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【M.O.F.】カンプリニ スイーツフェアはハイアット リージェンシー 東京のシンボルとなるのか?

東龍グルメジャーナリスト
ハイアット リージェンシー 東京「カンプリニ スイーツフェア」

2ヶ月前の発表会

「真夏のクリスマスケーキ発表会」でご紹介したハイアット リージェンシー 東京がまた2か月前という早い時期にプレス向けの発表会を開催しました。

2015年1月26日から3月31日に行われ、1月29日から31日には本人も来日するクリスチャン・カンプリニ氏とのコラボレーション企画「カンプリニ スイーツフェア」の発表会を2014年11月下旬に行ったのです。

カンプリニ氏は、極めて優れたフランス文化の担い手に授与されるフランス国家最優秀職人章「M.O.F.」を受章した数少ないショコラティエのうちの1人です。M.O.F.は日本における「人間国宝」に相当するものといえば、どれくらい名誉なことであるか分かるでしょう。

3回目を迎える人気フェア

カンプリニ氏との夢のコラボレーションは2012年から続いており、今回で3回目となります。

企画部 支配人の福井雅之氏は「佐藤ペストリー・ベーカー料理長が着任する際に、フランスフェアの一環で何かイベントを開催したいと考えた。10年以上前に一緒にイベントを開催したことがあるカンプリニ氏に打診したところ、快諾していただけた」ときっかけを述懐します。

例年、テレビや雑誌にも紹介されて既に知名度は高くなっているフェアですが、どうして3回目になって初めてこのような早い時期に発表会を開催することになったのでしょうか。

例年以上のスイーツに

福井氏に問うと、「3回目を迎えるにあたり、これまで以上に素晴らしいフェアにしなければならないという思いがあった」と使命を挙げ、そのため「6月というかなり早い段階から佐藤ペストリー・ベーカー料理長の右腕である仲村ペストリー シェフがフランスに渡った。カンプリニ氏のもとで何度も構想を練り、試作を重ねて完成度を高めていった」、その結果「例年以上に素晴らしいスイーツを創ることができたので、早くみなさまにお知らせしたいと考えた」と理由を説明します。

ペストリー・ベーカー料理長 佐藤浩一氏は「1回目のコラボレーションの時には就任したばかりで不慣れな部分もあり、十分に力を出し切ることができなかった。しかし、今回は万全の準備を整えて早めにフランスへ渡り、カンプリニ氏のもとで様々なことを吸収してきた」と振り返ります。

この成功を踏まえ、「仲村ペストリー シェフは次世代を担う人材なので、十分な時間を確保して学んできてもらうことにした。さらに大きく成長し、お客さまに満足いただけるフェアになっている」と育成の観点からも述べています。

バレンタイン商戦も視野に

フェアの期間が、1年のうちで最も重要な商戦時期のひとつであるバレンタインデーに重なっていることについて触れると、福井氏は「実は今回の発表会はバレンタインのご紹介も兼ねている」と述べます。

どういうことであるかというと、「バール・ショコラテ "ミニ・ミディ"はバレンタインデーにも贈れるチョコレートバーで、アプリコット、フランボワーズ、ココナッツ ライム、パッションフルーツと4種類の味わいが楽しめる新作。サロン・デュ・ショコラ東京でもご提供する」と自信を持ちます。

確かに、今回の発表会がバレンタインデーも視野に入れたものであるとすれば、他に先んじるにはこのタイミングがよいでしょう。

スイーツコース

ロビーフロアにある「カフェ」で提供されているスイーツコース「カンプリニ スイーツセット」は最初から最後までスイーツだけで構成された意欲的なメニューということで、昨年も注目されましたが、今年はどうなるのでしょうか。

フランスに渡ったペストリー シェフ仲村和浩氏は「スイーツセットは3品のアシェットデセールとプティフールから構成されている」と話し始め、「1品目のプレ デセールはオリーブオイルを使っていて南フランスが感じられ、爽やかで食べ易い。2品目のグラン デセールは1月・2月と3月でメニューを変え、リピーターのお客さまに、より楽しんでいただけるようにしている。3品目に佐藤ペストリー・ベーカー料理長のアプレ デセールを食べていただき、最後にカンプリニ氏のアイデアが詰まったプティフールを召し上がっていただく」と丁寧に説明します。

