卒業直前で「人生詰んだ」と嘆く前に~NNT(無い内定)でも逆転できるライフハック
◆6万人が「しくじり就活」
2月もそろそろ終わり、大学は卒業式シーズンを迎えます。多くの4年生は就職(もしくは大学院などへの進学)を前に、感慨深いことでしょう。
そんな中、暗い気持ちになっている4年生もいます。他でもない、就活に失敗し未内定状態、「NNT(無い内定)」の4年生です。
これまでは大学という所属がありました。それが卒業すると、「無職」ということになってしまいます。
しかも、周囲を見渡すと、ゼミやアルバイト先の4年生も大半が就職先か進学先が決まっている状態。何しろ、コロナ禍以降も売り手市場が継続、2022年卒の就職率(学校基本調査・「卒業生に占める就職者の割合」)74.5%、コロナ禍前の2019年とほぼ同水準(78.0%/過去最低は2003年の55.1%)でした。2023年卒のデータはまだ出ていませんが、2022年卒よりも上回ることが予想されています。
「自分1人だけ未内定なんて、人生詰んだ…」
そう、落ち込むのも無理はありません。
未内定のまま、卒業する学生は例年、5万人から6万人近くいます。
文部科学省・学校基本調査の卒業者データでは就職、進学、臨床研修医などの詳細を出しています。このデータで「左記以外の者」「不詳・死亡の者」というカテゴリーがあります。
前者については「進学でも就職でもないことが明らかな者である(進学準備中の者、就職準備中の者、家事の手伝いなど)」と、文部科学省は定義しています。
もちろん、進学準備や家業継承者などもいるでしょう。が、このカテゴリーと「不詳・死亡の者」の相当数が就活に失敗したまま卒業した、と見る方が自然でしょう。
この「左記以外の者」「不詳・死亡の者」の合算した数は2022年で5万6547人でした。この割合を「進路未定率」とすれば、2022年は9.6%です。
この「進路未定率」は就職状況が好調であれば下がり、氷河期であれば上がります。
表にまとめたように、バブル期の1990年は空前の売り手市場とされていました。この年の「進路未定率」は9.5%。これが就職氷河期の2001年には28.2%と戦後最高となります。
その後、2010年代に入り、売り手市場となり、現在まで続きます。2019年には7.3%と、2000年代では過去最低の7.3%となりました。
過去のデータを見ていくと、2022年卒の9.6%はそこまで高いわけではありません。2023年卒もこれと同程度になることが予想されます。
とは言え、今年も5万ないし6万人近い学生は内定先がないまま、卒業を迎えようとしているのです。
◆NNTの原因は「行動量の少なさ」「やりがい信仰」「高望み」
この5万ないし6万人の未内定学生は、何が敗因だったのでしょうか。
考えられるのは3点、「行動量の少なさ」「起業・やりがい信仰」「高望み」の3点です。
まず、1点目、具体的にはインターンシップ・セミナーや合同説明会、あるいは選考です。
就職情報会社マイナビの「2022年度 マイナビ既卒者の就職活動に関する調査」によりますと、既卒者の「在学中の活動の反省点」(複数回答)では「スタートが遅かった(就職活動に十分な時間が取れなかった)」が1位(47.3%)、「エントリー社数やセミナー参加社数が少なかった」が5位(35.1%)に、それぞれ入っています。
同じ調査で2019年度では、インターンシップ参加経験の有無についての設問もあります。
「在学中、卒業後とも参加した」は3.4%、「在学中、卒業後とも参加したことはない」は55.3%。こうしたデータから、行動量の少なさが就活で苦戦につながっていることを示しています。
2点目の「やりがい信仰」、これは「やってみたいことがない」「どんな仕事が向いているのか、分からない」などです。
自己分析が不十分だった、とも言えるでしょう。では、なぜ「やりがい信仰」か、と言えば、「仕事をするからには、やりがいを感じるものでなければ」と頑なに考えているからです。
1点目でも出したマイナビ調査では「在学中の活動の反省点」において、やりがい信仰と関連の項目が上位に入っています。
具体的には、「自己分析が不十分だった(自分のやりたい事やできることが良く分からなかった)」が2位(42.7%)、「業界研究・企業研究が不十分だった(行きたい業界・企業が見つけられなかった)」が3位(38.4%)でした。
内定に至る就活生は、この自己分析がきちんとできているか、あるいは自己分析が不十分でも「やりがい信仰」には陥っていません。特に後者は「やりがいを感じるかは分からないが、ひとまずやってみよう」「合わなければ、転職すればいいし」と、いい意味でいい加減なのです。
ところが、未内定の就活生は、このいい加減さを受容できない人が内定者に比べて多くなります。
「就職して合わなければ、どうしよう…」
いやいや、合う合わないの前に、他に心配することない?
