ワカモノのミカタ政党はどこだ!若者政策の各党比較【参院選2022】
2022年6月22日に公示され、7月10日に投開票が行われる予定の参議院議員選挙。
筆者が代表理事を務める日本若者協議会では、各党の公約に若者の声を反映させようと、主要政党である、自民党、公明党、立憲民主党、日本共産党、日本維新の会、国民民主党の6党に対して、2022年3月から政策提言(日本版ユース・パーラメント2022)を行ってきた(日程が合わず、日本維新の会とは未開催)。
日本若者協議会 「日本版ユース・パーラメント2022」政策提言内容(全党共通)
6月8日には、『ワカモノのミカタ政党はどこだ!~新しい時代に若者の声に応える政治を問う~』主要政党公開討論会(詳細は末尾)を開催し、各党国会議員と若者による討論会を行うが、事前に各党に若者政策の重点公約をアンケートで聞いたため、テーマごとに比較していきたい。
若者政策のテーマとしては、今年の日本版ユース・パーラメント2022で扱った、「労働・社会保障」、「ジェンダー」、「教育」「若者の政治参加」に加え、日本版気候若者会議(主催:日本若者協議会)で提言した「気候変動」を扱う。
なお、アンケートでは、各テーマにつき最大5個までの重点政策を記入してもらっているため、この一覧表の中に入っていない公約も数多くあるが、各党が重視している政策の違いを見るため、本アンケートの結果をもとに比較していく。
日本若者協議会 参院選主要公約比較一覧表
https://drive.google.com/file/d/13-xeqDPTEj3AM3tL4gPQH2LG2EYsovDk/view?usp=sharing
労働・社会保障
まずは、「労働・社会保障」を見ていこう。
近年大きなアジェンダとなっている、賃金上昇に向けた対策を各党掲げており、方向性は似通っている。
ただ、自民党の政策は、セーフティネットの要素が弱く、一面的な印象を受ける。
安定した生活と経済成長を実現するためには、欧州各国に広がる、手厚い失業給付とセットの雇用政策、素早い産業転換のトライアングル(フレキシキュリティー)が重要であり、その点を日本維新の会と国民民主党が特に意識しているように感じる。
また公明党は、他のテーマも含め、若者(日本若者協議会)の声をよく反映しており、高く評価したい。
日本共産党の公約にも含まれているが、若者向けの家賃補助を日本はほとんどやっておらず、実現を期待したい。
日本若者協議会
柔軟性と安全性を両立したフレキシキュリティの実現
○現役世代への家賃補助
○職業訓練の大幅拡充
○産官学連携の人材育成の仕組みや公労使連携の再就職支援組織の創設
○マイナンバーの活用、給付付き税額控除の導入
○児童手当の高校生まで延長
○解雇ルールの明示化
○長時間労働の是正
など
※太字は日本若者協議会の提言が盛り込まれているもの。
自民党
●全ては強い経済から。金融政策、機動的な財政政策、成長戦略を総動員し、新型コロナで傷んだ経済を立て直し、経済成長の軌道に乗せ、雇用増と多様な雇用機会の創出を進めます。
●医療、介護、年金、少子化対策をはじめとする社会保障全般の総合的な改革を進め、持続可能な全世代型社会保障制度の構築し、不妊治療の保険適用等の社会保障も充実させます。
●価格転嫁の促進、公的評価の見直し、賃上げ税制、同一労働同一賃金、最低賃金の見直しなどあらゆる政策を動員して本格的な賃上げ増の時代を作ります。
●過去最少となった出生数が象徴する少子化は国家の有事ととらえ、仕事と子育てを両立できる環境整備を進め、待機児童ゼロや男性育休取得等を含めたありとあらゆる政策を総動員します。
公明党
●若者を含め誰もが安心して暮らせる住まいを確保できるように、生活困窮者等への住宅手当を創設します。
●求職者支援制度の拡充や「女性デジタル人材育成プラン」など、職業訓練、リカレント教育を推進します。
●マイナンバー制度を活用し、行政的続きのワンストップ化など国民の利便性向上に取り組みます。
●子育て世代が仕事と育児の両立をしやすいように、育児休業や短時間勤務等の利用を促進します。
