スシロー"ペロペロ犯" 韓国でも動画200万回再生の関心 「日本食文化の危機」「食べ物に悪戯するな」
連日話題となっている「スシローペロペロ犯事件」。
1月29日、岐阜県の少年らが大手チェーン店で醤油ボトルや湯呑を舐めた後に元の位置に戻す動画をSNSに投稿。動画が拡散されるや、店側が訴えを起こす動きを見せた。これに対し少年の両親が謝罪したが、スシロー本社側は謝罪では済まないという姿勢を見せているというもの。会社側の株価暴落など被害が広がっている。
これに関する海外の反応を。
韓国でも動画が"大炎上"。1日に地上波MBCで報じられたニュース動画が再生回数165万回超、コメント数6000超を記録している。
「日本で回転寿司が消えるのか…"いたずら映像"一線を越えた」
そう見出しが打たれた記事は、日本の回転寿司について「回ってくるボードの上に載った寿司を選んで食べる。日本の代表的な外食文化のうちのひとつ」と紹介。
その後、少年たちの行いを伝えたうえでこう論じた。
「1958年に大阪のある店で登場した回転寿司はアメリカとヨーロッパ、アジアなど全世界に広まり、日本の代表的な外食文化として立場を得ました。しかし最近、続いている無差別的ないたずらにより日本の回転寿司は予想もできなかった危機を迎えています」
客の間でマナーにより保たれていた衛生管理が危機にある、という主旨だ。この動画ニュースに対し、以下のようなコメントが入った。
最も共感(いいね)が多かったものは「良心を信じられない時代が来たみたいだね。悲しいです」。
次いで、経緯を細かく記すコメントにも高評価が集まった。
「岐阜県にあるスシローという大型回転寿司チェーン店で発生した出来事で、映像が拡散されるや該当のチェーン店にあったコップや醤油などをすべて新しく交換したといいます。そしてスシロー本社が警察側に捜査依頼したと聞き、保護者が連絡して謝罪したが本社側は刑事・民事裁判を含めたすべての処置を取ると話したといいます」
ニュース動画の見出しでの「危機」という内容を受け、「衛生神話が崩れた」という趣旨も目立った。
「本当に衝撃…これまでも気になるから(日本の回転寿司に行ったときは)醤油もかけず、レールの上に載った寿司も食べなかったんだが…これからは大型回転寿司には行けないな…」
「日本料理たるもの『清潔でこそ』というイメージだった」
そして「まさか日本で…」という主旨の内容も。
「先進国の日本でそんなことが起きるなんて信じられない」
民族性や民度云々を取り上げて論じるコメントもあった。日本関連のニュースでは必ずといっていいほどに出てくるものだ。既視感があり不毛な議論であると判断しここでは割愛する。
1月中旬の「盗み食い事件」も韓国ですでに話題
関心度の高さの背景には、1月中旬の時点ですでに「日本スシ論争」が韓国で起きていたという点がある。
1月7日に韓国人観光客が福岡市の寿司店を訪れた際に「わさびを大量に練り込んだ寿司を出された」とSNSに投稿。これが「わさびテロ事件」として大炎上。
これに続き、MBCが1月13日に日本のTikToKユーザーが「はま寿司」で「他の客がオーダーした寿司を盗み食い」した動画が日本で拡散されている、というニュースを報道。
1月14日にアップされた動画も145万回再生を記録していた。関連の話題性がグツグツと煮込まれたような状態での「ペロペロ事件」だったのだ。ちなみに「盗み食い」の動画の方には以下のようなコメントが入っている。
「それっていたずらで済む話? 人間のやること? 厳重に処罰しないと」
「日本人は他人に迷惑をかけないというのが自慢じゃなかったのか?」
最後のコメントはごもっとも。どんな国や文化であっても守られるべきラインを話している。
「厨房であれ客であれ、どんな経緯であれ食べ物にいたずらするのはいけない。程度の低いおこないだ。厳重に処罰しなければ」
韓国では2022年10月以降の日本政府によるいわゆる「水際対策緩和」以降、空前の日本旅行ブームが起きている。
1日にエアープサンが発表したデータによると、先の旧正月(1月21日~24日)の連休中、国際線乗客のうちのじつに65%が日本行きだった。また大手ホテル予約サイトは最近の「10大人気都市のうち、6都市が日本」とも発表している。
実際に自分も行くかもしれない場所。そんな感覚も一連の出来事への大きな関心を生んだか。