なお、この「やりがい信仰」の変化球パターンが「起業したい」です。
起業志望の就活生はいますし、その起業志望を否定するものではありません。実際にうまく行く起業もあります。では、「やりがい信仰」の変化球パターンがなぜ起業か、と言えば、志望ばかりで、地に足ついた話ではないからです。
起業というからには、どんなビジネスを展開するのか、そのビジネスを利用するユーザーはどんなメリットがあるのか、そもそも資金は、など、考えなければならないことは山のようにあります。
起業に成功する大学生は、この考えるべきことをきちんと考えて(資金は、親から借りる、もあり)、前に進めています。
一方、起業志望でも、「就活はイヤだから起業でもするか」「起業したいけど何をすればいいか分からない」レベルでとどまる大学生もいます。これ、真面目に起業を考えている大学生からすれば一緒にされたくないでしょう。私も同感です。こうした、自称・起業志望の大学生は、「やりがい信仰」の就活生とほぼ同じです。
3点目の「高望み」、これは文字通り、有名企業、大企業ばかり狙いすぎることを意味します。
有名企業や大企業は、当然ながら、志望する就活生が多く、激戦となります。そのため、就活生には高スペックが求められます。それと、そこまで有名でない(あるいは大きくはない)としても、相応の関連知識は問われます。
ところが、高望みする就活生はスペックも知識も身に付いていません。
以前に取材した例では、証券会社志望と言いつつ、上場企業も株価欄の読み方も理解していない就活生がいました。捏造、と思われるかもしれませんが、実話です。付言すれば、総合職志望でした。
有名企業や大企業を目指すのであれば、どれくらいのスペックが必要か、どれくらいの知識が必要か、ちょっと調べれば出てくるはず。
以上、3点が未内定のまま、卒業する(あるいは卒業を迎えようとする)就活生の特徴です。
◆既卒・就職浪人・就職留年は何が違う?
未内定の就活生は、就職浪人として就活を続けるか、それとも、学籍を残しての就職留年か、悩みます。
ここでは、新卒・既卒・第二新卒と就職浪人・就職留年の違いについて、それぞれ、解説します。
新卒は、大学等を卒業予定の学生を指します。
これに対して、既卒は、内定がないまま卒業し、就業経験のない人のことを指すのが一般的です。この、既卒の定義は企業によっても異なります。
一方、第二新卒は、大学等を卒業後、一度就職し、3年以内に転職を考える若手社会人を指すことが一般的です。
なお、政府は2010年から、新卒の定義を「卒業後、3年以内」としています(若者雇用促進法)。
そのため、後述しますが、リクナビ・マイナビ等の就職情報サイトでは、卒業した既卒者でも登録できるようになっています。
次に、就職浪人と就職留年について。
就職浪人は、大学等を卒業後、就活を継続することです。既卒とほぼ同じ、と言ってもいいでしょう。
これに対して、就職留年は、卒業単位が足りていても、わざと留年。学籍を大学に残して就活を継続することを指します。
◆就職留年・就職浪人ともデメリットあり
就職留年と就職浪人、どちらがいいかは難しいところです。
就職留年は、大学に在籍している、という安心感があることは確かです。
ただし、卒業が伸びる分、学費等は発生します。
就職浪人は、就職留年と異なり、学費がかかるわけではありません。ただし、どこにも所属していない、という孤独感・孤立感を強く感じることになります。
余談ですが、私は卒業後に、派遣社員として営業補助の仕事を3年続け、その後、編集プロダクションに転職しました。半年間、アルバイト採用後に正社員に昇格。これで人並みに社会保険料が払えると思いきや、4カ月目にクビ宣告・退職金なし、という超ブラック企業でした。「法廷で会いましょうか?」と逆に脅して退職金は勝ち取ったものの、退職して「仕事せずにゆっくりできる」とのらくらできたのは、いいところ、3日程度。あとはもう、「周囲は真面目に働いているのに、俺は無職で…」という孤独感で押しつぶされそうになりました。あれから、21年、経ちましたが、あの孤独感と恐怖感はいまだに忘れていません。
