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大谷翔平が離脱しても、エンジェルスから新人王が生まれる可能性あり

宇根夏樹ベースボール・ライター
ハイメ・バリーア(ロサンゼルス・エンジェルス)May 26, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ア・リーグの新人王レースは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がトップを走っていた。大谷は6月8日の時点で、新人リーグ1位(40イニング以上)の防御率3.10と、新人リーグ2位(100打席以上)のOPS.907を記録していた。だが、右肘の故障により、少なくとも2ヵ月近くは欠場すると思われる。もしかすると、今シーズンはもう出場できないかもしれない。

 となると、現時点ではグレイバー・トーレス(ニューヨーク・ヤンキース)が最有力だろう。OPS.913とともに、10本塁打も新人リーグ1位だ。トーレスに続くのは、チームメイトのミゲル・アンドゥハーか。新人リーグ3位タイの7本塁打を放ち、OPS.867は大谷に次ぐ。一方、大谷以外に40イニング以上を投げている3人の防御率は、いずれも3.65以上だ。

 ただ、エンジェルスから新人王が生まれる可能性は残っている。パナマ出身の21歳、ハイメ・バリーアがその人だ。ここまで7先発して36.1イニングを投げ、防御率は2.48。AAAから4度昇格して4度降格し、現在はAAAにいるが、6月12日か13日に5度目の昇格を果たした後は、そのままメジャーリーグに定着するはずだ。

 エンジェルスでは、4月にJC・ラミレス、5月にマット・シューメイカーが手術を受け、2人とも今シーズンはもう投げられない。大谷が離脱したここからは、バリーアを含む5人でローテーションを組むことになる。新人王は別としても、エンジェルスが4年ぶりにポストシーズンへ進めるかどうかという点で、バリーアの働きは大きな鍵の一つとなりそうだ。

 なお、大谷はこのまま欠場しても、新人王資格を来シーズンに持ち越すことはできない。打数は114、投球回は49.1なので、上限の130打数と50イニングを超えていないが、サービス・タイム(在籍日数)はすでに45日を上回っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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