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ドラフト全体2位と3位の契約金は史上最高額を更新する。前年の全体1位、スキーンズを上回る

宇根夏樹ベースボール・ライター
ポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)Jul 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年のドラフトで、全体1位の指名権を持っていたピッツバーグ・パイレーツは、ルイジアナ州立大のポール・スキーンズを指名した。スキーンズは、920万ドルの契約金を得て、パイレーツに入団した。

 この金額は、設定されていた全体1位のスロット・バリュー、972万1000ドルには及ばなかったものの、ドラフト入団による契約金の史上最高額を更新した。それまでは、2020年の全体1位、スペンサー・トーケルソン(アリゾナ州立大→デトロイト・タイガース)の841万6300万ドルが最も高かった。

 今年のドラフトで最初に指名された3人は、トラビス・バザーナ(オレゴン州立大→クリーブランド・ガーディアンズ)、チェイス・バーンズ(ウェイク・フォレスト大→シンシナティ・レッズ)、チャーリー・コンドン(ジョージア大→コロラド・ロッキーズ)だ。

 それぞれのスロット・バリューは、1057万600ドル、978万5000ドル、907万800ドル。契約金は、895万ドル、925万ドル、925万ドルだ。契約金の金額は、ESPNのジェフ・パッサンらが報じている。

 バーンズとコンドンの契約金は、スキーンズの契約金を上回った。

 球団が支払う契約金は、スロット・バリューより上でも下でも構わない。ただ、その球団が1巡目~10巡目に指名して入団させた選手の契約金の合計が、各指名権のスロット・バリューの合計を超えると、超過税やドラフト指名権の喪失など、ペナルティが科される。超過の割合により、ペナルティは異なる。

 トーケルソン、バザーナ、コンドンは野手だが、バーンズは、スキーンズと同じ右投手だ。100マイルを超える速球を投げることも、共通する。

 スキーンズは、ドラフトから1年経たずにメジャーデビューした。ここまでは、11登板で66.1イニングを投げ、奪三振率12.08と与四球率1.76、防御率1.90。このままいけば、新人王に選ばれそうだ。オールスター・ゲームでは、先発マウンドに上がり、被安打ゼロと与四球1、外野に飛んだ打球はなく、無失点でイニングを終わらせた。

 パイレーツとレッズは、ナ・リーグ中地区のチームだ。来シーズンに実現するかどうかはわからないが、スキーンズとバーンズは、これから何度も投げ合うことになるかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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