●ひとり親家庭を支援するため、職業訓練や住居支援を充実するとともに、児童扶養手当の拡充をめざします。
立憲民主党
●時給1,500円を将来的な目標に、中小零細企業を中心に公的助成をしながら、最低賃金を段階的に引き上げ
●フリーランス、就活中の学生などへのセクハラも含めた「セクハラ防止法」を制定
●ヤングケアラーを早期に発見し、本人及び家庭に対して教育や医療など横断的な支援を実現する法律を整備
●より多くの短時間労働者が厚生年金に加入できるよう適用拡大をさらに進める
●勤務間インターバル(休息)規則を義務化(原則11時間以上)して、「過労死ゼロ」社会を実現
日本維新の会
●最低保証制度導入による再分配の最適化・統合化を本格的に検討し、年金等を含めた社会保障全体の改革を推進します。
●公的年金は賦課方式から積立方式に移行し、払い損がなく世代間で公平な仕組みを構築します。
●解雇ルールの明確化、解雇紛争の金銭解決等、労働契約の終了に関する規制改革を行い、労働市場の流動化・活性化を促進します。
●同時に、労働移動時のセーフティネットを確実に構築し、柔軟性・安全性の高い社会を目指します。
●ジョブ型雇用への転換促進のため、労基法を改正し、企業が労働時間ではなく仕事の成果で評価できることを可能にし、被雇用者を法的に保護します。
国民民主党
●「全国どこでも時給 1150 円以上」の実現。中小企業への賃上げ支援の強化。
●セクハラ行為を法律で禁止します。就活生やフリーランスへのハラスメント対策、窓口機能の強化。
●翌日勤務まで一定間隔を空ける「インターバル規制」の義務づけ、長時間労働の温床となる「裁量労働制」の厳格化、労働時間管理の徹底をします。
●雇用のセーフティネット機能を高めつつ、成長分野への人材移動と集積を進めるため、職業訓練と生活支援給付を組み合わせた求職者支援制度を拡充した「求職者ベーシック・インカム制度(仮称)」を構築します。
●フリーランス、ギグワーカーなどに対応したリカレント教育・雇用のセーフティネットを整備します。
日本共産党
●最低賃金を時給1500円に引き上げ、8時間働けば、どこで働いても正規・非正規雇用にかかわらず月収手取り20万円を保障する。
●シフト制労働者への最低限の労働日数と賃金支払いを保障する法規制を行う。突然のシフト変更や不利益取り扱いを禁止する。
●奨学金返済の負担を減らす。返済猶予や減免の所得制限を緩和して期間を撤廃し、有利子奨学金も対象とする。20年で残額をゼロにする。
●若者むけ公営住宅をふやす。家賃補助制度を創設する。住宅確保給付金の支給対象を拡充する。
●ヤングケアラーの相談にのり、サポートする仕組みをつくる。ケアラーを支援する法律・制度を整備する。
ジェンダー
「ジェンダー」に関しては、性犯罪などの根本にありながら、いまだ広がりに欠ける「包括的性教育の拡充」を入れているのが日本共産党だけ、という淋しい状況である。
また今回、日本若者協議会で重点政策としてプッシュしていた「中絶環境の改善」を含めているのも高く評価したい。
日本若者協議会
リプロダクティブ・ヘルス/ライツの重視
○包括的性教育の拡充
○中絶環境の改善
○アフターピルのアクセス改善
○痴漢対策の強化
○学校での生理休暇の導入
○子どもへの性暴力罰則強化
○男性にHPVワクチン接種勧奨
○選択的夫婦別姓の実現、同性婚の法整備化
○「クオータ制」の導入など、女性議員の増加
など
※太字は日本若者協議会の提言が盛り込まれているもの。
自民党
●性的マイノリティに関する広く正しい理解を促進するとともに、多様性を受け入れる寛容で温かい社会を築きます。
●男女間の賃金格差解消に向けて企業開示の義務化や女性デジタル人材育成プランの着実な実行、同一労働同一賃金等を進めます。
●男性の育児・介護や家事への参画を進め、東京2020大会におけるジェンダー・平等ムーブメントを継承し、アンコンシャス・バイアスの解消に取り組みます。
●女性の健康サポート(「女性総合診療科」の普及や乳がん検診の受診率増等)、困難な問題支援、性犯罪・暴力対策、DV対策等包括的支援を進めます。
公明党
