にはいくつか種類があり、特定のものを強く恐れる「限局性恐怖症」や人と会うことに恐怖を感じる「社交不安症」、急性の強い不安発作(パニック発作)が特徴の「パニック症」、常に不安感が持続する「全般不安症」などが、代表的なものです。
いずれの病も原因がはっきりとはしておらず、遺伝的要因、環境的要因、性格的要因、生物学的要因などが複雑に関係しているものと考えられています。
不安神経症は単体で発症するというよりも、他の病と併発しやすいとされているため、「たんなる不安」として適切な治療をせずにいると、重症化してしまうリスクが高くなります。
そこで今回は「不安」に対する知見を深め、不安神経症を予防するためにも不安のコントロールの仕方について学びたいと思います。
不安はいつ問題になるか?
不安そのものは正常の反応であり、誰にでも起こるものです。
不安を感じている時、体内の臓器は動きを速め、その結果として身体感覚としては筋肉の緊張、発汗、震え、呼吸が浅くなる、胃部不快感、心拍不整…などが起こります。
また、心理感覚としては、何となく元気がなくなる、追い詰められたような感じになる、心配になる、ハラハラする…など、落ち着きがなくなります。
しかし、これらの症状を感じることで物事が良い方向へ向かう場合があります。
たとえば、行動のスピードを速め、自分の処理能力を高めるなど、困難に直面した時にいつも以上に能力を高めてくれます。
不安が問題となってくるのは、実際の不安に対する対象を伴わない時に感じるストレスが、過ぎ去った後まで不安が継続する時です。
そして、生活をする中でネガティブなことばかいりに気が向くようになり、生きづらさを感じることにつながります。
「不安神経症」になりやすい人の共通点とは?
不安神経症の発症要因は1つには特定できず、先述した通りさまざまな要因が絡み合って発症に至るとされていますが、では、どのような人が不安神経症を発症しやすいのでしょうか?
共通するものとしては、以下の通りです。
・男女比はどちらかというと、女性の方が多いですが社交不安症に関しては、男性の方がやや多いと言われています。
・真面目で几帳面、完璧を求める人
・小さなことを気にしてしまう人
・感情のコントロールができず、ストレス発散が苦手な人
・何事も敏感に反応しやすい人
不安のコントロールの仕方とは?
もしかしたら、不安はコントロールできないと思っている人も少なくないのではないでしょうか。
不安は自身でコントロールすることで、思考や行動を変えることができます。
不安からくる不快な症状を軽減させるには、何をすれば良いのか?普段から努めて考えることが求められます。
では、日常で沸き起こる不安や、緊張状態に置かれた時に強く感じる不安を緩和させるには、どのような対処が必要なのでしょうか?
・身体的にも精神的にもリラックスする方法を選択する
身体的にはリラックスできていても、動揺したり心配したりがおさまらない人がいます。
つまり、心がリラックスできていない状態だと言えるでしょう。
たとえば、ゴロゴロしているのに仕事が気になる、瞑想をしているのに頭の中がいっぱい…などといった場合には、思考やイメージをリラックスさせて、改善することが求められます。
まずは、完全にリラックスできる情景をいくつか書き出してみましょう。
ペットを撫でながらテレビを見る、好きな音楽を聴きながら寝転ぶ、公園のベンチで読書を楽しむなど、いくつかイメージし考えてみましょう。
オフの時には意識的にこれらを実践することで、リラックス効果が高まりストレスの発散につながるかと思います。
・不安状態の時のリラックス法を持っておく
不安状態に置かれた時のリラックス法として、効果的なことは
1肩の力を抜く
2身体の一部をリラックスさせる
3楽な姿勢をとる
4ゆっくり呼吸する
5「落ち着け」と自分自身に言い聞かせる
などがあります。
ただし、急にできるようになるものではありません。
まずは静かな落ち着いた環境で、リラックスができるようになることが先決です。
リラックス法を習得するには、時間がかかることを心に留め、焦り過ぎないように日ごろから練習していきましょう。
・注意を拡散させる
緊張したり何かを心配したりしている時に、その対象について考えないように努めるのは極めて困難なことです。
しかし、それらについて考えると、余計に気分が悪くなっていき、不安の悪循環を促進してしまいます。
そこで、そうならないためにも何か他のことで心を占領する、つまり注意の拡散をする必要があります。
有効とされている方法としては以下の通りです。
・体を動かす
・計算したり文章を考えたりなど、精神的な活動をしてみる
・興味があるものに注意を向ける
まとめ
今回は不安神経症の予防のために、不安に関する知見を深めました。
普段から、不安をコントロールする方法を念頭に入れ、取り入れることでストレス発散やリフレッシュができるようになるかと思います。
今回紹介した内容をぜひ、参考にしてみて下さいね。
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