プティガトーやチョコレートも

このスイーツセット以外にもメニューはまだあります。福井氏は「ペストリーショップではカンプリニ氏がプロデュースしたプティガトー、チョコレート、焼き菓子を販売する」と紹介し、これに加えて「ラウンジ」マネージャー窪田慎太郎氏は「ラウンジではドリンクと共にプティガトーをお召し上がりいただけるので、気軽に立ち寄っていただきたい」と案内します。

では、カンプリニ氏とコラボレーションしたスイーツセットやプティガトーをご紹介しましょう。

カンプリニ スイーツセット

  • プレ デセール(カンプリニ氏)

フルール・ド・オランジュのムース、オリーブオイルの香り イチゴのソース

  • グラン デセール(カンプリニ氏)

1月~2月 なめらかなマダガスカル産ショコラのクレム マンダリンオレンジのジュレとソルベ

3月 軽いショコラ・オ・レのガナッシュ、柔らかなキャラメル ショコラのソルベ

  • アプレ デセール(佐藤氏)

あたたかなイチゴのソテー サワークリームとグラスヴァニーユ

  • プティフール3種(カンプリニ氏)

プレ デセール

フルール・ド・オランジュのムース、オリーブオイルの香り イチゴのソース
フルール・ド・オランジュのムース、オリーブオイルの香り イチゴのソース

フルール・ド・オランジュはオレンジの花のつぼみを蒸留して得たエッセンスです。

グラン デセール

なめらかなマダガスカル産ショコラのクレム マンダリンオレンジのジュレとソルベ(1月~2月)
なめらかなマダガスカル産ショコラのクレム マンダリンオレンジのジュレとソルベ(1月~2月)
軽いショコラ・オ・レのガナッシュ、柔らかなキャラメル ショコラのソルベ(3月)
軽いショコラ・オ・レのガナッシュ、柔らかなキャラメル ショコラのソルベ(3月)

アプレ デセール

あたたかなイチゴのソテー サワークリームとグラスヴァニーユ
あたたかなイチゴのソテー サワークリームとグラスヴァニーユ

プティガトー

ディアマン・ノワール
ディアマン・ノワール

「黒いダイヤモンド」を意味するカンプリニ氏のスペシャリテ。カカオ分75%のマダガスカル産ショコラ使用しています。

タルト・カリソン
タルト・カリソン

フルール・ド・オランジュで香りを付けたアーモンドペーストをダックワーズが包む焼き菓子です。

バール・ショコラテ
バール・ショコラテ "ミニ・ミディ"

クリームのかわりにフルーツのピュレを使ったキャラメルガナッシュを詰めた小さなチョコレートバーです。アプリコット、フランボワーズ、ココナッツ ライム、パッションフルーツといったフレーバーがあります。

ガトー・マロン・コンフィ
ガトー・マロン・コンフィ

マロンの風味が豊かなガトーです。軽いアーモンドビスキュイ、イタリア産マロングラッセ、マロンクリームとマロンシャンティといったメリハリのある構成。

タルト ショコラ オリジーヌ マダガスカル
タルト ショコラ オリジーヌ マダガスカル

パッションフルーツ、アボカド、マンゴーの風味が効いたガナッシュに軽いビスキュイとオリジナルサブレ、ヌガティーヌを組み合わせた大人のスイーツです。

カンプリニ氏の真髄を味わっていただきたい

仲村氏は「オリーブオイルはプレ デセールで使われているが、南フランスではどこでも入手でき、様々な食べ物に自然な形で使われている。このフェアを通して、南フランスを愛するカンプリニ氏の真髄を味わっていただきたい」と想いを語ります。

オリーブはそのままでも食べられ、搾ればオリーブオイルとなり、そこから薬品や石鹸へも加工されます。さらに幹は堅固な木材としても使用されることから、地中海に住む人々にとって<豊穣>のシンボルであるとされています。また、旧約聖書で鳩がオリーブの枝を持ち帰ったことから<平和>のシンボルであるとされ、日本ではオリーブ振興特区の小豆島を有する香川県の県木にも指定されています。

南フランス・ニース出身のカンプリニ氏がプロデュースし、佐藤氏のもと仲村氏によって日本人の口にも合うデセールへと体現されたこのオリーブのように、3回目を迎えるカンプリニ スイーツフェアはハイアット リージェンシー 東京におけるフェアのシンボルとなることができるのでしょうか。

クリスマスの影すらも見えぬうちから、カンプリニ氏の来日が待ち遠しいです。

情報

詳しくは公式サイトをご確認ください。

参考

カフェについてはすみれ草201に、ペストリーショップについてはスイーツ図鑑に詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。

グルメジャーナリスト

1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口で分かりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。

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