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出会いの場でも女性同士で話すほうが圧倒的に楽しく感じてしまいます(「スナック大宮」問答集その11)

大宮冬洋フリーライター
のべ1400人と飲み交わしてきた「スナック大宮」のこぼれニュースコラムです

スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京・西荻窪、愛知・蒲郡、大阪・天満のいずれかで毎月開催している。2011年の初秋から始めて、すでに70回を超えた。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。本連載(「中年の星屑たち」)を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接に聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や人間関係について突っ込んだ話になることが多い。現代の日本社会を生きている社会人の肌からにじみ出たような生々しい質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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「いわゆる出会いの場では、男性よりも女性のほうが話し上手で素敵な方が多いと感じてしまいます。女同士で話すほうが圧倒的に楽しいのです。でも、それでは婚活になりません」(43歳の独身女性)

男女の出会いの場には2種類ある。1つは、お見合いパーティのように司会者が入り、「回転寿司」方式などですべての異性と自動的に話せるようになっているもの。もう1つは、友人宅での家飲みや仕事関連の立食パーティ、行きつけの飲食店のカウンター席など、異性とのマッチングを目的とはしていないものだ。

ここでは、後者の「ゆるい出会いの場」について考えてみたい。その場を楽しみながら将来の結婚相手を探すにはどのように振る舞うべきなのか。

ステップ1 近くに座った人と楽しく語らう

見知らぬ人が多い立食パーティやBBQなどに参加すると、気圧されて誰ともあまり話せなかったり、「もっと楽しい人の輪がないか。美人やイケメンがいないか」とキョロキョロウロウロしてしまいがちだ。それでは気疲れするだけの結果に終わってしまう。

主催者の義務は「寂しい参加者を作らないこと」であり、参加者のマナーは「その場その場を周囲の人と一緒に楽しむこと」だと思う。近くに座った人たちの話の輪に入れない場合、主催者が一度はフォローしてくれるはずだ。さりげなく紹介をしたり、席替えを提案してくれたりする。主催者たちだけで勝手に盛り上がっているような会には二度と参加しなければいい。

常に物欲しげにキョロキョロしている人は、近くにいる人には落ち着かない印象を与えるし、場合によっては失礼になってしまう。周囲の人に自分から話しかけ、相手の話を聞き、自分の話もさせてもらうべきなのだ。

無理に冗談を言わなくていい。感じ良く、できるだけ笑顔で接するように心がけるだけで、その人なりの魅力が出てくる。近くにいる人が同性だけだったり、それほど好みではない異性であっても、楽しく会話をする姿勢を忘れないようにしたい。そんなあなたの姿を遠くから好ましく見ている異性がいるかもしれない。

スナック大宮では、近くに座った同性と親しくなり、後日に恋人候補となる素敵な人を紹介してもらったという話も聞く。縁はどのようにつながるかわからないのだ。つまり、冒頭の女性はまったく問題ない。男性の悪口で盛り上がり過ぎるような関係はおすすめできないが、気の合う女性同士でどんどん仲良くなればいい。いま自分がいる場所を大事にできる人はチャンスを広げやすいと思う。

ステップ2 気になる人には勇気を出して話しかける

少し離れた席からあなたを好ましく見ている異性がいる可能性があるのと同じく、あなたも会場の誰かが気になるかもしれない。その場合は、料理やドリンクのおかわりをするタイミングなどで席を離れ、目当ての人のところに行ってみよう。

このときにありがちなのは、変に遠慮をして遠巻きにしてしまうこと。それでは誰が目的で移動して来たのかがわからず、不鮮明な印象を与えてしまう。遠慮しているのではなく、自分が恥をかきたくないだけだという事実をまず直視しよう。真の意義ある行動は情けない現実を直視することから始まる。

人と人との出会いには勇気が必要なのだ。気になる人がいたら、相手の目を見て「少しお話してよろしいですか?」と話しかける。路上ではなくパーティ会場なのだから不自然ではまったくない。すでに彼や彼女を取り巻いている人がいる場合、その人たちにも笑顔で挨拶しよう。

相手が優しい人であれば、勇気を出して話しかけてくれた人を無下には扱わない。歓迎してくれるはずだ。ただし、会話は弾まないこともあり得る。それは気にしなくていい。できるだけ感じ良く話すことは大事だけれど、人と人には相性があるからだ。お互いにタイミングが悪いこともある。話を盛り上げられない自分を責める必要はない。むしろ、勇気を出して話しかけた自分を誉めてあげるだけで良いと思う。

その場では緊張してうまく話せなかったけれど縁をつなぎたいと思った場合は、無理に連絡先交換をお願いしなくていい。後述するように主催者に頼ってみよう。

ステップ3 主催者に感謝を表現し、要望があれば伝える

近くにいる人との会話をそこそこ楽しめたのであれば、その会の主催者に感謝するべきだと思う。まともな主催者は「寂しい思いをしている人はないだろうか。それなりに居心地良く感じてくれているだろうか」と気にかけているものだ。前向きで具体的な感想を聞くことができたら嬉しいし、その参加者は次の機会にも声をかけようと思うだろう。

そのうえで、気になる異性がいた場合は「紹介してもらえないだろうか」と丁重に打診してみよう。ただし、勇気がなくて会場では一度も言葉を交わせなかった人を見た目や条件だけで選び、主催者に紹介をお願いするのはマナー違反だと思う。

会場で連絡先を交換できた場合も、できれば主催者には一言伝えておいたほうがいい。「あの人は指輪はしていないけれど既婚者だよ」といった重要情報を教えてもらえる場合もあるし、「すごくオススメなので、よかったら改めて一席設けるよ」と背中を押してもらえるかもしれない。

大勢の人が参加するパーティでは、全員と「出会う」ことは最初からあきらめたほうがいい。どうしても気になる人がいたら勇気を出して話しかけるべきだが、キョロキョロウロウロしてはいけない。近くにいる見知らぬ人との交流を楽しむことを忘れないようにしよう。運の良さと自分の魅力、主催者の気遣いの3つを信じて、朗らかに堂々と振る舞うのが一番なのだ。

人間関係とは信頼関係である。自分と他人を信じられる人は良縁をつかみやすい。少なくとも筆者はそう信じている。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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