●企業等における女性の職域拡大や管理職登用、女性デジタル人材の育成などにより、あらゆる分野で男女間格差を是正し、すべての女性が輝き活躍できる社会をめざします。
●希望する夫婦がそれぞれの姓を変えることなく結婚できるよう、「選択的夫婦別姓制度」の導入を推進します。
●多様性を尊重する社会を実現するため、自治体パートナーシップ認定制度の推進や、性的指向・性自認に関する理解増進法の成立を図ります。
●同性婚については国民的議論を深めるとともに、国による具体的な実態調査を進め、必要な法整備に取り組みます。
●性交同意年齢の引き上げに取り組むとともに、「望まない性的な行為は性暴力」との意識啓発を推進します。
立憲民主党
●選択的夫婦別姓制度の早期実現
●LGBT差別解消法・婚姻平等法(同性婚法)の制定
●刑法の強制性交等罪における暴行・脅迫要件や同意年齢などの見直し
●DV対策や性暴力被害者支援など、困難を抱える女性への支援
●クオータ制の導入、男女同数の議会(パリテ)の実現
日本維新の会
●企業の女性雇用率や女性役員比率、男性の育児休業及び出生時育児休業取得率等に応じた減税を行い、女性や子育て世代が活躍しやすい機会を増やします。
●結婚後も旧姓を用いて社会経済活動が行える仕組みの構築を目指します。
●同性婚を認め、LGBTQなどの性的少数者が不当な差別をされないための施策を推進します。
●自治体による同性パートナーシップ制度を促進するとともに、同性間に限らず使えるパートナーシップ制度の導入を目指します。
●多様性が尊重される環境整備に向けて政府内に専門的に議論をする会議体を設置します。
国民民主党
●あらゆるライフステージの男女格差をなくし、管理職の女性比率の引き上げ、女性労働者の正規雇用比率などを改善します。
●「生理の貧困」を踏まえ、生理用品の無償配布を行います。
●選択的夫婦別姓制度を導入します。多様な家族のあり方を受け入れる社会をめざします。
●「女子差別撤廃条約選択議定書」を早期に批准し、国際機関の場を活用した差別問題の解決をめざします。
●女性や若い候補者を育てるための党制度「女性・若者候補者支援三策」を活用し、女性候補者比率 35%を実現します。
日本共産党
●男女賃金格差の是正をはじめ、働く場でのジェンダー平等をすすめる。
●痴漢ゼロを政治の課題とし、実態調査・相談体制をつくる。就活セクハラをふくむハラスメント禁止、被害救済の法整備をすすめる。性暴力被害者支援のワンストップセンターの体制強化のため国の予算を抜本的に増やす。
●同性婚を認める民法改正、選択的夫婦別姓制度の導入、LGBT平等法を実現する。
●生理・妊娠・中絶・出産を女性の生涯にわたる健康の権利として位置づける。緊急避妊薬を入手しやすくする。堕胎罪の廃止、中絶の配偶者同意要件の撤廃、経口中絶薬を含め安全な中絶を主流にする。
●科学的で包括的性教育を学校教育に導入し、社会的にも普及する。
教育
「教育」は、どの党も教育費負担軽減策を掲げているが、少子化が想定より早いスピードで進んでいることを踏まえれば、時間の余裕はなく、微修正ではなく、大幅な改善を求めたい。
学費の負担軽減にせよ、教員の労働環境改善にせよ、予算が足りない、という一言に尽きると言っても過言ではない。
そして教育費がGDP比に占める割合が諸外国に比べ低いことを踏まえれば、それだけ「教育」が軽視されているということである。
日本若者協議会
生徒主体の学びに
○義務教育の多様化
○不登校の児童生徒への手厚い支援
○部活強制加入の撤廃
○こども基本法の成立
○教員の労働環境改善
○大学設置基準の見直し
○給付型奨学金の拡充、大学授業料減額
○研究者の出産・育児両立支援
など
※太字は日本若者協議会の提言が盛り込まれているもの。
自民党
●新しい資本主義では「人への投資」が何より重要であり、教育・人材育成をこれまで以上に重視し、誰もが学ぶことのできる環境整備を進めます。
●給付型奨学金と授業料減免を拡大、奨学金の減額返還制度を見直すほか、出世払い制度による柔軟な納付の仕組みの創設、官民共同、自治体や企業による支援等を進めます。
●10兆円規模の大学ファンドを利用して世界と伍する教育環境を構築し、若手研究人材を育成し、その処遇改善と活躍の場の確保を進めます。
