重陽の節句限定!たねやさんの「栗子もち」で、新栗のねっとり&ほくほくふたつの食感にうっとり
1月7日の人日の節句にはじまり(1月1日の元旦は例外)、3月3日、5月5日、7月7日、そして一年の節句を締めくくるのが9月9日の重陽の節句。雛人形や鯉のぼりを飾ったり、笹の葉に願い事をしたためた短冊を吊るしたりとそれぞれの習慣がありますが、9月9日には何をするの?何を用意するの?と、ピンとこない方も多いはず。
と申しますのも、幼少期より工作などで雛飾りや雛人形、鯉のぼりを色画用紙等で作ったり、短冊に願い事を書いたりということは各ライフステージでも行ってきた方がほとんどですが、重陽の節句には特になにかするというわけでもなかったような気がします。
しいて言うならば、給食に菊の花を使用したものが出ていた、という記憶があるくらいです。
その重陽の節句とは、節句の前日に菊の花に綿を被せ、その滴を吸わせた綿で体を清めると邪気が払われ無病息災、ひいては長生きのご利益を賜ることができるといわれておりました。そのため和菓子屋さんでは、菊を模した練り切りに白くふわふわのきんとんを重ねた「着せ綿」という意匠の練り切りを拵えております。
たねやさんからは、その着せ綿に似せた秋の味覚・栗をたっぷり使用した「栗子もち」が販売されています。
自然な風合いの栗餡とほろほろとした食感が良い刺激の栗の甘露煮、双方の良いところを実感できる味わい。3個入りなので、ひとつは容赦せず思い切りかぶりつきます。全て一緒に口の中に招き入れた時の多幸感たるや。言葉に表しても表しきれない口幸(こうふく)です。
中のお餅には細かく刻まれた小豆の皮が入っており、彩りや奥行きのある味わいへと一役買っています。糯米も完全に潰されているわけではなく、やや粗目でざらつきがのこっているのですが、むしろその方が歯切れが良く、とろりとしたお餅よりもこちらの栗餡にはあっていると思います。存在感が損なわれず、栗の存在に負けず劣らずなお餅に仕上がっています。
改まった練り切りも素敵ですが、もう少し素朴でカジュアルに節句を楽しめそうな栗子もち。秋の美味しい味覚と共に、無病息災と身近な人たちの健やかな日々を願うというのも悪くありませんね。