ついにノースフェイスも「ZOZO離れ」、NIKEはセレクト各社に取り扱い終了を要請
・「ZOZO離れ」が加速
・スニーカーの「NIKE」とアウトドアの「NORTH FACE」、2大人気ブランドが決断か
・「定価販売の努力を阻害」「商品の機能を説明しきれない」
ZOZO離れが続く中で、スニーカーの人気ナンバーワンブランドの「NIKE」(ナイキ)が販売方針を変更するとともに、アウトドアブランドでタウンユースでも大人気の「NORTH FACE」(ノースフェイス)まで「ZOZOTOWN」(ゾゾタウン)から姿を消すと報じられ、衝撃が走っている。
「ナイキ」はセレクトショップや小売店に対して、2020年6月から「ゾゾタウン」での取り扱いを一切やめるように通達を始めたと、日本を代表するスニーカーショップを率いる本明秀文アトモス社長がファッション週刊紙「WWDジャパン」(2月25日号)の連載で明言。
また、「ノースフェイス」は今月18日から出品を見合わせており、「完全撤退に向けた準備に入っている」と「夕刊フジ」が報じた。
きっかけはやはり、有料会員制割引サービス「ZOZOARIGATO」(ゾゾアリガトウ)の導入だ。
本明アトモス社長は「僕らは、いかに定価でスニーカーを買ってもらうかを一生懸命試行錯誤して、新しい売り方をどんどん試している。でも『ゾゾタウン』のほうが安いってなるとそういった努力も意味がない」と指摘。
さらに、「『ゾゾタウン』も昔はちゃんとブランディングしてたのにいつからか“在庫処分場”みたいになってしまった。『ナイキ』はそういった現状を見かねたんだろうね。そのうち『アディダス』も追随するんじゃないかな」と続ける。
「ノースフェイス」については、同ブランドを扱うゴールドウインのコーポレート・コミュニケーション室に「夕刊フジ」が問い合わせたところ、「機能的な商品を扱っているため、今の(ゾゾタウンの)展開の仕方では、お客さまに弊社の商品の機能をご説明しきれない」と回答し、「HELLY HANSEN」(ヘリーハンセン)と合わせて撤退に向けた準備をしているという。
とくにスニーカーに関してはここ数年人気が過熱しており、スニーカーショップだけでなくセレクトショップでも売上げや集客をけん引するアイテムとして各社ともに力を入れていた。ただし、スニーカーは多くのサイズを抱えなければならないために在庫リスクが高い。また、独特の商習慣のため、欲しい人気品番を獲得するために他の品番まで買い付けなければならないケースもある。
圧倒的に集客力の高い「ゾゾタウン」は、スニーカーを売り切るための好適ECモールでもあったが、そこで売れないことになると、セレクトショップや小売店は仕入れ自体を見直す必要も出てきそうだ。
「ZOZOARIGATO」の波紋はまだまだ広がりそうだ。
<追記:2月26日13:40>
これに対して、ZOZOの田端信太郎コミュニケーションデザイン室長は「NIKEさんがZOZOTOWN内から撤退されることはありません。むしろZOZOTOWN内のNIKE公式ショップをより積極的に拡大したいと伺っております。我々も、NIKEさんを引き続き全力でサポートして参ります」とTwitterでコメント。
ナイキの広報担当も「ナイキは引き続きゾゾタウンにて商品を展開して参ります」と回答。直営展開では販売を継続していくことを明かした。
<追記:2月26日20:00>
上記に合わせて、タイトルと一部文章を改訂しました。