●英語教育の充実や留学の促進による国内外で活躍する創造的な人材の育成を図ります。
●GIGAスクール構想に基づき教育のデジタル化を進め、フリーアクセスができる教育クラウドの作成など学びの多様化や機会の増加を図ります。
公明党
●給付型奨学金・授業料等減免(修学支援新制度)を拡大、既卒者を含め柔軟に奨学金が返還できる制度を推進
●不登校特例校を各都道府県等に1校以上設置し、夜間中学やフリースクールなど多様な学びの場を確保
●ヤングケアラー等の支援策を総合的に推進し、不安や悩みを傾聴する相談支援や家事・育児支援等を強化
●若手研究者の支援強化、女性研究者の仕事と家庭の両立支援、理系科目の女性教員の増加に取り組む
●ハラスメントを許さない社会の実現をめざし、フリーランス・就職活動中の学生等も含め防止対策を推進
立憲民主党
●国公立大学の授業料無償化と私立大学生や専門学校生への国公立大学と同額程度の負担軽減の実施
●高校授業料の無償化について、現在ある所得制限を撤廃
日本維新の会
●教育の全過程について完全無償化を憲法上の原則として定めます。
●OECD 加盟国で最下位となっている教育予算の対 GDP 比を引き上げ、教育への公的支出を他の先進国レベルに向上させます。
●教育バウチャー制度の導入・普及に努め、教育機会を拡大するとともに、競い合いによる教育の質と学力の向上を目指します。
●教育委員会の必置規則を見直し、教育行政制度について自治体の選択制とすることで、地方分権型教育行政への転換を図ります。
●校務分掌や部活動の見直し、校務の情報化の推進などを通じて教員の負担軽減を図り、教育に専念できる体制を整えます。
国民民主党
●専修学校や高等専門学校、大学や大学院等の高等教育の授業料を減免するとともに、返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。
●社会人の学び直し(リカレント教育、リスキリング教育)を支援します。
●EdTech を推進します。人工知能、IoT、VR、学習・教育効果の向上、自動化・効率化、価格破壊、市場創出等、従来の教育の仕組みや産業構造に大きな変革を起こします。
●義務教育を3歳からとし、高校までの教育を完全無償化します。学校給食や教材費、修学旅行費も無償化し、家庭の教育負担をゼロにします。
●塾代等の民間教育費を特定支出控除の対象とする「教育費控除」を創設します。
日本共産党
●大学・短大・専門学校の学費をすみやかに半額へ引き下げ、高等教育の無償化をめざす。
●入学金制度そのものをなくす。この制度は他の先進国にはなく、入学しなくても返金されないのは合理性がない。
●「自宅4万円、自宅外8万円」の給付奨学金を75万人(現在の奨学金利用者の半数)が利用できる制度へと拡充する。有利子制度を廃止する。
●学校給食の無償化をはじめ、義務教育の完全無償化をすすめる。先進国で最低水準の教育費を大幅にふやし、貧困から子どもを守る。
●人権侵害の理不尽な校則の見直しを、中学生・高校生の参加ですすめる。
若者の政治参加
まず、前回2021年衆院選の公約で消えていた、自民党の「被選挙権年齢引き下げ」が戻ったことを純粋に喜びたい。
その上で、やはり網羅性が高いのが、公明党だ。
学校内での主権者教育の実践である「学校内民主主義」の実現、審議会への若者の登用などが盛り込まれている。
また、日本共産党や日本維新の会が含めている、選挙運動の自由は、若者の政治参加を進める上では重要であり、今後議論が広がっていくことを期待したい。
日本若者協議会
○学校内民主主義の法制度化
○若者団体への支援
○若者の政治参加を妨げている選挙規制の撤廃
○被選挙権年齢の一律18歳に
○審議会に「若者」枠
○若者議会・若者協議会の設置(国・地域)
○若者政策担当大臣
○選挙投票日を休日に
○立候補休職制度の制定
○ネット投票の導入
○「若者の政治参加促進基本法」の制定
など
※太字は日本若者協議会の提言が盛り込まれているもの。
自民党
●日本の公党初のメタバース演説会の実施や漫画入りパンフレットなど政治参加の前提となる若者向け分かりやすい広報を強化します。