話を就職留年・就職浪人の違いについて戻します。
就職留年・就職浪人とも、新卒者に比べて、1年間をロスしてしまうことには変わりありません。
私のようなフリーランスであればともかく、会社員であれば、この1年のロスを埋めるのは相当な困難が伴います。
私は、起業やフリーランスを志向していても、条件を下げてでも、ひとまず就職することを強くお勧めします。
◆ライフハック・1~大学キャリセンを使え
では、未内定のまま卒業式を迎えようとする4年生はどうすればいいか、5点(と番外)をご紹介します。
まず、1点目、大学キャリアセンターの利用です。
いまどき、国公立・私立問わず、どの大学も就職率を気にする時代です。
未内定の4年生や既卒者に対しても、就職相談などの支援をしないわけがありません。
それと、4年生6月以降や既卒者向けの求人は企業からすれば、なるべく費用をかけたくありません。そこで、無料で利用できる大学キャリアセンターや次で説明する、新卒応援ハローワークに求人を出します。
未内定の就活生からすれば、後輩が出入りする中、利用しづらいかもしれません。ですが、就活生の想像以上に、未内定の4年生・既卒者向けの求人が充実しています。
◆ライフハック・2~新卒応援ハローワークを使い倒せ
2点目は新卒応援ハローワークです。
ハローワークは公共職業安定所の通称であり、国(厚生労働省)が運営する、「総合的雇用サービス機関」(厚生労働省サイトより)です。
このハローワークは全国で約500カ所あり、若年者から高齢者まで幅広く対応しています。
このハローワークの中でも、大学等を卒業後3年以内を対象としているのが、新卒応援ハローワークです。各都道府県に最低1か所あり、全国では56か所あります。
大学のキャリアセンターには、勧められても行きづらい、ということであれば、この新卒応援ハローワークを利用するといいでしょう。
就職支援ナビゲーター(キャリアコンサルタントや人事経験者など)が付き、企業紹介や就職相談、エントリーシート添削、面接練習などもしてくれます。
東京都だと新宿(他に八王子にも設置)、大阪府だと梅田(阪急グランドビル)、福岡県だと天神(他に小倉と八幡にも設置)など、ターミナル駅周辺にあります。
なお、20代ないし35歳未満だと、わかものハローワーク(全国22か所)、ハローワーク内のわかもの支援コーナー・わかもの支援窓口(全国195か所)が対象となります。
この新卒応援ハローワークの支援内容、番外でご紹介する就職エージェントとほぼ同じです。違いは、新卒応援ハローワークは強引な企業推奨などがない点でしょう。
後述しますが、就職エージェントの一部は、強引な企業推奨があり、トラブルになることもあります。その点、新卒応援ハローワークは、そうしたトラブルがほぼなく、安心できます。
新卒応援ハローワークと似たところでは地方自治体の就職相談窓口などもいいでしょう。
◆ライフハック・3~24卒サイトの登録・合説の参加を
3点目は、24卒サイトへの登録です。
未内定の4年生は、就職情報サイトを登録していますが、それは3年次の話。
2023年卒向けサイトだと、リクナビは3月6日17時、マイナビは3月10日16時、キャリタスは3月17日17時30分に、それぞれ、クローズとなります。
あさがくナビ、ワンキャリア、ブンナビ、ダイヤモンドナビなどは不明でしたが、ほぼ同じ時期でしょう。
未内定のまま卒業を迎える4年生は「就職情報サイトにも見放されたか」と思うでしょうけど、そうではありません。
リクナビ・マイナビ・キャリタス、いずれも、注意書きに「24卒サイトへの登録を」と出ています。
前記のように、国の方針として、新卒は卒業3年以内という扱いであり、その採用を企業にも要請しています。
そのため、24卒サイトでも既卒者を採用の対象とする企業の掲載をしているのです。
同じく、3月1日からは、24卒の合同説明会や企業説明会が開催されていきます。こちらも、参加するといいでしょう。
◆ライフハック・4~雇用や経済ニュースに関心を持て
4点目はニュースについてです。
これも就活で苦戦する学生の特徴なのですが、情報が限定される、フィルターバブルに陥っています。
