ウォルマートがGoogleアシスタント『Walmart Voice Order』を発表
KNNポール神田です。
amazonがスマートスピーカーのAlexaやEchoシリーズを使って、ECでのAmazonでの注文を可能としているが、WalmartもGoogleと組むことによって、同様のことが実現できるようになるという。差別化要因としては、なんといっても、全米5,000店舗のネットワークと100都市でオンライン配達が可能になるというところだろう。当然、最寄りの店舗からの配送となると、生鮮食料品なども即日配送というカバーも可能となることだろう。
無人店舗や、テクノロジー先行型のamazonと、従来のリアル店舗+EC宅配型というWalmartでは戦い方が大きく変わる。
■Walmartは世界最大の小売業
時価総額ではamazonに及ばないものの、世界最大の小売業Walmartは、売上ベースでは5,003億ドル(約50兆円)で5年連続の首位である。売上では 18位のamzonの1778億ドル(約17兆円)を完全に凌駕している。実店舗数が全米に約5,000店舗あり、各店舗から5マイル以内の住人は米全人口の2/3以上というカバー率である。amazonの売上に対して時価総額は約5倍に対して、Walmartは売上に対して時価総額は1/2くらいという株式市場からの低評価。
Walmartは、Jet.comを30億ドル(約3000億円)買収(2016年)するが、ECでの、その成果はまだまだ見えない。さらにインドのFlipkartを160億ドル(約1.6兆円)で買収(2018年)。その間に、amazonは Wholefoodsを137億ドル(約1.3兆円)で買収(2017年)するが、リアル店舗でのその成果は、まだまだこちらも見えない。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kandatoshiaki/20190118-00111351/
■はたしてスマートスピーカーの音声で野菜を発注するのか?…
双方のスマートスピーカーは、毎日使っているが、音声でオーダーしたり、タクシーを呼ぶというような使い方は、あまりしない。サービスの初日からいろんな機能を試している筆者でも、それが日常的に定着するかというとそれほどでもない。それは画期的、かつ劇的にライフスタイルが変わるほどの衝撃がないからだ。音声でのオーダーは、まだまだおっかなびっくりな精度だからだ。また、Google陣営のスマートスピーカーには目視でオーダーが確認できるデバイスが少ない。Amazonとは組めないWalmartの戦略だが、むしろ、Walmart専用のスマートスピーカーをGoogleの音声認識で、全米の家庭に試験的にランダムで無料で配るみたいないことをやるべきだろう。
今回の、『Walmart Voice Order』の発表は、音声で発注できるという事よりも、WalmartがEC宅配に力をいれていることのアピールに
近い。しかし、市場の反応はいつものようにWalmartに対して冷ややかである。時価総額は2,781億ドル(27兆円)
ちなみに本日のamazonの時価総額は8,910億ドル(89兆円)と3.2倍の差は相変わらず変わらない。
Walmart
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/chart/WMT?ct=w
Amazon