●被選挙権年齢は引下げの方向で検討するとともに、若者が候補者としても政治に参加しやすい環境整備に努めます。
●若者が主体的に政治参加する場を作るため学生部全国協議会を設立し、さらなる活動の充実と発展を図ります。
●議員事務所での秘書業務や政策勉強会をはじめとしたインターンシップについてさらに充実を図り、学びと交流の場を提供します。
●党の都道府県支部にて開催している政治塾においても受講料を優遇するなど若者が参加しやすい環境を整備し、政治参加を後押しします。なお、党本部主催の憲法やGDWをテーマにした「まなびと塾」には年齢制限なく参加できます。
公明党
●児童生徒、保護者、教職員が話し合って校則や学校行事等を決める「学校内民主主義」の実現をめざします。
●若者世代の政治参加をさらに進めるため、被選挙権年齢の引き下げをめざします。
●若者政策を担当する大臣の設置や、審議会への若者の登用、「若者議会」の開催を推進します。
●有権者がスマートフォン等から投票できるインターネット投票の実現に向けた研究・検討を進めます。
●若者の政治・行政・社会参加を促進するため、「若者政治参加促進基本法」の制定をめざします。
立憲民主党
●18歳から被選挙権(参議院議員・都道府県知事は23歳から)
日本維新の会
●インターネット(スマホ)投票やマイナンバーカードを活用したコンビニ投票など投票方法の多様化を進めます。
●衆参両院の被選挙権年齢を 18 歳に引き下げるとともに、供託金の金額を年齢に応じて見直すなど、間口を広げる環境整備を行います。
●子どもに投票権を与えて親がその投票を代行する「ドメイン投票方式」等の導入を検討します。
●無駄な規制の撤廃により、選挙活動の負担軽減と合理化を図り、議員のなり手不足などの課題を解消します。
国民民主党
●各級選挙に立候補できる年齢について、衆議院議員、市区町村長、地方議員は18歳、参議院議員、知事は20歳とするとともに、英国の若者議会の制度も参考にしつつ、若者が政治参画しやすい仕組みをつくります。
●インターネットを活用して、政策づくりや選挙運動の各場面で1人でも多くの若者が政治に参加している実感の持てる環境をつくります。
●ネット投票を可能にします。
日本共産党
●主権者として選挙に気軽に、多面的に参加できるように、選挙運動の自由を広げる。
●高校生の政治活動禁止・制限に反対し、主権者としての自由を守る。
●被選挙権の年齢をすみやかに引き下げる。
●政治教育は、選挙制度の説明にとどまらず、政治に関する基本的知識を身につけ、批判力を育むものにする。
気候変動
最後に「気候変動」。
まず注目したいのが、公明党が入れている「気候市民会議の設置」だ。
なぜ気候市民会議が重要なのかは別記事で書いたが、気候変動対策を進めていくためには、市民の行動変容が重要であり、そのためには民主主義のアップデートも欠かせない。
関連記事:なぜいま欧州各国で「気候市民会議」が開かれているのか?ー日本では気候若者会議の取り組みも(室橋祐貴)
日本版気候若者会議
○プラスチック容器の規制強化
○食料廃棄減少に向けたコンポスト等の活用
○商品へのカーボンフットプリント表示義務化制度
○公正な移行のためのリカレント教育
○エネルギーに関する熟議の日を制定
○人権DDの業界別・業種別ガイドラインの策定
○国内人権機関の設置
○気候市民会議の開催
○環境教育の推進
○GDPに代わる「地球の生態学的限界の範囲内で人々の幸福を実現するための総合的指標」の採用(国、地域レベル)
など
※太字は日本版気候若者会議の提言が盛り込まれているもの。
自民党
●2050年カーボンニュートラルの実現を見据え、脱炭素に向けた経済・社会、産業構造変革を行い、官民連携の取り組みを一気に加速します。
●今後10年間に150兆円庁の投資を実現するため、成長促進と排出抑制・吸収を共に最大限化する成長志向型カーボンプライシング構想を具現化します。
●GX(グリーントラスフォーメンション)のためGX経済移行債のような形での政府資金調達を行い、企業の投資予見可能性を高めるロードマップを示します。
