特急ひたち号の仙台延長は今年3度目!?度重なる東北新幹線の運転見合わせで「存在感を増す迂回路」常磐線
2024年9月17日8時7分ころ、東北新幹線で運行されている「はやぶさ・こまち6号」が古川―仙台間の線路上で、連結している車両が分離して緊急停車したことは、記事(新幹線が走行中に分離!? 問題があった東北新幹線「はやぶさ・こまち6号」とは、どのような列車なのか)でも解説した。
これに伴い、東北新幹線が東京―新青森間の全区間の上下線で運転を見合わせる事態となり、東京から東北方面の都市間輸送は一時的にマヒした。JR東日本はこれにともなって、普段は品川―いわき間を常磐線経由で運行する「特急ひたち号」の1往復をいわき—仙台間で延長運転をすることになった。
3往復の仙台行「特急ひたち号」を補完
延長運転の対象となったのは、品川駅を10時45分に発車するいわき行の「特急ひたち9号」といわき駅を18時18分に発車する「特急ひたち26号」を16時5分仙台発に変更。いわき—仙台間は全席自由席の臨時快速列車として運行され、乗車券のみで利用できるとされた。
特急ひたち号は、常磐線経由で品川―仙台間を直通する列車が1日3往復設定されており、品川駅からは7時43分発の「ひたち3号」、12時45分発の「ひたち13号」、16時45分発の「ひたち21号」、仙台駅からは8時48分発の「ひたち12号」、14時16分発の「ひたち22号」、18時2分発の「ひたち30号」で、いわき—仙台間で延長運転された臨時快速列車はこれらの定期快速列車を補完する形となった。
「特急ひたち号」の延長運転は今年は3回目
今回の東北新幹線の車両分離による東北新幹線での運転見合わせは約5時間続いたが、13時12分から運転が再開された。しかし、近年、東北新幹線の運転見合わせにより常磐線が迂回ルートとして活用される機会が増えており、2024年に入ってからは筆者が記憶している限りではこれが3度目となる。
まずは今年1月23日、さいたま市内での架線トラブルにより東北新幹線の東京―仙台間、上越新幹線の東京―越後湯沢間、北陸新幹線の東京―長野間の上下線が停電し、いずれも運転見合わせとなった。このときは品川10時45分発いわき行の「ひたち9号」が仙台駅まで臨時快速列車として運行。いわき16時18分発の「ひたち22号」が仙台発に変更されいわき駅まで臨時快速列車として運行された。
さらに、4月2日に福島駅構内で工事車両が故障した影響で東京―仙台間が運転見合わせになった際にも「ひたち9号」と「ひたち26号」がいわき—仙台間を臨時快速列車として運行された。
昨今、東北新幹線のトラブルにより運休となる頻度が増えているように感じられることから、東京―仙台間の東北新幹線にトラブルがあった際に、常磐線の迂回ルートとしての重要度が増しているようだ。
なお、筆者は先日、品川ー仙台間を定期列車の「特急ひたち3号」で乗り通しているが、その時の様子は記事(東京―仙台間の新幹線が満席だと!? 5時間近くかかる仙台行「特急ひたち号」に乗ったら意外に快適だった)で紹介している。
(了)