まさかの大逆転で三菱日立パワーシステムズ、さすがの底力で東芝が東京ドーム行きを決める
第90回都市対抗野球大会の35代表を決める二次予選は、全国各地で熱戦を繰り広げており、西関東(神奈川・山梨)では三菱日立パワーシステムズと東芝が東京ドームへの切符を手にした。
3月の東京スポニチ大会では東芝が準優勝し、三菱日立PSもベスト4。その後、東芝は四国大会で優勝、京都大会ではベスト4、三菱日立PSは長野県知事旗大会で4強、九州大会では準優勝、JX-ENEOSは東北大会で4強と、3チームが実力の高さを示してきた。5月19日に始まった西関東二次予選でも、3チーム揃ってクラブチームを撃破。27日から総当たりの代表決定リーグに臨む。
27日は三菱日立PSと東芝が対戦。プロから熱視線を送られている宮川 哲を先発に立てた東芝が、2回表一死二塁、4回表には二死二塁から、いずれも福山 亮の二塁打で2点を先行する。一方、宮川に対して簡単にはアウトを取られないという姿勢で粘る三菱日立PSは、4回裏一死一、二塁から二橋大地の二塁打で1点を返すと、続く5回裏にも二死一、二塁から河野凌太の二塁打で同点に。先発の大野亨輔も、低目を丁寧に突く投球で東芝に追加点を許さず、6回を終えて2-2と緊迫した展開になった。
そして、7回表に四球と失策で一死三塁とされた場面で、東芝は宮川から左腕の福本 翼に継投したが、三菱日立PSは四番・龍 幸之介の左犠飛で勝ち越し。大野も124球の完投で幸先よく勝利を挙げる。
28日はJX-ENEOSが登場。三菱日立PSは、プロが注目する20歳のサウスポー・浜屋将太に先発を託すも、失策と暴投で2点を先行され、4回裏二死二、三塁では田中将也に中前安打を許して4点をリードされる。
だが、7回表に久木田雄介の適時打で1点を返すと、続く8回表には二死から竹内啓人の二塁打で2点差とし、さらに二、三塁とチャンスを広げる。ここで二橋がファウルフライに討ち取られたかと思われたが、落球で命拾いすると同点の二塁打を放つ。
三菱日立PSの反撃は見事だったが、8回裏のJX-ENEOSは一死二塁から田中の左前安打で勝ち越し、9回表も二死二塁まで漕ぎ着ける。
三菱日立パワーシステムズは会心の逆転、東芝は底力で代表権を手にする
ところが、8回に龍の代走から出場した江越海地はカウント2-2から冷静にフォークボールを読み切り、高目に浮いたところをフルスイング。これが逆転2ラン本塁打となり、まずは三菱日立PSが連勝で第一代表に名乗りを上げる。阪神の江越大賀を兄に持つ外野手は、春先の好調を維持できずに控えに甘んじていたが、勝負どころで最高の働きを見せた。
平成30年間の都市対抗では、東芝がトップの43勝、JX-ENEOSも2位の42勝をマークしている。29日に行なわれた名門対決は、勝てば第二代表、負ければ予選敗退のプレッシャーがかかる一戦に。JX-ENEOSは3回裏に1点を先制したものの、東芝は5回表に敵失にも乗じて一死満塁とすると、金子聖史が右中間を破る3点二塁打であっさりと逆転。その裏にJX-ENEOSも1点を返したが、東芝は8回表に4四球で難なく1点を加えると、金子と松本幸一郎の連続タイムリーでさらに3点をもぎ取り、エースの岡野祐一郎も完投勝利で11年連続の代表権をつかんだ。
前人未到の本大会通算100勝に王手をかけながら、JX-ENEOSは4年続けて予選で涙を呑んだ。すでに東海では西濃運輸、九州では西部ガスと、昨年の代表チームが姿を消しており、各地区でさらに厳しい戦いが見られるだろう。30日は、東海でヤマハと東邦ガスが第一代表をかけて激突。一方、東京では東京ガスとセガサミーの敗者が予選敗退となる。