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【オートバイのあれこれ】CBには負けられへん。

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

今日は「CBには負けられへん。」をテーマにお送りします。

1969年(昭和44年)にデビューし、世界のバイク市場を大きく揺るがしたホンダの『ドリームCB750Four』。

▲市販量産車としては世界初の4気筒モデル!として登場したCB750Four
▲市販量産車としては世界初の4気筒モデル!として登場したCB750Four

CBナナハンのデビューは、戦後のバイク史において最も重要な出来事の一つと言い切っても過言ではないでしょうが、そのCB登場に勝るとも劣らないインパクトを放つ出来事が、3年後の’72年にも起こりました。

カワサキ『900SUPER4』、通称「Z1」の誕生です。

▲CBに遅れること約3年、900cc&DOHCヘッドを備えた「カワサキの4気筒」が鮮烈デビュー!
▲CBに遅れること約3年、900cc&DOHCヘッドを備えた「カワサキの4気筒」が鮮烈デビュー!

’66年リリースの『650 W1』、’69年リリースの『500SS マッハⅢ』等で、ビッグバイク市場を開拓しつつあったカワサキ。

W1もマッハも、それまでの日本製バイクからするとかなり高性能だったわけですが、カワサキはこれらをも上回り市場を支配するための“大本命”フラッグシップマシンの開発を水面下で進めていました。

「N600」計画と名付けられたこの次世代マシン開発では、当時覇権を握っていたイギリス製の650〜750ccモデルをベンチマークに、

・排気量750cc

・4ストロークの並列4気筒

のパワーユニットを投入することなどを決めており、これが完成すれば、世界一の動力性能を備えた大型スポーツ車となるはずでした。

しかし、そんなカワサキの構想は儚くも潰えてしまいます。

上述のとおり、ホンダからCBナナハンが出てきたのです。

▲“750ccの4気筒”でホンダに先を越されてしまった
▲“750ccの4気筒”でホンダに先を越されてしまった

奇しくもCBはカワサキが構想したバイクとひじょうによく似ており、結果的に、カワサキの目標はホンダによって先に達成されてしまう形となってしまいました

こうなると、N600計画はもう「ホンダの真似事」でしかなくなってしまいます。

そして、世界市場での成りあがりに燃えていたカワサキは、この“価値を損なった”N600計画をすぐさま取り下げ。

CBナナハンをも打ち負かすオートバイの実現へと目標を置き直して、

・排気量900cc

・DOHCの並列4気筒(※CBはSOHCだった)

の心臓を持つマシンを作ることにしました。

そうして、試行錯誤を5年ほど続けた後に生み出されたのが、Z1こと900SUPER4になります。

▲洗練された外観(デザイン)も見どころ。Z1のデザインコンセプトは「スリム」「スリーク」「セクシー」の“3S”だった
▲洗練された外観(デザイン)も見どころ。Z1のデザインコンセプトは「スリム」「スリーク」「セクシー」の“3S”だった

カワサキが「打倒ホンダ」を掲げ作り上げた4発エンジンは、最高82psを発揮。

CBの67psを大きく上回る数値でした。

トップスピードでもCBの約200km/hを凌駕して210km/h前後をマークし、Zは見事CBをそのパフォーマンスでもって打倒してみせたのです。

また、売れ行きの面でもCBと同様に爆発的ヒットを記録し、カワサキはこのZ1の大成功により一躍世界的メーカーの地位を獲得。

世界のバイク市場における日本車の地位はCBによって一気に高まったわけですが、それをダメ押しし確たるものとしたのが、このZだったと言えるでしょう。

▲カワサキの世界一への執念を表す「900」。カワサキにとって特別な数字だ
▲カワサキの世界一への執念を表す「900」。カワサキにとって特別な数字だ

画像引用元:カワサキモータースジャパン/本田技研工業

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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