「仕事を辞めたいのに、言えない」退職したいことをスムーズに伝える方法
「仕事を辞めたいのに、怖くて言えない」
「辞めたいことを、どのように言えばいいかわからない」
こうしたお悩みを持つ方が多いようです。
お悩み相談の掲示板を見ると「辞めたいことを切り出せず、また1か月、また1か月と、憂鬱な気持ちのまま働いています。どうしたらいいでしょう?」という声もありました。
第三者が見ると、そんなに辛いなら、さっさと伝えて辞めたほうが身のためだと思うのですが、当事者はどうすればよいかわからず、深刻に悩んでいるのでしょう。
そこでこの記事では、仕事を辞めたいと言えずに悩んでいる人が、気持ちを楽にして、退職の話を切り出す方法をご紹介します。
「なぜ、言えないのか?」を明確にする
まずは「なぜ、言えないのか?」と、自分に問いかけてみましょう。
退職の話を切り出せずに悩んでいる人は、ここが曖昧な可能性があります。
「気まずいから」「怖いから」といった、漠然とした理由なら「なぜ、気まずいの?」「なぜ、怖いの?」と、さらに質問を重ねます。
すると例えば「人員不足になるのが申し訳ない」とか「もう辞めるのかと叱られそうだ」とか、より、具体的な理由が出てきます。具体的な理由が出てきたら、そこに対処する方法を考えればよいのです。
よくある「言えない」理由と、対処法
上記で理由が具体的になったら、その対処法を考えてゆきましょう。
いくつかの事例をご紹介します。
1.話をするタイミングを逃してしまう
上司がいつも忙しそうにしているとか、業務に追われて話せずに終わってしまうとか、時間的・状況的に、切り出すタイミングが取れないというケースです。
これはもう、時間を作ってもらうと決めて、行動するのみです。
「ご相談したいことがあるのですが、後でお時間をいただけますでしょうか」と、アポ取りをしてしまうのです。直接に言うタイミングが無ければ、LINEなどのメッセンジャーツール使ってもいいでしょう。
2.働いて間もないので、気まずい・不安が多い
入社してから、あまり時間が経っておらず「もう辞めてしまうのか」と叱られることが怖い。
あるいは、辞めても、転職が不利になってしまうのではないかと不安を感じる。
新入社員等に多い、こうした不安は、腹をくくって覚悟を決めることです。
厳しい言葉をかけられることは、一時的なものです。
転職への不安は、起きてもいないことへの不安です。
もしかしたら、多少の苦労はあるかもしれませんが、それも自分で決めたことだと腹をくくれば、大きな問題にはならないのです。
3.引きとめられることが、憂鬱
辞めたいと言ったら、理由をつけて引きとめられるのではないか、それが憂鬱だというケース。
この場合は、辞めたい理由を明確することです。何を言われても「それでも、辞めることを決めたので」という意思をぶれさせないようにしましょう。
大切なのは、伝えるときに「辞めさせてほしいのですが・・・」という相談事にしないことです。
「これまで大変お世話になりましたが、〇〇(という事情)で、退職を決めました」という決意事項として伝えるといいでしょう。
なかには、正直に言えない理由もあるでしょう。そこは、そのまま伝えるのではなく、別の捉え方・伝え方をしてはいかがでしょうか。
仕事がきつすぎる → 体調に不安があり、療養したい
仕事がつまらない → 新たにチャレンジしたいことがある
嫌いな人がいる → 新たな環境で働きたい
いろいろあったにせよ、退職日まで、感謝して働こう
退職日が決まったら、その日を迎えるまで、感謝の気持ちで働きましょう。
やるべきこと、引き継ぐべきこと、自分の役割を、しっかり努めましょう。
辞めたいのに言えないと思い悩むほどであれば、もしかしたら、いろいろと嫌な思いをしたのかもしれません。とはいえ、働いて給料をもらい、生活できたのは、今の職場のおかげです。
ここでの苦労が、後々、自分を助けてくれることもあります。
最後に「お世話になりました。ありがとうございました。」という気持ちで巣立てるように、(もし本当に辛かったなら、上辺だけでもいいので)感謝の気持ちで過ごしてくださいね。
以上、退職したいと伝えられずに悩む人への対処法をお伝えしました。
新たな出発のお役に立ちますように。
マナー・コミュニケーション研修講師
樋口智香子