未内定の就活生だと、「コロナで就活は氷河期だ」とか「若者に冷たい社会」だのと、勝手に思い込みがちです。
確かに、就活で苦戦すれば、疎外感を覚えるのは無理もありません。
ただ、ちょっと雇用や経済ニュースに関心を向ければ、人不足の業界の話などはいくらでも出てきます。
具体的には、トラックやタクシーなどの陸運、ホテル・観光、航空関連などです。
特にタクシー、ホテル・観光や航空関連は、いずれもコロナ禍の影響を大きく受け、一時はリストラが大幅に進みました。
そのコロナ禍が昨年から収まりだし、観光・移動需要が回復していきます。本来なら需要が回復すれば歓迎すべきところ、リストラが進んだ影響で今度は人不足に。
先日、福岡の23卒就活生と話す機会があり、自動車が好きとのこと。
それで、クローズ目前のリクナビ2023で「福岡 ドライバー」で検索したところ、説明会開催中の企業が8社、ヒットしました。
福岡と言えば、福岡空港で保安検査員が不足していることから搭乗前に混雑することで話題になっています。
その福岡空港では1月に空港内で関連企業の合同説明会を実施。14社参加(NHK記事)で570人参加(AVIATIONWIRE記事)、これは参加者低迷に悩む合同説明会としてはかなりの高成績です。
地方の合同説明会だと参加企業数と参加社数が同じでもまずまず。3倍超えれば(参加企業数50社なら150人)かなり良く、5倍超なら奇跡と言われる時代です。
この福岡空港合説、3月18日も開催とのこと(2月28日に専用サイトをオープン)。
こうした情報に目を向けていくと、違った景色が見られるはずです。
◆ライフハック・5~やりがいにこだわりすぎるな(起業志望も)
5点目は、やりがい信仰からの脱却です。やりがいを感じる、自分に向いている仕事がしたい、そう考えるのはいいでしょう。実際に、若いうちから、その通りになる人もいます。
社会的にも注目されるスポーツ選手やタレント・芸能人などがその典型でしょう。
ただし、こうしたスポーツ選手やタレント・芸能人は、早いうちから(人によっては小学生ごろから)その進路を選択。さらに努力を重ねて、厳しい競争の中で勝ち残った人です。
そうした人と同じキャリアを歩もうとしても、無理があります。
それと、仕事は、最初からきっちり決めずとも、やりながら向いていることに気付く、あるいは、やりがいを感じることもあります。
就活で苦戦したのであれば、やりがい信仰にこだわり続けるよりも、ひとまずは就職してみたらどうでしょうか。それで数年働いて(1カ月でも1年でも可)、向いていなければ転職すればいいのです。
それと、起業志望であれば、やりがいがどうこう以前に、「多少、仕事がきつくても稼げる仕事で稼いで開業資金を貯める」、これが重要です。起業で成功した人の王道ルートでもあり、たとえば、居酒屋や福祉・宅食サービスなどを展開するワタミの創業者、渡邉美樹は、佐川急便のドライバーとして働いて開業資金を貯めたことは有名なエピソードです。
◆ライフハック・番外~エージェントよりは既卒者向けサービス
番外としては、就職エージェントを挙げておきましょう。
既卒者向けの他の記事では、この就職エージェントの利用を勧める記事が多くありました。
就職エージェントは利用者は利用料が発生しない、就職サービスです。
利用者は、専門のエージェントに就活相談もできますし、エントリーシート添削などもしてくれます。そのエージェントから企業を紹介され、マッチングすれば内定・入社となります。
一方、サービス利用の企業は、紹介された利用者と面接。マッチングするまで何人とでも面接することができます。そのあいだの費用は発生しません。内定・入社まで行くと、給料の数か月(ないし半年程度)分の給料と同等額をエージェントに支払うことになります。
この就職エージェント、元は社会人転職ではよくある話でした。それが、2010年代以降に拡大、現在ではリクナビ・マイナビ・キャリタスなどの大手就職情報会社も含め、参入企業が乱立している状態です。
リクルート就職みらい研究所の調査(「就職白書2022」)で「応募した(する予定)企業の採用活動の方法・形態」(学生)では、「人材紹介サービスを通じた採用」が13.7%(4位)となりました。