●エネルギーを起点とした産業のGXのため新エネルギー促進、再生可能エネルギーの主力電源化政策を進め、研究開発・人材育成・産業基盤強化を進めます。
●ライフスタイル転換に向けポイント制度、規制措置強化、省エネ住宅等の支援、森林吸収源対策等を総合的に進めます。
●プラスチック資源循環をはじめ希少金属等の素材や生活用品等の製品のライフサイクル全体での資源循環など循環経済への移行を推進します。
公明党
●エコな商品やサービスにグリーンライフ・ポイントを付与し、環境にやさしいライフスタイルへ転換を促します。
●石炭火力から太陽光、風力、地熱、バイオマスなどのクリーンなエネルギーへ転換し、再エネの主力電源化をめざします。
●海洋プラスチックごみ問題の解決に向けて、研究開発の促進や国際ルール作りなど、世界の議論をリードしていきます。
●気候市民会議の設置など、若者や市民の意見が政策に反映される環境を整備します。また環境教育の充実を図ります。
●経済成長に環境への影響を加味した「グリーンGDP」を創設し、持続可能な企業活動を応援します。
立憲民主党
●2030年に温室効果ガス排出を55%以上削減、2050年までの早い時期にCNを実現
●「未来世代法」を制定し、将来世代への影響を長期的観点から検討し、課題を政府に勧告
●2030年に省エネ・再エネに200兆円を投入、約250万人の雇用創出、50兆円の経済効果を実現
●2050年省エネ60%・再エネ電気100%、化石燃料、原子力発電に依存しない社会を実現
●原子力発電所の新増設は認めない。廃炉作業を国の管理下に置いて実施する体制を構築
日本維新の会
●2050 年カーボンニュートラル、2030 年温室効果ガス 46%削減目標に向けては、新たな投資を呼び込み、目標達成に不可欠な技術革新と雇用創出を実現します。
●カーボンプライシングについては、国際的視野や市場原理活用の観点に基づいた排出量削減ルール策定に向けて議論をリードします。
●水素細菌をはじめとするバイオモノづくり分野など温暖化対策に資する研究開発を積極的に推進します。
●SDGsに関する国と地方自治体の施策をより一層強化し、SDGsに対する日本社会全体への浸透を推進します。
●深刻化する海洋汚染やプラスチックゴミの削減に向けて、処理技術の現状や科学的エビデンスに基づいた対策を進めます。
国民民主党
●2050年カーボン・ニュートラル社会の実現や「パリ協定」の推進に向け、徹底した省エネルギーと、電源の低・脱炭素化や電化の推進、運輸部門における電動車の普及促進(インフラ整備含む)、蓄電池やCO2フリーの水素・合成燃料(バイオジェット・e-fuel等)の開発・生産支援を行うなど、革新的なイノベーションとその社会実装を通じた大幅なCO2削減をめざします。
●世界的な食料危機や気候変動を広義の安全保障として位置づけるとともに、農業・農地の多面的機能を重視した農政に転換します。
●気候変動による自然災害や食料危機、厳しさを増す国際環境など、様々な危機を「想定外」とすることなく、経済、エネルギー、食料、防衛等を含めた広義の安全保障政策に万全を期し、国民と国土を守り抜きます。
●持続可能な世界を残すために、国際社会が2030年を目標として取り組む国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を推進します。
●ジオエンジニアリング(気候工学)にも取り組みます。ジオエンジニアリングを日本の成長産業、戦略産業に育てます。
日本共産党
●2030年までにCO2を50~60%削減するために、省エネの普及で電力消費量20~30%削減、再エネ50%、石炭火力と原発ゼロとする。
●再エネは地域分散型、住民合意を原則とし、森林伐採によるメガソーラーなどを規制するため、自治体によるゾーニングを行う。
●省エネ・再エネへの投資戦略をもち、地域経済の活性化の柱にすえる。
●排出量が大きい6つの業界・企業に、削減目標と計画などを「協定」として政府と締結するよう義務付ける。
●中小企業の「省エネ投資」を支援する。脱炭素と結びついた農業・林業の振興をはかる。