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【オートバイのあれこれ】スペンサー号が公道に飛び出した!? NSR250R

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

《 謹賀新年 》

新年明けましておめでとうございます。

本年もどんどんバイク系記事を更新いたします!何卒よろしくお願い申し上げます。

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全国1,000万人のバイクファンへ送るこのコーナー。

2025年1発目は、「スペンサー号が公道に飛び出した!? NSR250R」をテーマにお話ししようと思います。

「NSR」。

このネーミングに、格別の思い入れがあるバイク好きの諸兄も少なくないことでしょう。

今回は、1986年(昭和61年)に鮮烈デビューを飾ったホンダ『NSR250R』(MC16型)をピックアップします。

▲レプリカ戦国時代の“シンボル”であり“寵児”。それがNSRだ
▲レプリカ戦国時代の“シンボル”であり“寵児”。それがNSRだ

1980年にヤマハから『RZ250』が登場し、日本のバイク市場では2ストロークエンジンのスポーツモデルがたちまちトレンドとなりました。

そしてその流れに拍車をかけたのが、’83年登場のスズキ『RG250ガンマ』でした。

▲スズキのRG250ガンマ。レプリカブームはこのバイクから
▲スズキのRG250ガンマ。レプリカブームはこのバイクから

ガンマは中身にも外見にもWGPマシンの香りが漂っていて、ここから「レーサーレプリカ」なるものが本格的にもてはやされるようになります。

ホンダは、このトレンドに沿って『MVX250F』をリリースするも売れ行きが芳しくなく、続いて’84年に放った『NS250R』も、’85年登場のヤマハ『TZR250』に人気を奪われる形で、2ストスポーツの土俵においてはなかなかヤマハとスズキの牙城を崩すことができずにいました。

▲’85年登場のヤマハ・TZR250。ガンマの“一人勝ち”状態を見事に打ち砕いた
▲’85年登場のヤマハ・TZR250。ガンマの“一人勝ち”状態を見事に打ち砕いた

MVXでもNSでも、上手く成果を挙げられずにいたホンダ。

ホットカテゴリーでくすぶってはいられまいと、ホンダはここでついに「三度目の正直」と言わんばかりの手段を採ることを決意します。

「RS250RWの設計をそのまま使って、そこへ公道用のパーツを後から補う」

RS250RW』とは、’85年のWGP(世界グランプリ)250ccクラスにおいて、フレディ・スペンサー選手のライディングによりチャンピオンを獲得したホンダのワークスレーシングマシンです。

▲スペンサーと共に世界の頂点に立ったWGPマシン・RS250RW
▲スペンサーと共に世界の頂点に立ったWGPマシン・RS250RW

▲RS250RWを駆るスペンサー。’85年はGP500クラスにもエントリーし、なんと500でもチャンピオンを獲得!
▲RS250RWを駆るスペンサー。’85年はGP500クラスにもエントリーし、なんと500でもチャンピオンを獲得!

すなわち、上のセリフというのは、“世界一を獲ったGP250マシンを公道向けにアレンジして発売する”という意味。

前年に、ヤマハのTZR250が「市販レーサー・TZ250と同時進行で開発されたモデル」という謳い文句で話題を呼びましたが、ホンダはそれをも飛び越えて、世界一を獲ったワークスマシンをサンプルにNSR250Rを生み出すことにしたのです。

完成したNSR250Rは、軽量高剛性な目の字断面アルミ製ツインスパーフレーム、効率的に吸気できるクランクケースリードバルブ式のエンジンを備え、また『RCバルブ』というあらゆる回転域で豊かなトルクをもたらすデバイスも投入されていました。

▲車体の至る所にWGPテクノロジーが息づく。まさに「公道に降り立ったGPマシン」だった
▲車体の至る所にWGPテクノロジーが息づく。まさに「公道に降り立ったGPマシン」だった

ホンダが背水の陣にて開発しただけあり、NSRはガンマやTZRを凌駕するパフォーマンスを発揮。

販売のほうも、MVXやNSの分まで清算するかのごとく飛ぶように売れ、ホンダはこのNSRで以て見事「三度目の正直」を果たしたのでした。

元々、「アンチ2スト」だったホンダが、「2スト屋」のヤマハとスズキを追い落としたというのは、日本のバイク史においてもあまり無い、痛快なストーリーだったと言えるでしょう。

画像引用元:本田技研工業/ヤマハ発動機/スズキ

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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