今後も拡大していく見込みです。
この就職エージェント、利用企業が時期により、大きく変わります。具体的には3年生夏頃までは学生の意識の高さを買って、外資系など好条件企業が多くあります。それが4年生6月以降だと、好条件企業が一気に減っていきます。
採用で苦戦する飲食、サービス、ホテル・観光関連の企業が増えていきますが、それって、先にご紹介した、大学キャリアセンターや新卒応援ハローワークなどでも紹介してくれるところがほとんど。
それと、就職エージェントの場合、特に独立系のところが、大学キャリアセンターからの評判がきわめて悪いのです。
「そこまで志望していない企業を無理に紹介したり、内定承諾を迫って、学生がキャリアセンターに泣きつくトラブルがここ数年、増えた。大手就職情報会社が運営している就職エージェントだと、そこまで無理な話は聞かないが。それでも、トラブルが多すぎる就職エージェントは好きになれない」(関西・私立大学キャリアセンター職員)
就職エージェントよりは、既卒者向けの就職サービス(エージェント含む)を展開している企業の方が、既卒者の対応に慣れているのでいいのではないでしょうか。
【既卒者向けの就職サービス】
◆就職留年者のライフハック~中盤以降落ち企業は捨てろ
最後に、すでに就職留年を決めた方へのライフハックをまとめます。
具体的には、「中盤ないし終盤で落ちた企業は諦めて他をあたる」「志望業界をITなどにも広げて検討する」の2点。
まず、1点目について。就活で前年の失敗をリベンジしたい、と考える方はショックかもしれません。
就職留年の就活生がよく誤解しているのが、大学受験浪人と同じ、という点です。
大学受験浪人だと、現役生よりも浪人期間の分だけ勉強するので合格しやすくなる、と考えられています。
そんなの人にもよりますが、そうなる浪人生が一定数、いることは確かです。
では、この大学受験浪人と同じ理屈が就活に当てはまるか、残念ながら実態はそうではありません。
序盤の選考において、適性検査のスコアが低かった、あるいは面接やエントリーシートで自分のことをうまく表現できなかった、などは、就職留年者の方が慣れています。そうした序盤の選考で落ちた企業であれば、再応募をして、内定まで行きつくこともあるでしょう。
ところが、中盤ないし終盤の面接で落ちた、となると話が変わります。
中盤の面接だと課長・部長クラス、終盤だと役員や社長が面接を担当します。前年にその面接で落ちた、ということは、課長・部長や役員クラスの判断を覆すことになります。
その判断を覆すのは、ハラスメント行為が含んでいない限り、ピラミッド型の組織では相当、難しいものがあります。
それと、中盤以降の選考では、学生の優秀さなどは序盤の選考である程度、担保されている状態です。そのうえで、その企業とマッチングするかどうかなどを判断するために面接を実施します。
その選考で落ちた以上、「優秀なことは分かるけど、うちには合わないよね」で終わりなのです。これは大学受験と同じように勉強量を重ねれば受かる、というものではありません。企業からすれば、「何度受けても、うちには合わないから落とすしかないよね」でおしまいなのです。
ごくまれに、企業の体制が変わった、とか、評価基準を大幅に変更した、などで、前年に中盤・終盤の選考落ちした企業から内定を貰った例もあります。が、そうした成功例は、きわめてわずかであり、宝くじの高額当選よりも低い確率でしょう。
そんなわずかな確率にかけるよりも、他社を受けていく方が内定を得やすいはずです。
2点目は志望業界などを広げる、というものです。特にITは人不足が続いており、ねらい目です。
以上、既卒・就職留年者向けのライフハックをまとめました。
就活で苦戦された方は、傷つき、疎外感を覚えていることでしょう。私も過去にそうした思いをしました。その経験からもお伝えしますと、ゼロに何を掛けてもゼロにしかなりません。本記事を参考に行動していってください。その先には必ず、あなたのことを必要とする企業があるに違いありません。